宮部みゆき「淋しい狩人」読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

宮部 みゆき
淋しい狩人 (新潮文庫)

1993年10月 264p 新潮社 「小説新潮」に1991年6月号から1993年6号まで断続的に掲載された後、加筆訂正
☆☆☆+


宮部みゆき「淋しい狩人」読みました。


退職後、古本屋の雇われ店長になったイワさんも、ようやく古本屋業に馴染んできました。彼の孫の稔は高校生で、土日はこの古本屋でアルバイトをしています。


物語はこのふたりを軸に、古本屋周辺で起こった、本にまつわる、連作ミステリーです。


第一話から第六話までありますが、それぞれが独立して楽しめます。事件的には淡泊な感じなものが多いかも知れません。しかし、どの話も本に関連していますので、本好きでミステリー好きのヒトにはお得な内容かも。


以下にそれぞれの粗筋を記しておきます。


第一話 六月は名ばかりの月
結婚式の引出物の本に「歯と爪」と文字が落書きされていた。おまけに新婦も失踪中?!


第二話 黙って逝った
真面目で本好きの父親が突然死した。息子がアパートを整理しに行くと、すべての本が片づけられていて、代わりに自主出版の本「旗振りおじさんの日記」という本が300冊以上も並べられていた!おまけにノートには毎月3万円ずつの収入があったことが記載されており、そのお金が靴箱から出てきたのだった?・・・


第三話 詫びない年月
近所のお祖母さんの枕元に、毎晩見知らぬ母子の幽霊が出るとのこと。家を建て直したらそこから白骨死体が・・・実はその場所、防空壕だったのだ。。。


第四話 うそつき喇叭
ある子供が、「うそつき喇叭(らっぱ)」という本を万引きしました。子供は児童虐待を受けていました。誰が子供を虐待したのか?どうも万引きした本にヒントがありそうです・・・


第五話 歪んだ鏡
ある独身女性が駅の網棚で拾った「赤ひげ診療譚」。その本の中に、ある男の名刺が挟まれていました。なぜかその人が気になりだした、彼女。勇気を出してその男に会いに行くことにしました。。。


第六話 淋しい狩人
「淋しい狩人」は12年前にある作家によって書かれ、彼が死亡したため未完に終わった探偵小説。あるとき遺族の元にその本の通り殺人を行うような、予告の手紙が送られてきた。そして実際に殺人が起こったのでした・・・


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