自由主義は絶対善ではない | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム
金曜日は、secretary-of-japan氏のコラムです。本日は「自由主義は絶対善ではない」という稿をいただいております。



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菅義偉官房長官は「私たちは保護主義の流れに危機感を持っている。日本主導で仕上げていかないと世界は間違った方向にいってしまう」と述べ、保護主義的な考え方が強まる中、日本主導で自由貿易体制を強化していく必要があると、東京都内で行った講演で述べたと11月3日に報道されています。


官房長官は、自由主義が絶対善であると信じていて、保護主義は間違いだと信じて疑っていないことが、この記事から読み取れるのですが、なぜ彼は、自由主義が絶対善だと考えたのでしょうか?


このヒントとなる記事が日経ビジネスオンラインに掲載されていました。「トランプなら1930年代のブロック経済再来も」という記事ですが、なかなか噴飯ものの記事で、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授の浦田秀次郎氏がインタビューに答えているのですが、その中で以下のように述べています。


「各国が保護主義に走り、貿易が縮小。自分の国で作った商品や製品を海外に売るのが困難になる「ブロック経済」が広がった。国内市場だけでは生産したものがさばけない。そこで大国がどう動いたか。「植民地」拡大という形で新たな市場獲得に動き出したのです。それが「世界大戦」へとつながっていったことはみなさんご承知の通りでしょう。負の経験、これは絶対に忘れたらいけないと思います。」


おそらく皆様がお気づきでしょうが、そもそもTPPはブロック経済です。
TPPの枠内に対して関税を下げて競争力を高めることで、世界に対して競争優位性を確保することを目的としています。ですから、巨大なブロック経済圏が誕生し、ブロック経済圏同士の摩擦が戦争に発展する可能性をこそ危惧するべきでなのです。現実的にはもはやないと思いますが、TPPが誕生したとしたなら、それこそが第二次世界大戦前夜のブロック経済圏に近い状況が生まれるのです。


そもそも「各国が保護主義に走ったために貿易が縮小した」=「各国が保護主義に走ったために消費が縮小した」では決してありません。『世界各国の経済政策が失敗して消費が落ち込んだ結果』、各国が自国企業を守るために止むを得ず考えた結果であって、それを責めるべきではないのです。『喉が渇けば水を飲む』と同じく、不況(=需要不足)になれば保護主義に走るのです。


安倍総理が移民を入れ、国民を貧しくし、現に個人消費を押し下げ需要を減らし続けています。景気ウォッチャー調査での家計部門は、この半年、下落を続けております。50で同程度の数値が、4月以降42.2、39.2、38.7、42.6、43.8、43.9、47.4と一度も50を超えることができていません。3か月前と比べての数字ですから、38.7の6月から、3か月後には自律反発するはずなのですが、それが43.9(9月)と話にならないレベルで落ち込んでいるのです。


10月は47.4まで上がっていることで、回復しつつあるという認識を示している人もいます。ですが、その人は「4月の売り上げが、1月に比べて5%落ち込んで、7月には、4月に比べて、さらに5%落ち込んで、10月には7月に比べて2%落ち込んでいる現状」を、景気が回復したと言っている人にすぎません。そんな人は経営に携わらせては絶対にいけない人でしょう。


先進各国の個人消費は、日本を含めて落ち込んでいて、このことが先進各国の経済が不安定化させ政治的な要望として保護主義的な政策が行える政治家が求められるのは歴史の必然であり、トランプ氏のような政策を公約とする政治家が選ばれることは驚くべきことではなく、むしろそれを見抜けない政治家がいることの方が驚くべきことなのでしょう。もしも、保護主義的な政策が戦争を招くと考え、そういった事態を防ぎたいと考えるなら、各国の需要が安定的に増大し、供給を安定的に高める必要がある状況が産まれたなら必然的に各国は輸入に対して寛容になることでしょう。


『喉が渇けば水を飲む』というほど自明のことと先に申し上げましたが、「水を飲んだらバテるぞ」とか、「授業中に勝手に水を飲みに行くのは秩序が保てない」と述べて、水を飲ませないようにする人がいたなら、今では、熱中症の原因になる愚かなことと認識されます。水を飲んでバテるというのは迷信や精神論のたぐいであることが証明されていますし、授業中に勝手に水を飲みに行かせなくても良いように十分な補水を行わせる必要があると考えられています。


ところが、日本の政治の世界では、今でも、この種の話が罷り通り、「炎天下の中で激しい運動を強要した挙句、水分を飲むな」という先生ばかりなのですから、こんな先生ではダメだと声をあげる必要があるのです。
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