弁護士近藤士起のブログ

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本日は刑事手続について。主に法律事務所の事務員の方等、書式を探している方向けの内容です。


刑事事件の被疑者、被告人は「留置場」または「拘置所」に留置されます。(これら施設は有罪が確定した者が収容される「刑務所」とは異なります)

留置場は、警察の管理下にある施設で、主として警察署内に設置されています。一方、拘置所は、法務省の管理下にある施設で、静岡市では静岡刑務所内に設置されています。

刑事訴訟法上、被疑者・被告人は拘置所に留置するのが原則ですが、留置場に留置することもできます。現状の運用では、まずは留置場に留置され、起訴後一定期間経過後、拘置所に移されるというケースが多いです。(被疑者を警察署内にある留置場に留置することにより、長時間の取調が行われ、冤罪の温床になっているのではないかという指摘がありますが、今回この問題は割愛します。)

上記のように管理主体が異なるので、留置場と拘置所には違いがあります。個々の留置場、拘置所で異なりますが以下のようなケースが多いです。

留置場
・食事が単調
・相部屋になるケースが多い
・比較的新しい施設が多い
・空調が効いていることが多い
・職員が温和なことが多い

拘置所
・食事が多い
・基本的に個室
・古い施設が多い(静岡市の拘置所はとても古い)
・冬は寒く夏は暑い施設が多い
・規則に厳しい
 
 
では、留置場から拘置所へ移送する権限は誰にあるのでしょうか。法律上の原則は検察官です。

刑事訴訟法規則第八十条
「検察官は、裁判長の同意を得て、勾留されている被告人を他の刑事施設に移すことができる」
 
また、条文はありませんが、裁判所の職権により移送命令を発することも可能です。

最決平成7年4月12日判時1529号156頁
「勾留に関する処分を行う裁判官は、職権により被疑者又は被告人の勾留場所を変更する旨の移監命令を発することができるものと解すべき」
 
このため、弁護士が移送を申し立てたい場合、裁判所に対し職権発動を促す申立てを行うことになります。ごく簡単な申立になりますが、この勾留場所変更の申立書が検索してもあまりでてこないため、不慣れな事務員の方は困ると思いますので参考に載せておきます。
 
------------------------------------
 
平成●年刑(●)第●号
被疑者 ●●
勾留場所変更の申立書
平成●年●月●日
●裁判所 御中
弁護人 ●
 
申立ての趣旨
 上記被告人の勾留場所を、現在の●警察署留置施設から、●拘置所へ変更されたく申し立てる。
 
申立ての理由
1 ●●
2 ●●
以上
------------------------------------
 
 
例えば、被疑者・被告人が留置場の警察官から暴行等を受けている場合、弁護人は直ちに拘置所へ移送を申し立てるべきです。その場合、上記申立ての理由には暴行の事実関係を書くことになります。

悩ましいのは、何回も逮捕・勾留されたことがある被疑者で、上記のような特別な事情はないけど、拘置所が好きだから拘置所へ移してくれと頼まれた場合です。この場合、弁護士としては少し困ってしまいますが、刑事訴訟法上、拘置所での留置が原則である以上、原則的取扱いをしてくれというのは単なるわがままとは違いますので、移送を申し立ててもいいでしょう。その場合の申立ての理由は、刑事訴訟法上の原則的取扱いを求める旨になると思います。
 
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静岡四季法律事務所
弁護士 近藤士起(静岡県弁護士会所属)
TEL:054-266-5200
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