げんごろうのアサガオじまでおとまり(その5) | しのりの創作童話通り

しのりの創作童話通り

童話を書き始めたばかりのアラフォーが、これまで書いた童話をブログに載せています。
童話の中でも、特に好きなのは創作昔ばなしです(^^)

 げんごろうとカッポまるのすいえいきょうそうがおわると、クマきちとサルがげんごろうとカッポまるのところへやってきました。

 「ねえねえ、みんなでじびきあみをして、いっぱいおさかなをとろうよ」

 クマきちやサルがじびきあみをしたいといってきたので、げんごろうとカッポまるはさっそくみんなでじびきあみをすることになりました。

 げんごろうとカッポまるがみずうみの水の中に入ると、ふたりはすぐに引きあみをもちながらおよぎつづけました。しばらくすると、ふたりは大きなみずうみのおきあいまでやってきました。

 げんごろうとカッポまるは、みずうみのおきあいに大きなあみをしずめました。みずうみの水はきれいなので、いろんなおさかながおよいでいるのが見えます。ふたりは大きなあみをしずめると、引きあみをもちながらふたたびアサガオじまにむかっておよぎ出しました。

 げんごろうとカッポまるはアサガオじまにもどると、クマきちやどうぶつたちがじびきあみがしたくてたのしみにまっていました。

 「それじゃ、みんなでいっしょにあみを引くよ!」

 げんごろうが右の引きあみを、カッポまるが左の引きあみをそれぞれもつと、クマきちやどうぶつたちもげんごろうやカッポまるのところへいって引きあみをもちました。

 「よいしょ、よいしょ、よいしょ、よーいしょ」

 みんなは、どんなおさかながあみにかかっているのか、たのしみにしながらすこしずつ引きあみを引いています。そして、引きあみを引いていくうちに、みずうみの入り口に大きなあみが見えてきました。その大きなあみには、フナやイワナ、ウグイといったおさかながかかっていました。

 「わーい、おさかなだ、おさかなだ」

 「大きなあみのおさかながいっぱいかかったぞ」

 げんごろうたちは、大きなあみにおさかながいっぱいかかったので大よろこびです。でも、おさかなの中にはまだ小さいおさかなもいます。

 「おさかなをいっぱいとるのもいいけど、なんでもむやみにとるのはダメだぞ。みずうみがきれいだからおさかながいっぱいいるわけだし、このきれいなみずうみをまもるためにも、小さいおさかなはみずうみにもどしておかないとね」

 「カッポまるさま、これからもみずうみとアサガオじまのしぜんをたいせつにするよ。じぶきあみにかかった小さいおさかなは、またみずうみの中にもどすね」

 みずうみの中でくらしているカッポまるは、きれいなみずうみやしぜんをまもることのたいせつさをげんごろうたちにいいました。それをきいたげんごろうは、小さいおさかなをみずうみの中へもどしました。

 「小さなおさかなさん、さようなら~」

 げんごろうたちは、小さなおさかなをみずうみにかえすと、手をふりながらおわかれしました。

 「さあ、じびきあみでとれたおさかなをみんなでたべよう!」

 げんごろうは、じぶきあみでとれたおさかなをやきはじめました。すると、どうぶつたちはどうくつからぶどうやももといったくだものをもってきました。ぶどうとももは、きのうのばんごはんをみんなでとりにいったときに、げんごろうが木にのぼってとってきたものです。

 おさかながやけたら、みんなでひるごはんをたべるじかんになりました。

げんごろうたちがあつまると、すぐにおさかなもくだものもみんなで分け合って、ワイワイとにぎやかにたべています。カッポまるも、じびきあみでとったおさかなをおいしそうにたべているようです。

「はっはっは、みずうみでとれたおさかなはとってもおいしいぞ」

カッポまるがおいしそうにおさかなをたべるのを見て、げんごろうたちもおさかなやくだものをおいしくたべました。



 こうして、水あそびやおすもうをしたり、じびきあみをしてたのしかったアサガオじまとおわかれするときがやってきました。

 げんごろうたちは、アサガオじまでの水あそびやおすもうなど、たのしかったことをおもいだしています。クマきちは、いままでだったらいけやみずうみをみただけでこわがってばかりでちかづこうとはしなかったけど、げんごろうのおかげでもうこわがらなくなりました。

 じびきあみでとれたおさかながまだのこっていたので、おさかなはみんなで分けてもってかえることにしました。

 「そうそう、げんごろうとクマきちのおふとんももってきたぞ」

 カッポまるは、げんごろうとクマきちのおふとんをもってきました。ふたりのおふとんにはでっかいおねしょがベッチョリとえがかれていましたが、たいようのひかりがふりそそいだおかげでおふとんもすっかりかわいていました。

 「げんごろうは、小さいときにわしがすいえいをおしえたときよりもはるかにはやくおよげるようになったね。いままでわしがかっていたおすもうも、力がつよくなったげんごろうにまけてしまったなあ」

「ぼくたちも、カッポまるさまのおかけでアサガオじまでたのしくあそんだりすることやしぜんをまもることのたいせつさをまなぶことができたよ。カッポまるさま、ほんとうにありがとう!」 

 カッポまるは、あらためてげんごろうがげんきいっぱいのたのもしい男の子になったことにかんしんしました。そして、げんごろうもカッポまるがいたおかげでたのしくあそぶことやしぜんのたいせつさをまなぶことができたので、カッポまるにかんしゃしました。

 げんごろうは、大きないかだをアサガオじまの入り口へもってくると、いかだから出ている少し長いなわをげんごろうのおなかにくくりつけると、クマきちやどうぶつたちもいかだにつぎつぎとのりました。

 「それじゃ、わしもそろそろみずうみの中にもどることにしようかな。」

 カッポまるもみずうみの中にもどるためにアサガオじまの入り口にやってきました。

 「カッポまるさま、さようなら。こんどアサガオじまにくるときも、水あそびをしたりおすもうをとったりしてあそぼうね」

 「はっはっは、こんどはげんごろうにはまけないぞ。げんごろうたちがまたここへくるのをたのしみにしているよ」

 げんごろうはカッポまるにあいさつをすると、カッポまるもげんごろうたちがまたくることをたのしみにしながら、そのまま大きなみずうみの中へもどっていきました。

 げんごろうは、クマきちやどうぶつたちをのせた大きないかだを引っぱりながらおよいでいます。みすうみにはいろんなおさかながおよいでいますが、げんごろうがみずうみをのぞいて見ると、まるでおさかなたちがうれしそうにおよいでいるようです。

 しばらくすると、山の中に入るみちがすこしずつ見えてくるとともに、みずうみの入り口が見えてきました。そして、クマきちやどうぶつたちをのせた大きないかだは、みずうみの入り口につきました。

 クマきちやどうぶつたちが大きないかだからおりると、げんごろうは、いかだを引っぱるためにくくっていたなわをほどきました。

げんごろうは、大きないかだをらくらくともち上げると、すぐに山の中に入りました。クマきちやどうぶつたちも、じびきあみでとれたおさかなやじぶんのもちものをもちながらげんごろうの後ろについていきました。しばらくあるいて山からおりていくと、目の前にげんごろうのおうちが見えてきました。

「アサガオじまでカッポまるさまといっしょにあそんだのでたのしかったね! あしたもみんなとあそぶのをたのしみにしているよ!」

「げんごろうくんもクマきちも、あしたもいっしょにあそぼうね!」

げんごろうとクマきちは、どうぶつたちとあしたもいっしょにあそぼうというと、おうちの中にもどっていきました。どうぶつたちもじぶんたちのすみかへそれぞれもどっていきました。



 「おっかあ、ただいま!」

 「げんごろうもクマきちもおかえりなさい」

 げんごろうとクマきちはげんきなこえであいさつをすると、おかあさんもあいさつをしてふたりをやさしくむかえました。

 「おっかあ、じびきあみでおさかながいっぱいとれたよ、すごいでしょ!」

 「おさかないっぱいとれたんだね。そろそろばんごはんができるから、げんごろうはおさかなをやいてくれるかな?」

 げんごろうはじぶきあみでとれたおさかなをやくと、おかあさんがつくったごはんとみそしるとともにばんごはんをたべることにしました。

 「げんごろうたちがじびきあみでとれたおさかな、とってもおいしいよ」

 おかあさんはげんごろうたちがとったおさかなをおいしそうにたべていました。げんごろうとクマきちもじぶんたちでとれたおさかなをとってもおいしそうにたべました。

 ばんごはんをたべおわると、げんごろうとクマきちはおかあさんにアサガオじまでのたのしいおもいでをおかあさんにはなしはじめました。

 「おっかあ、アサガオじまにいって水あそびやおすもうをしたり、ばんごはんをさがしにいったりしてとってもたのしかったよ! それと、すいえいのししょうであるカッポまるさまとすいえいきょうそうもしたよ!」

 「ふふふ、いろんなことをしてあそんだんだね」

 げんごろうは、アサガオじまで水あそびやおすもうをしたことなどをおかあさんにはなしました。おかあさんも、げんごろうがアサガオじまでのできごとをたのしそうにはなしているのをきいていました。

 「きょうのあさは、おふとんにでっかいおねしょをえがいたかな?」

 「でへへ、きょうもぼくとクマきちはでっかくてげんきいっぱいのおねしょをベッチョリとえがいたよ!」

 「げんごろうもクマきちも、男の子らしいげんきなおねしょがいっぱい出たね」

 おかあさんがきょうのあさもおねしょしたかどうかをたずねると、げんごろうはげんきなこえででっかいおねしょをえがいたことをおかあさんにはなしました。おかあさんは、げんきなおねしょをしたげんごろうとクマきちをほめていました。

 「それと、きょうのあさはげんごろうくんがでっかくてげんきなうんちがたくさん出たんだよ」

 「ふふふ、もしかしてげんごろうはいもをいっぱいたべたから、うんちがいっぱい出たのかな?」

 クマきちは、げんごろうがあさにかわやの木ででっかいうんちがいっぱい出たことをおかあさんにいいました。

 「でへへ、ばんごはんにさといもをいっぱいたべすぎちゃって、でっかいおならとうんちがいっぱい出ちゃった」

これをきいたげんごろうは、さといものたべすぎでげんきいっぱいのおならとうんちが出たことをいうと、すこしてれながらえがおを見せました。げんごろうのげんきなえがおを見て、おかあさんもクマきちもしぜんとえがおになりました。

 こうして、げんごろうとクマきちは、日がすっかりくれるまでおかあさんにアサガオじまでのたのしかったことをはなしたのでした。

童話・昔話 ブログランキングへ