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2014-08-21 22:21:17

お勧めの教養本(4)分かりやすい『哲学書』

テーマ:本・読書
私は、大学時代、


教養課程の「哲学」の講義を聞いても、


何を言っているのか、さっぱり分からず、


「哲学」の時間が、苦痛で仕方ありませんでした。




そんな私が、学生時代に読んで、


哲学に興味を持つようになった1冊が、こちらです。

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『はじめての現象学』 (竹田青嗣 海鳥社)

http://www.amazon.co.jp/dp/4874150489
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本書は、


ソクラテス ~ デカルト ~ ニーチェと続く「哲学の歴史」を概観した後、


フッサールという人が打ちたてた「現象学」の考え方を紹介しています。





本書の中に、こんな「問い」が登場します(二重引用符は筆者)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人間の認識が、その認識しているつもりの対象の“客観”と


正確に「一致」しているという保証は一体どこにあるのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


確かに、私たちの多くは、


   「織田信長は、本能寺の変で自害した」


と認識していますが、


   「あなたの認識が、その認識しているつもりの“客観=実際の史実”


   と正確に一致しているという保証は、一体どこにあるのか?」


   「実際は、織田信長は、本能寺の変で、死んでいないのでは?」


と聞かれると、答えに窮してしまいます。





先ほどの「問い」は、


「客観的な真実」 というものが実在することを


前提にしています。




これに対し、現象学は、次のように考えます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「客観的な真実 なるものは、どこにも存在しない。


重要な課題は、


『人間の確信成立の条件』 


『人間同士の共通了解が成り立つ条件』


を探求することである」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




(1) 例えば、裁判の場合、


「自分が絶対に正しいから、裁判に勝てるはず」 と思っても、


裁判官を確信させて、裁判官との共通了解が成り立たなければ、


勝訴することはできません。




(2) ビジネスの場合も、


「客観的に良い商品を作れば売れる」 というものではなく、


いかに顧客に確信してもらうかが重要です。



(3) 歴史認識の場合も、


“自分の認識と違う”認識の人に対しては、


信頼できる史料や状況証拠などを示した上で、


共通了解を成り立たせる努力をすることが肝要です。





本書は、専門外の人向けに、分かりやすく書かれています。


後半は著者独自の思想が展開されているのですが、それはそれで面白く、


どんな立場の方でも、考え方のヒントが得られると思います。


(おわり)








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2014-08-07 22:12:03

お勧めの教養本(3)『学問のすすめ』(現代語訳)

テーマ:勉強

    「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らずと云へり」


有名な「学問のすゝめ」の冒頭です。




この一節 ~ 「と云へり」が省略された一節 ~ は、よく、


「人は生まれながらにして平等であることを説いた文章」


として紹介されるのですが、


原文を読んでみると、趣が違います。




実際の冒頭(要旨)は、こんな感じです。


    「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず、と言われている。


    しかし、現実には、賢い者,愚かな者,貧しい者,富める者などがいる。


    その理由は、学ぶと学ばざるにある。だから、学問をしよう」


・・・まさに、本のタイトルどおり、“学問をすすめ”ているのです。





福沢諭吉は、


学ぶべき学問として、


「勤むべきは人間普通日用に近き実学なり」


と説いています。




福沢諭吉は、「実学」、つまり、



「日常の生活に実際に役立つ知識・技術」を、



まず学ぶべき学問と考えていたようです。





「学問のすすめ」では、



学ぶべき 「実学」 として、



次のようなものが挙げられています(番号は筆者)



    「いろは四十七文字」「手紙の書き方」「帳簿の付け方」・・(1)



    「地理学」「物理学」「歴史」「経済学」「倫理学」   ・・(2)


    
    「米の相場」「商売の法」「時勢の動きを察知する」  ・・(3)


(訳文は、後述の『学問のすすめ』(佐藤きむ訳 角川ソフィア文庫)を参照)




ここで言っているのは、要するに、


    「語彙(語い)、文章力、会計スキル」 を身に付け、  ・・(1)



    「歴史や自然法則」 などを勉強し、           ・・(2)



    「ビジネスの情報や方法」 などを学ぶべし。      ・・(3)


というものですから、


「学問のすすめ」で勧められている 「実学」 は、


現代にも通じる 「必須の学問」 と言えそうです。





「学問のすすめ」の原文は、


現代語ではないので、


少し、読みにくいかもしれません。




「学問のすすめ」を 「実学」 として活かすためにも、


まずは、わかりやすい現代語訳で


エッセンスを学ばれては、いかがでしょうか。


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『福沢諭吉「学問のすすめ」―ビギナーズ日本の思想(角川ソフィア文庫)

佐藤きむ (翻訳)』

http://www.amazon.co.jp/dp/4043073038

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(おわり)
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2014-08-01 23:08:20

お勧め 教養本(2) 法窓夜話

テーマ:勉強
日本で初めての法学博士であり、


民法の起草にも関わった穂積陳重氏による


法律小ネタ集。


古今東西の法律雑学が‘100話’ 掲載されています。


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『法窓夜話』(穂積陳重/岩波文庫)

http://www.amazon.co.jp/dp/4003314719

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以前、「トリビアの泉(※)」というテレビ番組で、


『毛虫が裁判にかけられたことがある』


というトリビアが紹介されていました。


(※ 面白い雑学を紹介して、パネラーが、感銘を受けた回数だけ「へぇ」というスイッチを押す番組)


本書にも、これと、ほとんど同じ話が収録されています。


・・・第二五話 【動植物の責任】





明治24年に訪日したロシア皇太子が、大津で、


警護の警察官に襲われて負傷した「大津事件」の裁判。


この裁判で、日本政府は、裁判所に、


「ロシア皇太子を暗殺しようとした被告人を死刑にするように」


と働きかけました。




これに対し、


著者の穂積氏は、当時の裁判長【児島 惟謙(こじま いけん)】に、


「政府の圧力に屈せず、法に照らして裁判なされるよう」


と進言したそうです。




穂積氏は、本書の中で、大津事件のことを振り返り、


「我憲法史上に汚点を残すことを免かれた」


と述懐しています 。


・・・第九話  【大津事件】





その他にも


・・・第六話  【ソクラテス、最後の教訓】


・・・第二〇話 【家康の鑑戒主義行刑法】


といった、史実を題材にした話から、


・・・第二九話 【幽霊に対する訴訟】


・・・第二四話 【妻をもって母となす】


・・・第三一話 【評定所に遊女】


といった、興味をそそる話に至るまで、


実に幅広い逸話が紹介されています。





人生に役に立つ「トリビア」が満載ですので、


ぜひ、読んでみてください。


(おわり)
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