いわき市整形外科「志賀リウマチ整形クリニック」オフィシャルブログ

いわき市整形外科「志賀リウマチ整形クリニック」の最新情報、膝の痛み、腰痛、五十肩、足手のしびれなどの原因や治療、その他日々の雑感などを綴ってみたいと思います。


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下肢のしびれとして代表的な疾患は

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)

があります(他にもたくさんありますので、あくまでも代表的なものとして)。

今回は「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」について

「腰部脊柱管狭窄症」は比較的高齢の方に多い疾患です。

腰の骨の中の神経の通り道「脊柱管(せきちゅうかん、下図矢印)」が狭くなり、神経を圧迫することで症状が出現します。


いわき市の整形外科


症状としては

1,下肢(足)の痺れ(しびれ)、痛み

2,腰痛(ようつう)、腰の痛み

3,臀部痛(でんぶつう)、臀部(おしり)の痺れ、痛み

4,安静時は症状はないが、歩くとしびれが出て、前屈み(まえかがみ)になると楽になり、また歩ける

などです。

重症になると、膀胱直腸傷害といって「尿の出が悪い、尿漏れ」「便秘がちになる」などの症状も出現します。

また、腰部脊柱管狭窄症では3つのタイプがあります。

1,馬尾型(ばびがた)

2,神経根型(しんけいこんがた)

3,混合型

です。

馬尾型では

1,主に歩行によりしびれが強くなる。またまえかがみになって休むと楽になる(間欠跛行といいます。これがつらいため
老人カー、押し車でまえかがみぎみに歩いていることも多いですね

2,両足に痺れがある

3,両足の裏(足底)に違和感、しびれがある

4,臀部(おしり)にしびれ、痛み、ほてりがある

5,歩くより自転車が楽。歩行は下り坂より上り坂が楽。

などの特徴があります。通常、腰痛もあります。

とくに歩くと出現するしびれによって、歩行困難になる方もいます。重傷度の判定にもなります。

100メートル程度の歩行でしびれが出現、休息が必要な場合は、必ず整形外科を受診すべきでしょう。


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これに対して「神経根型(しんけいこんがた)」は

1、主に片足にしびれ、痛みがある

2,歩行、安静に関係なくしびれ、痛みがある

3,臀部(おしり、座骨(ざこつ)に痛みがある

4,下肢(足)のしびれ、痛みで夜眠れない

しびれ、痛みの場所

1,臀部(おしり、座骨)から下肢の後ろを通って、すね(下腿)の外側の生じることが多いです。

2,その次に、足底(あしのうら)までのしびれ。

3,次に腰の痛みから、もも(大腿部、だいたいぶ)のしびれ、痛みです。

これらが混合している場合もあります。

しびれの場所が違うのは、やられている神経が違うからです。

最もやられやすいのは第5腰椎の神経です。これは坐骨神経(ざこつしんけい)とつながっており、「すねの外側から、足背(あしの甲)のしびれ」となります。

つぎは仙骨1番の神経、これは足裏や足趾裏の痺れ足では小指側のしびれになります(これも坐骨神経)。

この二つを「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」と呼ぶこともあります。

つぎは腰椎4番、3番の神経です。これは「大腿神経」となりますので、その名の通り、もも(大腿部)のしびれ、いたみとなります(坐骨神経痛にたいして大腿神経痛ですね)。

などの特徴です。腰痛は通常ありますが、膀胱直腸障害は通常ありません。


「混合型」は「馬尾型」と「神経根型」のどちらの症状もあるものです。


では「馬尾型」と「神経根型」ではどちらが重症でしょうか。

馬尾型は神経根型に比べて痛みも少なく、一見、神経根型より軽症にみえますが、実は馬尾型は比較的進行性です。

すなわち、徐々に歩けなくなっていく傾向があります。

歩行ができなくなると、介護が必要になります。

現在、腰部脊柱管狭窄症を含む腰部疾患は常に要介護の上位ランキングです。

馬尾型の腰部脊柱管狭窄症を適切な時期に適切に治療することが、将来の車いす生活、寝たきり生活の予防となります。

神経根型は比較的悪化傾向はありません。

ただ痛みやしびれが強いので、これを改善する治療が必要です。

また筋力低下がある場合もあり、進行する場合はしっかりした治療が必要です。



診断は上記症状の問診、診察に加え、

しびれの場所、歩行障害、筋力評価、知覚評価、膝蓋腱反射、アキレス腱反射、Babinski(バビンスキー)反射、SLRテスト(下肢挙上テスト)、FNSTテスト(大腿神経伸延テスト)、腰痛の部位、圧痛点

などが診察ではなされます。

さらに、MRIにて脊柱管狭窄の程度、場所、状態を確認します。

MRIでは正常な脊椎では脊柱管(矢印)は広く保たれていますが、腰部脊柱管狭窄症では椎間関節や黄色靱帯の肥厚により狭くなっています(矢印)。

右は脊髄造影(ミエログラフィー)ですが、狭窄している部分だけ、造影剤の欠損像が認められます。


治療は保存的治療と手術治療があります。

保存的治療

消炎鎮痛剤(ロキソニン、ロルカム、セレコックス、ハイペン、ボルタレン、ノイロトロピン・・・・・無数にあります)の内服注射リハビリがあります。

注射といっても様々な種類があります。

シンプルなのはトリガーポイント注射です。痛いところにトリガーポイント注射用の局所麻酔剤を注射します。

ただ腰椎内の神経そのものに効果はありませんので、下肢の痺れには効果はありません。

しびれがある場合は、硬膜外ブロックが比較的よく行われます。

脊柱管の中の神経は硬膜(こうまく)という固い膜で守られています(硬膜が破れると、脳脊髄液が漏れてしまう)。

この膜の周辺は「硬膜外」とよばれ、この部位にステロイド(副腎皮質ホルモン、強い抗炎症作用がある)、局所麻酔剤を注入することで症状(しびれ、痛み)を軽減させることができます。腰痛にも効果があります。

やられている腰椎の部位から注射する場合と、仙骨裂孔(おしりの少し上)から注射する場合があります。

効果には個人差があります。重症な方は数時間で効果が切れますし、数回で治癒してしまう方もいます。

さらに「神経根ブロック」というものもあります。

レントゲン透視装置を用いて、モニターで腰椎神経の通り道を確認して、腰椎から出てきた直後の神経に直接注射するものです。

痛みを伴いますので、頻回には行いませんが、やられている神経を直接ブロックしますので、最も鎮痛効果があります。また診断的価値もありますので、手術の前に行われることも多いです。


リハビリとしては、低周波、レーザー、超音波、マッサージ、ホットパックに加え、腰痛体操、腰背筋訓練などが行われます。

保存治療(外来治療)は狭窄した(せまくなった)脊柱管をひろげる効果はありませんが、腰痛やしびれ、痛みが生活に困らない程度であればとても有効といえるでしょう。


手術的治療は基本的には最終手段です。適切な時期、適切な症状に対しては極めて有効です。

脊椎手術は大切な神経を扱うため、当院では「脊椎外科専門医」に依頼して行っています。

手術の目的は、「狭くなっている脊柱管や神経の通り道を広げる」ことです。神経そのものには手を加えません。

狭くしている原因、椎間関節、黄色靭帯、突出した椎間板などを削ったり、切除したりします。

椎間関節は腰椎を安定化させている大切なパーツなので、削りすぎないようにしなければなりませんが、大きく削らないと、症状が良くならないと判断した場合は、チタン製の腰椎固定器具で固定する場合もあります。

各手術の詳細は極めて専門的になるので、ここでは書きませんが・・・・


まとめ

腰部脊柱管狭窄症には「馬尾型」「神経根型」「混合型」がある。

それぞれ症状が異なる。

外来治療と手術治療がある。

「馬尾型」は歩行障害が進行しやすいので特に注意が必要。



「腰椎椎間板ヘルニア」につづく


「腰部脊柱管狭窄症パンフレットダウンロード」

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