昨日、神戸のポーアイにあるスーパーコンピューター「京(けい)」を視察してきました。ご存知かと思いますが、このスパコンは6月に演算速度世界一を9年ぶりに奪還したスグレモノです。
世界一と聞いて思い出すのは例の事業仕分け、「世界一を目指す理由は何なのですかぁ!二位じゃダメなんですかぁ」という有名なセリフを吐いた役満みたいな名前のねぇさん議員を覚えておられることでしょう。
やたら計算速度が速い、と言うことが私たちの暮らしにどう関係するのか、説明によると関係あるのかどころか私たちの生活用品や必要な情報のすでに7割程度はこの影響を受けているとのことです。スパコンの能力を活用する代表的なものはシミュレーションです。気象、防災、環境、食品、精密機械、医療、その他多くの分野ではその安心安全のため、精度を上げるために膨大な実験データを必要とします。
スパコンはこれを仮想空間でやってのける、つまり著しい時間の短縮が可能になるのです。
例えばほんの一例ですが台風の進路予想。昔は3日間くらい先までの進路予想計算に一週間くらいかかったそうです。つまり答えの出る頃にはもう行っちゃってますよね。これがスパコンの進化で3時間くらいに短縮され、事前予測が可能となったそうです。
さらに詳細を知って驚きました・・・
例のセリフは、「何十億も税金を投入して、それがどう国民に還元されるのかソフトが大事であり、いたずらに速さを競うことでこの本質を見失ってはいけない」と言いたかったのであり、言葉が稚拙すぎただけなのかな?と理解していたのですが、まったく違っていたのです。
兵庫県はこのスパコン建設を誘致するのあたり、県立大学にシミュレーション学の大学院を新設して同じ敷地内にもって来ました。つまり、スパコンを活用できる人材作りも併設したのです。
また、能力が京の二十分の一程度のスパコンを練習台として様々な企業に声をかけ、自社に活用するためのノウハウを提供し、単独では難しいスパコンの恩恵をシェアする枠組みを構築しています。
はじめから将来の活用や生活への還元を考え、実施し、事業仕分けの資料にそのことをきちんと説明していたにもかかわらず、これを無視して「無駄たたき」のパフォーマンスに利用したものと思われます。
しかも、仕分けの判定で大幅削減としたものは世間の批判を受け、予算の段階ではおおむね復活、仕分けの顔を立てて人件費を減らしたのですが、全国から何百人と言う技術者を集めるのに泊め置きができず、通いにしたので結局交通費が当初予算より多くかかった、とのことでした。何たるナンセンス!
もうこんなものに興奮する国民は少ないでしょうが、これ以外でも惑星イトカワに着陸し、60億キロの旅を生還した「あかつき」は17億を3千万に削減、あかつきがその後生還したら予算復活・・・マイナースポーツの振興予算を仕分けした前述のねぇさんが「なでしこジャパン」の世界一に賛辞を送ったら「おまえが言うな」とツイッターが炎上したそうな。
削減ありきの(それさえ達成できず)、私たちの無知に付け込んだ質の悪いパフォーマンス。神のいたずらのように削減事業から次々生まれる成果。マスコミも、騙されるほうも悪いけど、いい加減にせんかい!と叫びたくなります。当初好評だった事業仕分けを見て、全国あちこちの自治体で地方版事業仕分けがこれから実施されます。計画当初は実施の頃にこれだけ地に落ちるとは想像できなかったのでしょうが、わが西宮市も気をつけて、同じテツを踏まないよう、しっかり頑張って欲しいし、カタチありきで無理をしないよう留意してもらいたいとの意を強くしました・・・


