もう、うんこ育てろよ(婚活100連敗) | しちにんブログのブログ

もう、うんこ育てろよ(婚活100連敗)

FF15、クリアした。ちょうど二週間で。本編は終始、簡単だった。まともに本編やってたの4日くらいだけだった。クエストやってて飽きたら本編やるって感じで二週間でクリアである。

 

もう、おわかりであろう。

 

本編、すっごい少ないの。シークエンス量を数えると二時間半の映画とおんなじくらいの容量だった。本編。

クライマックス以降は結構、良かった。最後はちょっとおセンチになっちゃった。なにやらアマゾンレビューが凄い荒れてるけど、ゲームとしては普通に面白かった。まぁ、アイテム使用時が無敵だったり、アイテムの効能が強力すぎて死にようがないっていうくらいに簡単なんだけど。

ストーリーがクソっていう意見がネットの感想を見てて多かったがあれはしょうがない。

(こっから先、ネタバレばっかりだよ)

 

ストーリーがクソな原因は結構、はっきりしていた。

そもそも、今回のFF15のテーマは「少し大人のスタンドバイミー」だ。40年前よりも進学率が上がって、モラトリアム期間が伸びたので、20前後の若者でもスタンドバイミー的なストーリーを作っても違和感がなくなったという時代の流れがある。

さっきも言ったけど、シナリオの構成してるシークエンス数は二時間半の映画とちょうど同じくらいになっている。

話のストーリーは、弱い主人公が試練を乗り越えて、真の王様に成長していく。っていうシンプルな話。

で、最初に結論を言ってしまえば「女のケツはいい」という、ああ結論を間違えた。結論だけ言うと「ヒロインがシナリオのテーマをブレさせる存在にしかなっていない」

 

そもそもストーリーのテーマっていうのは「話を前に進める原動力」とか色々な言葉があるけど、こういうヒューマン物に関して言えば、「主人公から見た誰か」と「誰かからみた主人公」ということ。

つまり、話のテーマっていうのは「誰と誰の関係を描いているか」っていうのが基本です。シナリオにおいては。

今回は、要するに主人公ノクティスの目から見た、グラディオ、イグニス、プロンクトの3人。と3人から見たノクティス。これがテーマ、というか絶えず話の中心にあることで、プレイヤーはこの四人に感情移入していく。

その旅を経て、父親からノクティスに王の継承がされ。これは子供から大人へと成長するノクティスという演出になっている。それが全14チャプターで構成されているわけで。

 

まず、チャプター1の最初のシーン。旅に出かけることを王様である父親に報告するノクティス。ここで、礼儀も知らない、子供じみた性格が紹介されている。

その後、父親に呼び止められて「どんな時でも王としての誇りをもて。いつでも胸を張れ」と何かを継承するように言われる。

この時点で、最後には子供のノクティスが成長して立派な王になるんだと暗示されてて、ここでちょっとアタイは鳥肌が立った。

 その直後、シーンが変わって砂漠のど真ん中でエンストして車を押すノクティスたち。その道が王になるための長く辛い試練を表現してて、その車を四人で力を合わせて押している。これで友達とその試練を乗り越えるノクティスが暗示されてる。この2シーンだけで、これから始まる話を予感させる。正直、最高の出だし。これは一流のシナリオライターと演出家の仕事だと感動した。

 

で、第一プロットポイントがこのチャプター1の最後。ラスボスのアーデンとの出会い。で、その直後に王都が帝国軍に陥落させられ、ノクティスの親父が死ぬ。で、敵の帝国軍にノクティスたちは狙われることになる。

 

で、チャプター2の始まりから、国を失った主人公たちと帝国との戦い。主人公たちは、旅をしながら歴代王の力を手に入れるというストーリーが始まる。

 

で、なんやかんやあるんだけど。こっから話が少しづつブレていく。

 

で、第二プロットポイントが、リヴァイアサンの力を手に入れる儀式の最中にヒロインのルナフレーナがラスボスアーデンに殺される。

で、問題はここなのだ。話の山場に当たるプロットポイントに話のテーマと関係ないヒロインの死っていうが入ってきちゃってるわけで。

要するに主人公とヒロインの話になると、どうしてもテーマが「恋愛」の方にずれてしまってる。

で、第一プロットポイントからこの第二プロットポイントに来るまでの間の話は、友達のテーマから恋愛の話に移るための辻褄合わせが行われていて、話がブレてる。

ヒロインを話に登場させるために、12の王に続いて、急に6人の神様の力も手に入れなさい。とストーリーを方向転換させ、グチャグチャになってきている。

なんか、シナリオも極力、ヒロインを出さないようにしてたけど。無理がある。

 

で、第二プロットポイントのヒロインの死後、四人は帝国に乗り込むことになる。ここから「恋愛」からテーマをまた「友情」の方に切り替えるために、いきなりイグニスが失明したり、急に喧嘩を始めたりと、プロンクトが元帝国軍出身だったとか、なんとか友達のドラマを作ろうと無理矢理な展開になってしまっている。

 

で、第三プロットポイントが帝国に突入し、ノクティスが王になり覚悟を決める指輪をはめるところ。

ここから、ノクティスが単独行動を余儀なくされる。これは「仲間を信じ抜けるか?」っていうノクティスへの試練になっている。これがきっかけで、四人の意志は堅くなる。ノクティスは王になる覚悟をし、他の3人はノクティスを何が何でも守るという決意を固める。

ここからエンディングまでの展開はすごく感情移入できていいです。たえず、四人の友情が深まっていく。

で、第四プロットポイントがチャプター13の最後。クリスタルの中でバハムートと対話して「アーデンを倒すには、ノクティスの命と引き換えにしなければならない」という、主人公に最大の試練が提示される。

 

そのまま最終シナリオに入って。10年後の世界。ノクティスと別れることを知りながら、最後の戦いに向かう四人。FFであまり例のない切ないラストダンジョンの演出。主人公の死と友との別れが敵を倒して前に進むたびに近付いていく切ない感じ。

演出もすごくいい。この素晴らしいラストができるのに、なんで道中にテーマをブレされたんだ! と言いたくなるくらいにいい。中学の卒業式を思い出した。

で、ラスボスを倒して、成長して帰ってきたノクティスが王の玉座に一人座って、世界の平和のために死んでいく。

 

で、エンディング。

 

ラストはマジで震えるくらいにいいストーリだった。四人での最後のキャンプも、最後の誰も座ってない四つの椅子に朝日がさしているのとか、「旅が終わったんだ」と思わせるシーンで。

 

ほんと、言いたい。ヒロイン出さなくていいじゃん。ヒロインの存在を成立させるために、プロットポイント1〜2と2〜3、チャプター2からチャプター12までの話がブレてしまってる。

「ヒロインがいないとかありえないだろ!」ってほざいたスタッフがいたんだろうか。ヒロイン入れるなら、この五倍くらいシナリオの量増やせよ。このストーリーなら完全に邪魔でしかない。

ノクティスの親父は、「30年前に親友と旅をしていた」という事実が最初に語られて、ストーリーないに綺麗に落とし込まれているのに。

 

そこだけが残念。最初とクライマックスは凄い良かった。120点。