書くのはよそうと思っていたけれど、
やはり、書こうと思う。
なんだか、書かずにはいられない気分だから。

知人が事故で亡くなった。

その人は、私にとっては、初恋の人だった。

高校に入学したばかりのときに、
とてもカッコイイ、先輩だった。

そのころはグループ交際みたいな感じで、
私と1年生の女子と、
先輩たちでたむろったりしていた。

その人は、楽器がたいそううまくて、
家に遊びに行くと、いつも楽器を弾いていた。

大人になって、ずっと離れ離れになっていて、
知らないうちにむこうは結婚して、子供もできているとか、
友達づたいに、うわさが伝わってきたりした。

あるとき、
九州で野外ライブがあり、
そのときに、偶然、再会した。

むこうは、友達たちと一緒に来ていて、
私はひとりきりで行っていて、
夜、みんなで一緒に食事をしたあと、
ふたりで、部屋で朝まで昔話をずっとした。

私は、その人のことをとても好きだったけれど、
彼のほうは「へえ、そうだったんだ」みたいな感じだった(笑)

それから、毎晩、電話がかかってきて、
長い長い電話で、
若いころの昔話や、懐かしい思い出などを語りあった。

でも、
思い出話はいつかは底をつきてしまう。
そのあと、彼は仕事のことや、家庭のことなど、悩みやグチを言い、
ちょこっとだけ起業の先輩である私は、それにアドバイスをしているうちに、
電話がおっくうになり、「ファックスにしようよ」と提案し、
それからしばらくは、長い長いファックスが届くようになった。

そのファックスも面倒になり、
当時始まったばかりのニフティサーブに誘い、
いわゆる「メル友」になった。

前後して、彼は自分でやりたいことをはじめることになった。
私が、アドバイスした。

彼は、空いている倉庫を改築するとかで、
ちょっとした店を始めることにして、
なけなしのお金をもって、海外に商品を「買い付け」に行った。

その店も、徐々に繁盛していったようだけれど、
その後、どうなったのか、わからない。

いつの間にかまた疎遠になり、
忘れたころに、mixiでマイミクのリクエストがあったようだけれど、
なんだか、ずっと、遠い人になっていった。

ライブに行っても、会うことがなくなった。

まあ、ほかにもいろいろ、あったけれど、
とにかく、気がついたら、遠くにいる過去の人、という感じになっていたというわけだ。

で。

いきなり、昨日、事故で亡くなったと知った。

ネットを検索したら、ブログがあった。

そこには、私が知らない人の日常があったが、
ホームページのなかで、妹さんが数年前に亡くなっていると書いてあった。

私が知る妹さんというのは、小学生のイメージでしかないのだけれど、
「●●ちゃん」という名前は覚えていた。

なんだか、断片的に、私の記憶と、その人に、接点があるけれど、
現在のその人の生活や、友人や、できごとのなかに、
私が知る、共通のものはほとんどないように思えた。

でも、
私にとっては、たぶん、かけがいのない人であったのだと思う。

だから、
昨日も、今日も、
考えないようにしようと思ってみたけれど、
なんだか、心がどんよりと重たくて、頭がぼうっと霞だか靄だからがかかっているような感じ。

私は、配偶者もいないし、子供もいないので、時計は止まったままなのかもしれない。
(だからといって、いまだに、昔同様に好き、ということではない)

事故とはいえ、即死ではなかったんじゃないかと思うと、
だんだん薄れ行く意識のなかで、
彼はどんな人生を回顧していたのだろうと思ったり、
そのなかで、私などはあまりにも昔で、ちっぽけなことであったろうと思うと、
いきなり、葬儀に参列するのもどうなのだろうかと思ったり。

とにかく、悶々と、思う思う思う思う・・・

安らかに、眠ってください。
そして、
私のことも、ちょこっとは、見守ってください。
昔、あなたのことを、とっても好きな女の子だったのです。


AD