またひとり大事なアーティストが逝ってしまった

女ボブ・ディランとか云われた中山ラビの訃報を、ニュースで知る前にメールで報せてくれたのは、ラビの息子さんだった
私生活を見せたがらないアーティストだった~ので彼女のコトを書いていいやら迷ったが、その息子さんに「ラビさんのこと書いてもいいか?」とたずねると「母も喜ぶと思います」と、了承得たので書くことに

70年代中ごろから
中山ラビとは頻繁にあってたな~
詩人で翻訳家で大学教授だった「中山容」さんから、ボブ・ディランの歌詞の分析を聞くのが楽しくて、関西方面でライブあるときは必ず中山宅にオジャマした
当時の中山容さんと同居してたラビさんは、いつも美味しい料理をつくってくれ~お酒のみのみ朝まで楽しくしゃべりまくったっけ
中山ラビの普段は、明るく元気で愛らしい~のだが、ステージに上がると空気が一変するのだ
けだるく歌ってるように見えるが、声は太く、伸びやかで美しい~そしてセクシー
独特の熱狂を生み出す彼女のステージに男どもは酔いしれたもンさ
ある日、中山ラビ・ライブのゲスト出演したオレは、調子に乗ってステージ上でラビさんのほっぺにキスしようとしたら、彼女のファンが「泉谷こら!なにすンじゃ帰れ!」とマジ殺気立ち怒号の嵐!、さすがのオレもビビッたビビッた
ファンにとって中山ラビは"女神"であり"アイドル"だったのだよ

間際の彼女は
息子さんに「弱った姿を誰にも見せたくない」と云ってたとか~
ワカル!おとこまえの彼女だもの
中山ラビとの長い青春のような思い出に"嫌"な思い出がひとつもないのがスゴイ!

心よりの哀悼を

泉谷しげる