心理カウンセリングの世界では「クライアントが自分の問題を
解決する力を持ってるので、カウンセラーはその力を引き出す
為に少し下がった位置からリードして手伝う」というふうに考え
ています。(※学派によって違うところもあるかも知れませんが)
でも、ご相談に来られるお客様は「自分の中に問題を解決する
力がある」事を知らなくて、或いは信じられなくて、もしくはその力
を引き出す術がわからなくていらっしゃる方が殆どです。
でも確かな事はどんな人にでも”その力”備わっているという事
です。
先日エリクソニアン(エリクソン催眠)の臨床家で、薬学・脳科学
の専門家でもいらっしゃる坂本先生の研修会で、増々その事を確
信しました。
人間の脳は大きく分けると「大脳辺縁系」と「大脳新皮質」に分
かれます。
そして「大脳辺縁系」は動物にもあって、「無意識」は主にこの
部分の働きによるものと考えられます。
一方「大脳新皮質」は人間特有のもので「理性」を司り「意識」
は主にこの部分の働きによるものと考えられます。
そして「無意識」の性質としては「否定なし」、「前向き」、「生きて
いたい」、「望みに向けて行動を起こす」等、要は常にポジティブで
「生きてゆく上での障壁を乗り越える力」や「問題を解決してゆく為
の力」、更には「願望や目標達成に向けて行動を起こして行く力」
を全て兼ね備えてあるのですね。
これは、当たり前で人間だけではなく動物全てが持ってる「生存
本能」とも言えると思います。
⇒だってライオンが「今日は獲物が取れるかな?大丈夫かな?」
って悩まないでしょうし、シマウマを見つけたのに「自信がない
からやめておこう」と行動を躊躇したりはしないですよね。
逆にシマウマも、ライオンが狙ってるのに「ああ自分なんて、もう
どうなってもいいや」と逃げずに身を差し出すはずもないですよね。
そしてこうした動物や人間本来に備わった「生きる力」、「問題を解
決する力」等は無意識の中に誰もが持っているのですが、その力を
信じられず悩んだり、迷ったり、自己否定したり、といった”ネガティブ
な考え”は全て「意識」の中で作り出されます。
ですから、今問題やメンタルな悩み・症状に巻き込まれている方も
それは氷山の一角である「意識」の働きに過ぎず、その底にある「無
意識」という”氷山の本体”はとてつもなく大きくて生きてゆく力、前向
きな力、問題を解決する力等、全てを持っています。
そして、その力を引き出す為には「無意識」に働きかければいいわ
けです。
その「無意識にスポットライト」を当てるやり方は催眠であったり、イ
メージを使ったり、質問を使ったり、身体の感覚を使ったりと色々な方
法があります。
我々臨床家は、単にその方法を知ってるだけです。そしてその方法
を未だ知らない方はご遠慮なく習いに来て下さい。
譬えて言うと(本当は自転車に乗る力を持ってるのに)「自分は乗れ
ない」と思い込んでる人に、後ろから支えたりコツを教えて乗れるよう
になって頂けるのが私達の仕事だと思っています。
それでは今日も良い変化を。
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