ギャンブル依存症を自覚したボクが書く日記 -3ページ目

また逢おうと、カノジョは言った。その③

実家に帰っているため、

なかなか更新ができない状況でした。

そんなわけで、間が空きましたが・・・

最終話です。

明日、東京の戻ります。

ちょっと、クサくて、恥ずいな・・・


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・


「お父さんがかわいそう…」
そう、カノジョは言った。
「お父さんのこともお母さんもことも
 好きだったのにね…」
泣きじゃくりながらカノジョが話す。
ボクは、何も言えなかった。
ただ、受け止め、受け容れるだけ。


カノジョが席を立ち、お手洗に向かう。
泣き腫らした眼を、どうにかするため。
ポツンと座り、
ボクは、ビールに手を伸ばした。


カノジョに逢うことが決まってから、
ひとつだけ、決めていたことがあった。
それは、《ギャンブル依存症》という言葉を
《病気》という言葉で括りたくない、ということ。
ともすれば、
「あの頃は《病気》だったんだから仕方ない…」
なんて、都合のいい言い訳を言いそうになる。
そんなことに意味はない。
病気だろうが何だろうが、
ボクが、カノジョとの生活を壊した。
それだけが確かなことなのだから。


「でも…良かったね」
戻ってきたカノジョの第一声だ。
カノジョはすでに
《あなたはだぁれ?》
とは聞いていなかった。
きちんと、ボクを見ようとしてくれていた。
「気づいたんでしょ?」
「うん。ありがと。ごめんなさい…」
少しだけ目を伏せ、ボクは言った。
カノジョは、戸惑いながら、
少しだけ微笑んでくれた。


少しずつ、少しずつ
時計の針が動き始める。
互いの言葉から《…》が消えていく。


いろんな話を、した。
あの頃に語り合ったこと。
ここでは書けないけれど、
カノジョと別れて、ボクが一番ひどい生活を
していた頃のこと。
※過去話の中で、もうすぐ出てくるかな…
今の生活。
ボクとカノジョ、互いの。


一緒に暮らした3年と、
離れ離れに暮らしてきた7年、
天秤に乗せたとき、天秤が傾くのは、きっと
一緒に暮らしてきた3年間のほうだ。
そちらのほうがずっと大事で、
たくさんの思い出が掘り返されていった。
笑いあい、ふざけあい、そして
懐かしがった。


2軒目、3軒目…
何を感じ、何を考えていたのだろう。
気がつけば、長い時間が過ぎて、
「コーヒーを呑みたい」
というカノジョと一緒にファミレスに入ったのは、
すでに午前2時という時間。


一緒にいたかったんだよ、そりゃね。
ボクは。
カノジョがどう思っていたかは知らない。
同じように思ってくれていたら…
うれしい。


「小難しく言うなら…」
コーヒーを呑みながらボクは言う。
「基準なんだと思う」
「ん?」
「キミと逢って、話すこと。そうすることで、
 今の立ち位置を測れるような気がする。
 また、逢ってくれると嬉しい」
「人妻だからね。頻繁にはムリだよ」
「また、2年後くらいに連絡するよ」
今回の再会が2年ぶり。
それをネタにして、ふざけた調子でボクが言う。
「2年は、長いな」
それが、本音だったら、うれしい言葉だ。
「じゃ、1年…いや、半年くらいかな…」
「ん。そうだね、また、逢いたいね」
そう言ったカノジョは、確かに微笑んでいた――


午前3時過ぎ。
ファミレスを出て、タクシー乗り場まで、歩く。
肩を並べる。あの頃のように…。


「多分…」
ボクが話を切り出す。
迷いながら…うまく伝わるかどうか解らないまま。
「愛してたし、愛してるよ。これからもずっと…」
《愛》って言葉に、何を込めたかったんだろう。
きっと、恋愛感情とか、そういったことじゃあない。
もっと、こう…信頼、とか、そういったもの。
でも、他の言葉に置き換えられない感情だ。


たとえいつか、他の人のことを好きになって、
思いっきり愛したとしても、
カノジョより何倍も好きになったとしても、
カノジョへの思いは変わらずに在る、という
そういった類の感情。
なのだと、思う。
そして、それをただ、伝えたかった、ということ。
「うん、ありがと」
カノジョは微笑んでくれていた。
と、思う。


タクシー乗り場に着く。
「今日はありがとうございます」
少しだけおどけた感じで、けれど真剣に、
ボクは頭を下げる。
「また、いつか」
「ん。また、いつかね」
ボクたちは、それぞれ、
タクシーに乗り込み、自分の部屋を目指した――


それが、先週の土曜日の夜から
日曜日の朝にかけての出来事だ。
その日の午後、ボクは新幹線に乗って
実家に帰ってきた。
壊れ、失ってしまったものや時間の大きさは、
決して埋めたり、掬いとったりできるものではなく…


それでも――
それは、ひとつの大きな節目として。
およそ1年かけて、ようやくカノジョの前に
姿を現すことができるようになったということ。
それだけの揺るぎなさを、
徐々にではあるけれど、手に入れたということ。


きっと、
半年後とか1年後とか、
ボクは、カノジョに連絡をするのだろう。
その時、ボクがどんな言葉を使っているのか、
そして自らの人生をどんな風に紡いでいるのか、
今よりも、回復した姿を見てもらいたい、
そう、思う。


「幸せになってね」
酒を呑みながら、ボクが言った言葉、
「でも、キミを幸せにできるのは、オレだけだって、
 ずっと思いこんで生きてくけどね」
直後に、冗談にくるんで吐いた言葉。
おそらくは、どちらもボクの本音で…


未練、だというのなら、確かにそうなんだろう。
ただ今は、そんな風に未練を残してくれるような
女に出逢えたってことに、感謝をしたいと思う。


もうすぐ、生きなおしを決意して、
1年が、経つ――


<了>


どうも、ありがとうございました。

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また逢おうと、カノジョは言った。その②

迎えた約束の日。
少しだけ、緊張していた。
何を、話そう・・・
そういった類の緊張感だった。


待ち合わせ時間よりも少し早く家を出る。
そして、カノジョからの連絡を待った。


渇いていた。
きっと、そう、思う。
何かを求めていた。
失ったもの。
手に入らないもの。
そういったものが多すぎて、
少しだけ、羨ましくなったのかもしれない。
誰か、とか
何かが。
欲していたのは、
きっと、
揺るぎない、何か。
歩いていくために必要な、何か。


そして、ボクとカノジョは顔を合わせた。
待ち合わせ場所。
一緒に歩いたことのある街。
夏の陽射しが傾いていく夕暮れ時。
軽く手を挙げるボクに気づいたカノジョは、
少しだけ安心した表情をしたように見えた。


「久しぶり・・・」
「あまり、変わってないね・・・」
「そう・・・?」
なんて、たわいない会話。
どことなくぎこちない、語尾に相変わらず《・・・》がつく。
「暑いね」
「うん・・・」
何かを話していないと間が持たないだけ。
ただ、それだけのために言葉を探す。


一軒の居酒屋に入った。
冷房の効いた店内に少しだけ緊張が解ける。
ボクは、改めてカノジョの顔を見た。
変わっていたのか、いなかったのか・・・
すごく不思議な感情だった。
見覚えはある。
けれど、初対面といってもいいような感覚だ。
懐かしさ、などではない。
本当に、まるで初めて会うヒトかのような錯覚。
《そうかぁ・・・そういうことなのかなぁ・・・》
と、ボクは思う。


もしかすると、あの頃。
ボクは、カノジョの顔を
まったく見ようとはしていなかったのかもしれない。
結婚し、共に暮らしていく中で、
ギャンブルというものに溺れていったボクは、
カノジョの顔を見ることなく、
ただ、その日を何気なく過ごすことを最優先させていた。
だからこそ、どこか見覚えのある眼前のヒトに対し、
奇妙な感覚を覚えるのかもしれない。
カノジョの正面に座り、
カノジョの顔を見つめながらボクは、
そんなことを考えていた。
絶対に向き合うことのなかったあの頃が、
ボクの胸に甦ってきていた。


「ブログ、途中まで読んだよ」
カノジョが言った。
「ありがと・・・。どの辺まで?」
この辺 まで」
そんなやりとりをした。
「どう・・・だった?」
「ん・・・別に知ってることだからねぇ・・・」
特に気負いもなく、カノジョは話す。
「そっか・・・」
「でも、何で気づいたんだろうね・・・?」
「さぁ・・・」
徐々に、徐々に話は、どうしてもボクの
病理のことが中心になっていく。
「きっと、少しずついろんなことが積み重ねってたんだと思う」
ボクが言う。
「それで・・・きっと、たまたまこの時期だっただけ」
「そっか・・・」
運ばれてきたビールを飲み干した。
2杯目を頼む。
まったく酔う気配が、なかった。


何を、どうしたかったのか。
それが少しずつ理解できそうに思えてきた。
許されたいとか、そういったことじゃあない。
ただ、伝えたい。
それだけ。
今、自分が立っている場所、
生きている経緯、
歩んできた道、
すべてひっくるめて、
ボク、というものを
ただ、伝えたかったのだ。


話を続けた。
「読めば、解ると思うけど・・・」
「うん?」
「親父が死ぬ時、ひどかったんだ、一番・・・」
カノジョは、まだそこまで読み込んではいない。
そして、ボクは、このブログにも書いた
親父の死に際の話 をした。
飲み始めてから1時間くらいが経っていた。
カノジョの顔色がだんだんに変わってくる。
そこには、ボクが見慣れたカノジョの表情が、あった。


あの頃のカノジョが、そこにいた。
得体の知れないものを見る目。
その目がボクに投げかけてくる疑問。
「あなたは、だぁれ?」――
ボクは、その疑問に応える術を持たない。
いや、きっと、誰も持たない。
受け容れざるを得ない――


それでもボクは、話を続ける。
親父が死んだ瞬間のこと。
それからの自分の生き方。
変わることのないまま、生きた数年間のこと。
ただ、伝えたかった。
ありのままを。
ボクよりも、きっと、
聞くカノジョのほうが辛いだろう・・・
そう、思いながらも、ボクは話していた。


本来なら、
聞く必要のない話なのかもしれない。
もしかすると、
そんなこと知らないまま、
今の生活の中で、
幸せに生きていくことができる。きっと。
それでも、カノジョは、
ボクの話に耳を傾けてくれた。
カノジョが知らないボクの数年間を。
そして、カノジョは、
堪えきれず、
ボクの話に涙を流していた――


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また逢おうと、カノジョは言った。その①

aそれは、きっかけとか
区切りとか、ケジメといったもの。
ボクにとって、《事件》といえること――

もしも、生きていく中で、
目に見えない大きな力、が働いているとしたら、
ヒトは、それに衝き動かされるようにして、
さまざまな岐路を選択していくのだろう。
そして、その大きな力、というのは
ヒトのココロの力に他ならないのだろう。
自分でも気づかないほどの
小さな小さな揺さぶりや揺り返し、
その繰り返しによって、
《機会》というものが行動に現れるのだろう。
きっと、それはそういうものだ。

話は、数日前に遡る。
言いようのない切なさとか感傷的な気持ちを
持て余しているボクがいた。
理由は、よく解らない。
酒の量が、知らぬ間に増え、
埋まらないピースに眉をしかめていた。
多分、ブログを再開した頃くらい。

その感情は、ボクを衝き動かすように、
点と点を線で結んでいく。
勝手な言い分で分析すれば、
《タイミングを教えてくれていた》
そういうことなのかもしれない。

夜更け。
パソコンの前に座っていた。
今までに書いてきた、
ブログ記事を読み返していた。
ひとつだけ、大きなため息をついた。

手に持っていたケータイ電話のアドレス張を
スクロールしていた。
ピタ、と指が止まる。
そこに書かれている誰か、の名前を見つめていた。

電話をかける言い訳は、ある。
しかし、戸惑う。
何度も何度も、同じ場所をウロウロし、
自問自答を繰り返したりもした。
どれくらいの時間が経ったのか――
ボクは、意を決して、発信ボタンを押した。

カノジョ へ――

「もしもし・・・?」
不可解なカノジョの声が聞こえてきた。
とりあえずは、電話に出てくれたことに安堵した。
「ご無沙汰しています・・・」
「うん・・・」
語尾に《・・・》がつく、ぎこちない挨拶。
「どうしたの・・・?」
「ん、いや・・・もうすぐ師匠さんの命日だから・・・」
それは、おそらくは電話をかけるための言い訳。
伝えたいことは、そういうことじゃあない。

「今、何してるの?」
たわいない話でお茶を濁す。
いくつかの会話。
「結婚は・・・? した?」
「うん・・・した」
ボクの問いにカノジョが応える。
タバコの煙を大きく吐き出し、
ボクは、努めて冷静に話すようにした。
言いようのない気持ちが胸に拡がる。
祝福も、ある。
寂しさも、ある。
もっとも大きなものは、きっと、
《切なさ》という言葉で括られるものだった。
カノジョと初めて出逢って、この夏がちょうど10年目。
その時間の重みを、
しっかりと受け止めよう。
そう、思った。

「読んでもらいたいものがある」
「何?」
「ブログをね・・・書いてるんだ」
「・・・」
「ギャンブル依存症って、知ってる?」
「知らない」
そして、ボクは、このブログが何について
書かれているかをカノジョに説明した。
「イヤじゃなければ・・・」
「うん、解った」
「そんで、イヤじゃなければ、逢って話したい・・・」
「うん、そうだね・・・。とりあえず、アドレス送って」
ボクはカノジョが教えてくれたメールアドレスに
ブログのアドレスを書いて送った。
「じゃ、そういうことで。突然、ごめんなさい・・・」
「うん、おやすみ」

電話を切り、ボクは大きく、息を吐いた。
これで良かったのかどうか・・・。
答えが出るはずなどないことを知りつつ、
自問自答を繰り返していた。

もともと、誰かに読ませるつもりで
書いていたものじゃあない。
けれど、誰に読んでもらいたいかと聞かれれば、
それは、カノジョしかない。
理屈じゃなく。
感情として。

それから数日後。
カノジョからメールがきた。
《今度の土曜日なら時間、空けられます。
 久しぶりに飲みに行きましょうか》
という、メール。

《今度の土曜日》
要するに、
それが、昨日のことなのだ。

(つづく)



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LOVE LETTERS

夏休みに入りました。
というわけで昨日、
パルコ劇場の夏の風物詩
『LOVE LETTERS』
という、舞台を観に行ってきました。

存在は知っていたのですが、
何だかんだで都合をつけることができず、
10年もの間、観てみたいなぁ・・・
と思いながら、今回が初めて。
もう10年以上も、ひとつの台本で、
キャストを変えながら公演を繰り返している
《朗読劇》の名作、なのです。

舞台上にはひとつのテーブルとふたつの椅子。
椅子に座った男女が台本を手に、
それぞれの人生を登場人物に透過して
劇中の人物を謳いあげるという芝居。
音響も照明も舞台セットもシンプルに、
試されるのは、役者と脚本の力量。
そんな舞台なのです。

50年間に及ぶ男女の手紙のやりとり。
それをひとつひとつ綴り、
距離が近くなったり、遠くなったり
アツくなったり、惰性になったりしながら、
それでも、手紙の往復は途切れることなく続いていく――

切なかったなぁ。
哀しかったなぁ。
嬉しかったなぁ。
楽しかったなぁ。
そんなボクが感じた感情、
すべてひっくるめて・・・
素晴らしかったなぁ。

舞台を観に行くのは本当に久しぶりで、
あの独特の緊張感や真剣さに
触れたのも、嬉しかった。

もうね、
何を言っても陳腐になりそうで怖いのです。
その空間にあるのは、
ふたりの役者さんの真剣勝負と、
劇中の登場人物の人生、
だけなのです。
感情移入し、
時に俯瞰で見つめながら、
淡々と紡がれる言葉の群れを追う。
そんな時間は、やっぱりステキなのですよ。

で、芝居終った後は、
居酒屋に入って、
ぐでんぐでんに酔っ払って、
「チクショー!」
なんて、くだ巻きながら、
前後不覚に陥るまで酒呑んで、
芝居をやりたい気持ちを抑えながら、
それでも、何かを描きたいって気持ちを大事にし、
千鳥足で家に辿りつき、
そのまま眠ってしまったのです。
ボクと一緒に芝居を観に行くヒトは、
そこまでがボクにとっての《芝居》なので、
大変だよなぁ(笑)

芝居かぁ。
懐かしいなぁ。

そんな感じで、ステキな時間でした。
また、違うヒトが演じるこの舞台を
観に行きたいな、と思ったのです。
そして、いつか、ボクも
こんな風に、誰かのココロを騒ぎ立たせる、
そんな作品を描きたいなぁ・・・
そう感じたのです。

明日から実家に帰ります。
皆様、よい夏をお過ごしください。

8月10日

今日は、

ボクに、

物語を書くことの基本を教えてくれ、

また、競馬を一から教えてくれ、

そして、

10年ほど前、

ムリヤリ仲人までやっていただいた、

つまりボクが、

《師匠》と呼んでいる方の

命日です。


心より、ご冥福をお祈りいたします。


パチスロその⑯-《アイツ》13-

駅から10分くらいの道。
《アイツ》の部屋の灯りを見に行く。
ついていなかった。
時間を潰す。
駅まで歩く。
暑い・・・。


何時間くらい、そうしていたんだろう。
ネガティブな想像ばかりが膨らんでいく――


なぜ、《アイツ》と逢おうと思ったか。
戻れる、そう思ったからだ。
根拠は、ない。
もしかすると、
戻れたらいいな・・・という思いを
勝手に書き換えていただけなのかもしれない。


気がつけば、日付が変わりそうな時間。
《アイツ》はその頃、
けっこう忙しい会社の営業職に就いていて、
帰宅時間は不規則だった。
ボクが、待てたのもそういったことを
知っていたからかもしれない。
それでも――
《男、できたから、帰ってこないんじゃ・・・?》
とか、そんな自分に都合の悪い想像ばかりが拡がる。


駅までの距離、何度目かの往復。
その途中。
そこに、吃驚した《アイツ》の姿があった――
ボクは、その姿を見て、
歪んだ微笑を、浮かべた。


「何、してるの?」
「待ってた・・・」
「何で?」
「話したい、って思ったから・・・」
「・・・・・・」


家に、上がらないこと。
それが《アイツ》がボクに出した条件だった。
話すことに異論が特にあるわけではない。
胸に拡がるのは、安堵感、そして
不安や畏れ、そういったもの。
おそらくは――
ココロのどこかで解っていた。
この先の展開。
とりあえずの形を作ることは可能であろうこと。
けれど、その形を維持することは不可能だろうこと。
『カノジョ』との暮らしの形を、
ただ単純になぞるように、繰り返しているということ。
それでも、
ボクは、《アイツ》と一緒に、ただ話すためだけに、
一軒のカラオケ店に入っていった。


そこで、どんな会話が交わされたのか。
覚えているわけなどない。
ただ、必死で話したのだろうし、
それがウソだったのか、本気の思いだったのか、
未だに解らないままだ。
きっと、何度もアタマを下げ、そしてアタマをかいた。
そして《アイツ》は、
「解った。もう一度、やり直そう」
そう、言った。


刹那。
言うなら、それはそういったことだ。
瞬間しか見えないボクに、
その先を見通す目など、備わっているはずがない。


多分、必死だった。
ボクが、生きるため――。


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復帰宣言したので、気分一新です。

シンプルです。
ゴテゴテしてないデザインになりました。
気分一新、です。


何か書こうかなと思っていたんですけどね。
書きたいこととか、ネタがないわけじゃあ
ないんですけどね。
うまく整理できてないんですね。
まー、そのことについてはおいおい。
近いうちにたぶん、書きたいなぁと思っています。
ひとつの区切り、
みたいなものなのかなぁ・・・きっと。


よく解らない記事ですみません。


単に、デザインを変えただけです・・・

パチスロその⑮-《アイツ》12-

さて、長い休養放牧期間を経て、
そろそろ復帰です。
何をしてたって・・・フツーに仕事してました。
少しずつ慣れて、落ち着いてきて、
そろそろ過去話、進めていこうかな、と。
また、おつき合いくださいませ。


ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


雀荘へ、入る。
おそらくは、ギャンブル場へ行くことが
非日常、なのではない。
日常。
飯を喰う、息をする、寝る・・・
そんなこととほぼ同義なのだ。


2時間程度だった。
金が溶けるまでの時間だ。
安堵感は、ほんの2時間で消え、
ボクのココロは、再びあわ立ってしまった。


ケータイのアドレス帳をスクロールしていく。
今までに、何度も何度も行った行為だ。
ほんの少しの勇気を振り絞って、
ウソとホントを混在させながら、
電話をかけた。
「実家にいるんだけど、帰りの旅費がないんです。
 2万だけ貸してくれないですか?」
決してウソ、ではない。
ない理由を話さないだけ。
張りついた笑みは、誰に向けられたものなんだろう。


とにもかくにも・・・
電話をかけた友人は、すぐに金を振り込んでくれた。
ボクはその金を手に、駅に向かい、新幹線の切符を購入した。


何度も何度も同じことの繰り返しだった。
言うなら、馴れ。
もうすでに、これら一連の流れに、何も感じないボクがいた。


息を吐いて、新幹線のシートに腰を下ろす。
『何で、麻雀、打ちに行ったかなぁ・・・』
という軽い悔恨も湧いてはくるのだが、
そんなものからは目を背けるようにして、
何か、を見つめるよう尽力した。
何か、って?
ツラくないこと――


新幹線は、東京を目指して疾走する。
過ぎ行く景色を、ただただ眺めていた。
じくじくした感情が全身を包む。
この頃、スッキリした感覚を味わった記憶がない。
まるで傷口が化膿して、
それをずっと放置しているかのような、
そうして、膿がとどまることを知らずに流れているような、
そんな、感覚。


出逢ったヒトがいた。
離れていったヒトがいた。
いつしか、天秤に乗せていた。

どんなココロの動きだったんだろう。
思い出すことができない。
それでも多分、いろんなことを考えた。
新幹線に乗っている6時間だか7時間。


きっと、
結論は、ひどく簡単なものだったのだと思う。
どっちが長く、一緒にいられるのか。
ただ、それだけだった。
決意――
そんな大層なものじゃあない。
ふとしたココロの揺れに身を任せること。
きっと、それはそういった類のものだ。
もしかすると、気まぐれ。
そういった言葉に括られる行動なのかもしれない。


新幹線が東京駅に到着し、
ボクは背伸びをして、硬くなったカラダをほぐした。
そして、息を大きく吐き、
疲れているカラダを自覚しながら、
電車に乗った。


夏の夕暮れ。
まとわりついてくる不快感。
不快指数の高い東京の空をそっと、
見上げてみた。


『何を、どういうふうに話そう・・・』
耳障りのいい言葉は、自らに対しての言い訳にも似て――


そんな言葉をかき集めるようにして、
ボクは、
《アイツ》の住む駅へ向かったのだった。


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久しぶりに何かを書こうと思いました。

ずいぶんと久しぶりに、
何かを書こうと思い、パソコンの前に座ったのだけれど、
特にネタがあるわけでもなく、
ノープラン。
んー・・・平和な日々を過ごしているもんだなぁ。

今の景色は、そこそこ心地いいものです。
現在の立ち位置から見えるもの、
それは、ヒトの生活姿といったものであり、
真っ当、という言葉の中で繰り広げられる
さまざまな営みだったりします。

満員電車に揺られて、毎朝会社に通い、
アツっくるしいネクタイを結んだり、ほどいたりしているうちに就業時間、
酒呑んで、くだ巻いて、ぐでんぐでんに酔いどれて、
熱帯夜の中、家までの道、
ベッドに倒れこむように崩れ落ちて、
泥のような睡眠をとる・・・
何だか、とってもサラリーマン、という感じで
実は居心地のよさを感じていたりしているのです。

歪んだままのモノの見方が沁みついていて、
どことなく、ケツの座りが悪かったりもするのですが、
それはそれで、ひとつの基準、ってものと
自分の距離感を測るのにいいのかなぁ、なんて思います。

嬉しいことや哀しいこと、
いいことや悪いこと、
できること、できないこと、
全部ひっくるめて、まーいんじゃね?
と、飄々と受け止めたり、受け流したり。
そんな暮らしを楽しんでいる今日この頃だったりします。

さて、せっかくなので、
ブログタイトルの関連についても少し書いとこう。
ギャンブル依存症というものについて、
以前ほど深刻に考えることはしなくなりました。
どうせ一生つき合っていかなければならないものならば、
うまく折り合いつくように、
いい関係を築いていこうと、
そういう風に考えています。
いい関係ってのはきっと、
空気のような存在感。
あるのかないのかよく解らないものなんじゃないかなぁ、と。
そんな風に捉えられるようになりたいなぁ、と。
そんな、ある種の開き直りにも似た感情が、
正直なところなのです。

生きるってことはそこそこに楽しいなぁ。
生活するってことはなかなかにエキサイティングだなぁ。
もう、これ以上何かを、
壊したり、失ったりしたくないなぁ。

とある夏の日。
アツっ苦しい陽射しに目を細めながら、
まとわりつくような湿気と熱におかされて、
疲れの取りきれないカラダとココロとアタマで
そんなことを考えていたりするのです。

そして、全然話は変わるのですが、
最近のボクの脳内世界では、
『いつか』とか『なにか』とか、
そんなファジーでアバウトな言葉たちが
とっても旬なのです。
ファジーな言葉萌え~

というわけで、生存報告を兼ねて、
ゆっくりとゆったりと、そして飄々と
暮らしていきたいと思います。

んー・・・ノープランで書き始めると、
やっぱりぐだぐだになるなぁ。

まー、いーけどさ。




1ヶ月間

もうすぐ初任給~
1ヶ月、働いてみました。
何が何やらわからなかったり、
どうすりゃいいのか悩みながら、
何とかなってきているのかどうか・・・
ま、まだ1ヶ月だし。
ゆっくり慣れていきますかねぇ。


そんなこんなで、5月に入って初めての更新だったりして・・・
友達に「更新してないぞー」とかって
つつかれてたりして。
早く職場に馴染もうとしていたり、
友達の転職祝いでお酒を飲んだり、
ささやかな歓迎会を開いてもらったり、
とまぁ、
そんな感じの1ヶ月間。


フツーに、楽しく生きている今日この頃、
なのでした。


生きてまーす

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