受胎告知の医学的考察 | 萌ゆる回廊!

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「受胎告知を医学的見地から読み解く」


天使ガブリエルがマリア様に受胎告知をする

シーンは沢山描かれていますが、

このダ・ヴィンチの受胎告知はガブリエルが主役。

マリア様を他人事のような無機質的な表情にしたのは、

敢えてドラマ性を避けた思惑があったのかもしれません。

医学的に処女からは子供は産まれない。

当時はまだ代理出産の医術は無かったと思いますし、

マリア様が単為生殖だったという想像も働きますが、

これはぜったいあり得ない。

ガブリエルはどういう想いだったのでしょうか。

このアイデアを考えた人はどういう思いだったのか。

本気で考えるのもバカみたいに思うでしょうが、

生まれた子がキリストとなると話がちがいます。

アブラハムの長子が本妻のイサクではなくて、

そうではなかった人のイシュマエルで、マホメット(アラブ)の祖といわれますが、

イスラム教圏とユダヤ・キリスト教圏の争いは今日まで続くことに。

十字軍がキリスト教圏では正義にとらえられてはいますが、

その逆もありきです。

イスラムにも(イスラム国ではない)正義がある。

その後2千年も世界の宗教政治に、

影響を与えた布石ともなる受胎告知。

新たな受胎告知で新たな救世主が現れるのか。

改めて争いのない世界の構築は、

人類に課された大きな命題といえます。

それを乗り越えないと人類は今より絶対進化しない。