入れ歯に使用する粘膜調製剤でも、人によってはアレルギー性接触皮膚炎を起こすことがあります。アレルギー体質の人には問診を細かくして、何に対するアレルギーなのか詳しく調べましょう。
皮膚にアレルギーのある人は、お口の中にも症状がでることがありますので、必ず主治医に申し出てください。入れ歯の調製剤にはメタクリレート系モノマー、脂肪酸啓可塑剤、アルコール類が含まれていますので、アレルギーのある人は禁忌です。万が一、自分にアレルギーの自覚症状がなくて、変わったことがありましたら、速やかに主治医に相談してください。
次の症状がでたら、必ず主治医に知らせてください。
アレルギー性接触皮膚炎の可能性があります。
1 .強いかゆみがある。
2. 唇や頬、舌が腫れている。ひりひりする。
3. 赤くなっている。
4. 体の他の部分にも、ぶつぶつができる。
対処は、原因を取り除けば、症状が消失します。
入れ歯の粘膜調製剤が原因ならば、除去すると治ります。
アレルギー性接触皮膚炎の原因物質は、至るところにあります。
1 .抗菌物質
防かび剤として、メチルスルフォニルやピリジンがポリ塩化ビニールの抗菌加工に使用されています。
(例) デスクマット、ヘルメットベルトなど
2. 繊維製品
樹脂加工剤として、ホルムアルデヒド、染料
抗菌物質など繊維の加工では、セバシン酸ジブチル(DBS)が使われます。
DBSは他にも、プラスチックの可塑剤、医薬品の添加物、インキの添加物、絶縁油、木工用表面塗装剤、合成ゴム用可塑剤などに使用されています。
歯科材料でも、使用されています。
化粧品、ヘアリンス、トリートメント、保湿ローションなどには、セバシン酸ジエチル(DES)が使用されています。
3. 塩化ビニール手袋
4. 美白剤
ハイドロキノン、アルブチンによる、紅斑や色素沈着
コウジ酸による皮膚炎
5. 口紅、リップクリーム
保湿性に優れ、低刺激性、低感作性として使用されているものには
リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、ジグリセリルオリゴエステル
これは、基礎化粧品やファンデーション、サンスクリーン剤などの基剤にも使用されています。
6. 市販医薬品
ケトプロフェン主成分の湿布薬では、重篤な光接触皮膚炎を起こすことがあるため、要注意です。
(皮膚科セミナリウム 第65回皮膚炎 接触皮膚炎の最近の動向 相原道子氏「横浜市立大学付属病院」より引用させて頂きました。)
身近な所にアレルギーの原因物質が多いことに驚きます!
アレルギーは全ての人に起こるわけではありません。
何ともないことも多いです。もし、自分で知らずにアレルギー症状が出た場合の参考にして頂けるとよいでしょう。