今回の与野党併せて321人分の国会議員がTPP反対に著名したことで、TPP賛否は国会も二分することが明らかとなった。

まだ野田総理がTPP中心の自由貿易を推進すれば日本の国益を損ないかねない。手詰まり感を払拭するには新たな道を提示すべきだ。

[25日 毎日]TPP:超党派の反対派321人の署名提出
TPPの交渉参加に反対する超党派の国会議員約25人が24日、首相官邸に藤村修官房長官を訪ね、30日の日米首脳会談で野田佳彦首相が交渉参加を表明しないよう求める321人の議員の署名を手渡した。首相はすでに参加表明を見送る意向を表明しており、藤村氏は「反対、参加さまざまあり、(会談までの)1週間で結論を出せる状況ではない」と答えた。署名提出に先立って集会も開かれ、民主、自民、公明など与野党11党派と無所属議員191人が参加した。

TPP反対については様々な思惑があるだろうが、321人の全議員に共通しているのは「TPP参加は日本の国益を損なう」という点である。

しかも所属政党を見ても民主党、自民党、公明党、社民党、共産党などTPP参加で統一しているみんなの党以外の全政党からの参加である。

不思議な光景であると同時に、TPP参加によりどれほど様々な分野に影響を及ぼし支障をきたす可能性があるのか理解できよう。

また、これにより第一党の民主党も第二党の自民党もTPP参加で意見集約ができていないことが証明された格好となったのである。

おそらく国民もTPP参加に賛成か反対かで統計を取ると国会議員の同じように二分するような結果になるのではないだろうか。

ただ、二分で止まっているのにも理由がある。新聞やテレビなど既存メディアでTPP参加すべしの発信しかしていないからである。

これは国民へのマインドコントロールであろう。

野田総理が消費税増税で官僚に洗脳されたのと同様に国民がTPP参加で既存メディアに日々の報道により洗脳を受けているのである。

既存の大手新聞、既存の報道チャンネルともにTPP参加で意思統一しているのでTPP参加にネガティブな報道をほとんど報じることが無い。

さらに、TPP参加すれば日本にこのようなメリットをもたらすという具体的な成功事例を示す報道が少なく、むしろTPP参加しなければ日本が大変な状況に陥るというある種の脅迫に近い報道が多い。

消費税の増税でも大飯原発の再稼動でも国を二分するような政策となると日本が大変になると洗脳させるスタイルを取っている。

そして、強制的な報道でも国民が洗脳されず、政策の賛否において旗色が悪くなってくると論点をすり替えて報道を行うのである。

大飯原発の再稼動などは最近の最たる例となるだろう。当初は原発の再稼動すべしの一点で再稼動しないと電力供給が大変であるとまとまっていたのだが、国民の脱原発の動きが予想以上に高まったのだ。

参考記事:日本や世界で「脱原発」を訴えるデモや集会が歴史的な動員数に、なぜ既存メディアは大きく報じないのか

ある意味、アラブの春と良く似た現象であろう。

そして、そこで国民の人気が高い橋下大阪市長の反対表明により一気に原発再稼動は難しいという流れに変わったのである。

今では既存メディアとも原発再稼動のゴリ押ししていない。しかし、橋下大阪市長VS野田政権という政局に論点をすり替えたのだ。

おかげでこれまで原発再稼動すべしという既存メディアの偏向報道が罪に問われることはなく、相変わらず偏向報道を繰り返すのである。

つまり、官僚と同様に既存メディアも身分なのである。

もっと言えば、政策の賛成と反対の判断に対して官僚は偏った情報を流し政治家を洗脳しようとするが、結果責任は政治家が取るのである。

それと同様に、政策の賛成と反対の判断に対して既存メディアは偏った情報を流し洗脳しようとするが、結果責任は国民が負うのである。

両者に共通するのは、自らの意見は断定せず、偏った情報を流し、過ちは認めず、他方を攻撃し、最終的な責任は取らないことであろう。

しかし、ITの普及で劇的に変貌を遂げようとしてる。これにより国民への既存メディアの影響力が徐々に低下していくだろう。

また、橋本大阪市長の登場も大きい。解散・総選挙になれば官僚機構の破壊と創造により国のグレートリセットが進むだろう。

ただ、国策捜査だけには注意が必要である。橋本大阪市長も解散までに小沢元代表のようにでっち上げ事件に巻き込まれる可能性もある。

話を戻してTPP参加であるが、問題として国会でも国民でも全く議論が進まないことがあるが、なぜ議論がすすまないのだろう。

おそらくTPP参加することでディメリットは列挙できるほど無数にあるのだが、メリットが数えるほどしかなく非常に少ないのだ。

野田総理が議論を深めてからと発言するが、TPPの意義について日本の国益になる大義名分となるべき理由がないからできないのだ。

確か「税と社会の一体改革」でも議論を深めてと発言していたのだが、メリットもディメリットもわからぬまま時間だけが経過している。

これまでも政権運営において「議論を深める=時間が経過する」となり、手順を踏んだからの一点張りであることが不協和音を生んでいるのだ。

まず、TPPでは参加すればどうなるか、参加しなければどうなるかを政府や官僚のデータではなく複数の経済研究所のデータで提示すべきだ。

さらにTPPに参加しない場合は何もしないで終わるのではなく、TPP反対派にどうすれば良いか選択肢を求めるべきだろう。

おそらく現在の日本にTPPにより関税が7年以内全撤廃となった場合のことを考えると耐えられるだけの余力は残っていないだろう。

それ以前に大手家電メーカーの惨憺たる決算を見れば、日本はTPP参加により輸出メーカーの競争力を強化を図るより、輸出立国から脱却して産業の構造転換を図らなければならないことは火を見るより明らかだろう。

一方で、日本の参加しないTPPがどうなるのか考える必要もある。経済で突出する米国一強のまとまりとなることから今後世界潮流となってTPPの基準で日本以外の経済大国が参加することも考えられないだろう。

つまりTPPおそるるに足らずとなる。

自由貿易で言えばTPP参加して疲弊産業を生み出すより、2国間交渉でFTA締結を目指し関税の完全撤廃ではなく個別分野の保護が可能な交渉相手を探すほうが、国内のコンセンサスを得られやすいだろう。

せっかく中国とは金融安定網の構築においてIMFでもCMIでも合意したのだから、尖閣諸島問題は別として願ってもない相手だろう。

参考記事:日中財務相会談でIMFへ資金拠出は両国連携してG20までに対応を決定、アジア安全網拡大でも合意へ

日本の経済発展のためには、今後の世界の人口構成を考えても中国以外にBRICs諸国との繋がりは絶対に外せないだろう。

もっと言えば巨大マーケットの国と緩やかな2国間交渉でFTAの輪の広げて貿易グループを形成していくほうがスムーズだろう。

今後10年スパンの外交戦略が必要である。

AD