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ロジカルシンキングの目的と限界

2011-07-22 10:47:34 テーマ:ブログ

こんにちは、シンスターの寺西です。


前回のブログでは、“上司の勘と経験に負けるロジック”という話をさせていただきましたが、今回もロジカルシンキングを活用する上での“上司の壁”について書きたいと思います。


「これこれこういうふうに考えてA案を実行するべきだと考えます。」と上司にロジカルに説明したところ、「そう考えたらむしろB案の方がいいんじゃないか。」と切り返されることがあります。自分としては、いろいろ考えた結果、A案が良いと思っているのに、上司はそれに反してB案の方が良いと主張します。


こういう場合は、どうしたらいいのでしょう。自分が考えたプロセスをもう一度上司に丁寧に説明し直すというやり方もあるでしょうし、上司がB案がいいと考えている理由を確認した上で、再度検討をするという方法もあるでしょう。自分の提案が上司に受け入れられなかった場合にどうするかということについては、いろいろな考え方ややり方があると思いますが、その前にまず、“考えるスタンス”として押さえておかなければいけないことがあります。


それは、ロジカルシンキングは相手の“認識”は変えることができても“見解”までは変えられないということです。もう少し具体的に言うと、考える上での前提条件を置いて、必要な情報を集めて自分なりに整理して相手に伝えることで、相手の判断材料を増やしたり、視点を変えたりすることはできても、“判断そのもの”までをコントロールすることはできないということです。要は、“どんなに自分がロジカルに考えても最後決めるのは相手”という健全な割り切りを持っておくことが重要だということです。


同じ花を見ても「きれい」だと思う人と「それほどきれいではない」と思う人がいます。ロジカルシンキングができることは、“できるだけ同じ花を見るようにする”、“できるだけ「きれい」の基準を合わせるようにする”ところまでで、それでも相手が「きれいではない」と判断した場合はあきらめるという割り切りが必要です。もちろん、あきらめずに、相手の考えを変えてもらえるような材料や判断基準をさらに多く集めて提示するという姿勢も大切だと思いますが、自分の頭の中では、それが“認識の違い”から来るものなのか“見解の違い”から来るものなのかを冷静に判断しておく必要があります。


では、“見解”が違った時は、誰の意見が通るのでしょう?


簡単ですよね。“偉い人(より上位の人)”の意見が通ることになります。それは、判断の良し悪しではなく、“誰が責任を取るか”ということで決まるからです。


自分がロジカルに考えて出した提案が通らないということはあまり嬉しいことではありませんが、もしそれが“見解の違い”によって通らなかったのであれば、「自分のやるべきことはやった」と開き直って考えていいと思います。「責任を取るのはオレだから。」という殺し文句が出たら、引き下がるしかないのです。


自分のやりたいことをやるためには、やはり“早く偉くなるのが一番”ということかも知れませんね。

「勘」と「経験」に負けるロジック

2011-07-15 18:14:27 テーマ:ブログ

こんにちは、シンスターの寺西です。


今回は、ロジカルシンキングについてのお話です。ロジカルシンキングの研修受講者に、研修後しばらく経ってから、「研修でやったことは仕事で活用できていますか?」と聞くと、たいていの場合、あまり歯切れのいい返事が返って来ません。


「なかなか使いこなすところまでは・・・」という返事が来る場合はまだいい方で、「いやぁ、上司がぜんぜんロジカルじゃなくて、なかなか理解してもらえないんですよ。」という嘆きもよく聞きます。


以前のブログでも書きましたが、「ロジカルかどうかは相手が決める」ので、原則論で言えば、「相手がロジカルじゃない」というのは言い訳に過ぎず、「相手にわかるように伝える努力をすること」が本当のロジカルシンキングだと言えます。しかし、現実問題として、ロジカルに話そうとする部下に上司がなかなか耳を貸そうとしないことはよくあります。なぜ、上司はロジカルに話そうとする部下の話を聞こうとしないのでしょうか?


・部下のロジカルシンキング力が未熟でロジカルな説明になっていない
・そもそも上司がロジカルシンキングに嫌悪感を抱いている


といった理由もあるでしょうが、それ以外の大きな理由の一つとして、

部下が作ってきた(なまじ)ロジカルな資料よりも上司の「勘」・「経験」の方が、はるかにビジネス上のスジがいいということがあります。


上司にしてみれば、「確かに内容はロジカルかも知れないが、ビジネスとしていまいちピンと来ない」という状況です。ロジカルに考えた部下にしてみれば、「いまいちピンと来ない」とだけ言われても納得できないところも多いのではないでしょうか。


なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?


実は「勘」と「経験」も帰納法的に組み上げられた立派な「ロジック」だからです。過去に起きた事実から何が言えるかを解釈して立てられた“形式知化されていない仮説”が「勘」と「経験」なのです。“ビジネスの現場”における“事実”から組み上げた仮説なので、ビジネスとしてのスジがいいのは当然とも言えます。ただし、あくまで“過去”からの洞察であるというところに限界はあります。


一方で、“ビジネスの現場”の状況を十分に踏まえずに作られた“机上の分析”は、それがいくら客観的で網羅性が高いロジカルな分析であったとしても、ビジネス上の判断材料としては使いにくいということになります。


上司の「勘」と「経験」に負けない“論理的でありながらビジネス上の感度がいい”分析・説明をするためには、単にロジカルシンキングの習熟度を上げるだけでなく、 “ビジネスの現場”に即した情報収集、分析の視点を高めるかことが重要になってきます。そのためには、机の前に座って考えるだけでなく、実際に“現場”に足を運ぶということも非常に大事かも知れませんね。

ソリューション営業の醍醐味

2011-06-16 13:21:21 テーマ:ブログ

皆さん、こんにちは。シンスターの寺西です。


最近、お客様にお話をうかがっていると、「ソリューション営業力を強化したい」という話をよく耳にします。10年以上も前からずっと言われていることで、未だにその話が聞こえてくるということは、それほど簡単に解決できるテーマではないということかも知れません。


私自身も「ソリューション営業」の正体を正確に把握できているわけではありませんが、一般的には、「商品・サービスありきの営業ではなく、顧客のビジネス上の課題に対するソリューション(解決策)を提案する営業」、「顧客の顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズも捉えてその本質的な解決策を提案できる営業」というようなことが「ソリューション営業」だと捉えられているようです。


まさに“言うは易し行うは難し”ですね。


人材開発・組織開発の領域においてもやはり「ソリューション営業」は求められていますが、実行するのはそれほど簡単ではありません。


「若手向けにロジカル・シンキングの研修を検討しているので貴社のプログラムの具体的な内容について聞かせてほしい」と言われているお客様(ニーズが顕在化しているお客様)に対して、より本質的な潜在ニーズを探るべく「若手向けロジカル・シンキングの話はさておき、そもそも御社のビジネス上の課題は何でしょう?」などとはさすがに聞くわけには行きません。こちらが、より本質的なニーズをお聞きしたいと思っても、向こうがそれを期待しているかどうかもわかりません。


実はソリューション営業における一番のハードルは、お客様の本質的な潜在ニーズを探り出すところにあります。お客様からすると、自身が認識している顕在ニーズこそが、本質的なニーズであり、それ以外の隠れたニーズがあるとは思っていないケースがほとんどです。仮にそういうものがあったとしても、それを素直に話してくれるとは限りません。あるいは、お客様の中でも整理できない状態で「漠然としたニーズ」として存在するということもあるかも知れません。


「いい営業マンは聞き上手」という話をよく聞きますが、おそらくそういう方々はお客様の本質的なニーズをうまく聞き出すことが非常に上手なのだと思います。ただ、上述したような状況を考えると、「御社の本質的な課題は何でしょう?」というような、ストレートな質問でお客様のニーズを聞き出せることはほとんどないでしょう。「聞き上手な営業マン」の方々は、ただお客様の話を受動的に聞いているわけでもなく、また直接的な質問をお客様にしているわけでもなく、事前にお客様の情報を調べたり、お客様の話の中からヒントを見つけたりしながら、「何をどのように聞けばいいか?」ということを戦略的に考えておられるのではないかと思います。


聞き出すのが難しいお客様の本質的なニーズを、事前の情報収集やお客様とのコミュニケーションを通して、質問の内容や質問のしかたなどをいろいろ工夫して聞き出すということが、実はソリューション営業の一つの醍醐味と言えるかも知れません。お客様の情報を収集する力はもちろん、集めた情報から相手の状況を理解し、それに合わせた質問・ヒアリングのしかたを体系的・戦略的に考える力というのが、「ソリューション営業」を考える上での一つの非常に重要なスキルと言えるかも知れません。


シンスターでは6/22(水)に「プログラム無料体験セミナー」を開催します。その中でソリューション営業力強化プログラムについてもご紹介させていただく予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加下さい。(「ソリューション営業」とは程遠い「ベタな営業」モードですみません。)

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