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2014-10-08 22:58:01

予備罪の「予備」とは?

テーマ:法律
【イスラム国:警視庁、北大生ら事情聴取 私戦予備の疑い】


こんな見出しのニュースが、話題になっています。




「私戦予備罪」の 「予備」 とは、


「準備行為」 のことです。




犯罪の 「準備行為」 をしただけでは、


“原則として” 処罰の対象になりません。


しかし、


特定の重大な犯罪については、


“例外として” 処罰の対象になるのです。




“例外として” 処罰の対象になるのは、


次の犯罪の 「予備」 です。


………………………………………………………………………………

  
  殺人(さ) / 通貨偽造(つ) / 外患(が) / 内乱(な) / 私戦(し)


  現住建造物等の放火(ほ) / 強盗(ご) / 身代金目的略取誘拐(しろ)


………………………………………………………………………………


司法試験の受験時代は、


   「『予備』 が規定されている犯罪を挙げなさい」


という問題に備え、


これらの犯罪の 頭文字 をつなげて、


   「サツがなし、ホゴしろ」


と覚えたものです。





この覚え方は、


司法試験の本番で、役に立ちました。




刑法の口述試験(面接試験)で、


面接官から最初に聞かれた質問が、


  「予備罪のある犯罪を挙げてみて」、


だったからです。




続けて面接官から聞かれたのは、


こんな問題でした。


…………………………………………………………

ある若者が、


 「ベルトで通行人の首を絞めて、金品を奪ってやろう」


と計画し、


 ベルトを買って、鞄の中に入れ、


渋谷のセンター街を、歩いていました。


この行為は、「強盗予備」に当たりますか?

…………………………………………………………


刑法の教科書には、


  「出刃包丁等の凶器や懐中電灯を買い求め、


  これを携えて徘徊する行為は強盗予備に当たる」


という、とても “分かりやすい” 例が挙げられています。




しかし、


いったい、どのあたりが 「予備」 のボーダーラインなのか、


明確に線引きをするのは、難しいところです。





先ほどの、口述試験の問題。


当時の私は、


「強盗予備に当たるのでは?」 と答えたのですが、


面接官から、


  「あなたが検察官だったら、


  ホントに、この人を強盗予備で起訴するの!?」


と一喝されてしまいました。





この点、刑法の教科書には、


次のように書かれています。


………………………………………………………………………………

   強盗の決意の存在を客観的に認識できる外形的動作があり、


  かつその行為が強盗の実行に直接役立つかどうかを基準に判断される


   (「刑法講義 各論」大谷實 第四版補訂版。下線は筆者)

………………………………………………………………………………


ベルトを所持しているだけだと、


強盗の決意は、「客観的には」 認識できません。


ですから、


この判断基準に従えば、


「強盗予備は成立しない」 という結論が導かれそうです。





予備罪の 「予備」 とは何か。




司法試験の受験時代以来ですが、


冒頭のニュースが話題になっている今、


折に触れて、考えてみたいと思います。


(おわり)
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2014-09-03 00:32:56

ブックリストの効用

テーマ:本・読書
『大人のための読書の全技術』 (齋藤 孝(著)KADOKAWA/中経出版)


を読みました。




終章に


「社会人が読んでおくべき50冊の必読リスト」


が付いていたので、


興味がわく本も、そうでない本も、


とにかく、全部、読んでみようと思っています。





「『ブックリスト』の本を、全部、読もう!」


と決意することには、


2つのメリットがあると思います。




(1)読書の目標ができる 


→ やる気がわく。


(2)自分に関係なさそうな本も読むことになる 


→ 視野が拡がる。





私の場合・・・


ブックリストをコピーして持ち歩き、


読み終わった本を消していって、


密かな達成感も味わっています。


(おわり)















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2014-08-21 22:21:17

お勧めの教養本(4)分かりやすい『哲学書』

テーマ:本・読書
私は、大学時代、


教養課程の「哲学」の講義を聞いても、


何を言っているのか、さっぱり分からず、


「哲学」の時間が、苦痛で仕方ありませんでした。




そんな私が、学生時代に読んで、


哲学に興味を持つようになった1冊が、こちらです。

__________________________

『はじめての現象学』 (竹田青嗣 海鳥社)

http://www.amazon.co.jp/dp/4874150489
__________________________



本書は、


ソクラテス ~ デカルト ~ ニーチェと続く「哲学の歴史」を概観した後、


フッサールという人が打ちたてた「現象学」の考え方を紹介しています。





本書の中に、こんな「問い」が登場します(二重引用符は筆者)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人間の認識が、その認識しているつもりの対象の“客観”と


正確に「一致」しているという保証は一体どこにあるのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


確かに、私たちの多くは、


   「織田信長は、本能寺の変で自害した」


と認識していますが、


   「あなたの認識が、その認識しているつもりの“客観=実際の史実”


   と正確に一致しているという保証は、一体どこにあるのか?」


   「実際は、織田信長は、本能寺の変で、死んでいないのでは?」


と聞かれると、答えに窮してしまいます。





先ほどの「問い」は、


「客観的な真実」 というものが実在することを


前提にしています。




これに対し、現象学は、次のように考えます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「客観的な真実 なるものは、どこにも存在しない。


重要な課題は、


『人間の確信成立の条件』 


『人間同士の共通了解が成り立つ条件』


を探求することである」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




(1) 例えば、裁判の場合、


「自分が絶対に正しいから、裁判に勝てるはず」 と思っても、


裁判官を確信させて、裁判官との共通了解が成り立たなければ、


勝訴することはできません。




(2) ビジネスの場合も、


「客観的に良い商品を作れば売れる」 というものではなく、


いかに顧客に確信してもらうかが重要です。



(3) 歴史認識の場合も、


“自分の認識と違う”認識の人に対しては、


信頼できる史料や状況証拠などを示した上で、


共通了解を成り立たせる努力をすることが肝要です。





本書は、専門外の人向けに、分かりやすく書かれています。


後半は著者独自の思想が展開されているのですが、それはそれで面白く、


どんな立場の方でも、考え方のヒントが得られると思います。


(おわり)








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