音が歪む障害

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感音難聴とは、音が歪んで聞こえる障害です。

よく「耳が悪い」と言うと、必要以上の大声で耳元で叫ばれることがありますが、声がキーンと反響するだけでかえって聞き取れなくなってしまいます。
声の大きさよりも、ゆっくり、区切りながら話してもらうほうが聞き取りやすい場合もあります。
口をあまり動かさずにボソボソとしゃべる人や、早口の人は非常に苦手で、緊張してしまいます。

補聴器を使用して一番困るのは、「補聴器を付ければ聞こえる」と思われることです。
確かに補聴器を付ければ、音はある程度聞こえるようになります。
でも感音難聴者にとって、『音が聞こえる』と『言葉が聞き取れる』は、全く異なります。

同じ感音難聴でも聞こえは様々ですが、
『ラジオの周波数が合わず、ザーザーと雑音が混じっている状態』
『水中に潜って会話している状態』
少なくとも私には、それに近い音に聞こえます。
言葉の輪郭がはっきりせず、『音は聞こえるけど、何て言っているか分からない』となります。

この感覚が、なかなか健聴者には伝わりません。
聞こえるなら、当然言葉も分かるだろうと。

補聴器を付けても、会話がスラスラできるようにはなりません。
補聴器では、音の歪みは矯正されないのです。


NHK『ワンポイント手話』に出演していた中途失聴者の佐々木あやみさんが、感音難聴の聞こえにくさについてとてもわかりやすい記事を書かれています。

転載OKとのことなので、ご紹介させていただきます。
たくさんの方に見てほしいです。

↓以下、あやみさんのブログ記事。(ブログは閉鎖されたようです)


これが健聴者の聞こえのイメージ。

聞こえの可視化

すべての音がはっきりと、意味をもって聞こえています。


続いて、これが伝音性難聴の聞こえのイメージです。

聞こえの可視化

伝音性難聴は、電話やスピーカーの音量が小さくて聞き取れない状態に似ています。
この場合、補聴器などで音を大きくしてやると聞き取ることができます。


続いて、これが感音性難聴の聞こえのイメージです。

聞こえの可視化

感音性難聴は、音が小さくなるだけでなく、音を識別する機能が失われたり低下した状態です。
つまり、「か」という音が「か」ではなく「あ」に聞こえたり「く」に聞こえたり、歪んでただのノイズにしか聞こえなかったりします。
水の中に潜って、外の音を聞いている状態に似ているとも言われます。

感音性難聴では、音自体は聞こえていても、意味を持った言葉として聞き取ることが難しく、そのため補聴器で音を大きくしても、聞き取りが困難な場合が多いのです。


これが、感音性難聴で補聴器をした場合の聞こえのイメージです。

聞こえの可視化

音は大きくなりますが、音の歪みが矯正されるわけではなく、また不要な騒音までもが増幅されるので、決してクリアに聞き取れるわけではありません。
ラジオの電波がものすごく悪い状態で、音量だけを上げて聞いている状態や、カラオケのマイクがキィ~~ンとハウリングしている状態を想像すると分かりやすいかもしれません。

時々、「聞こえない人に話しかけたら振り向いた。なんだ聞こえてるじゃないか!」という方がいらっしゃいますが、【聞こえる】と【聞き取れる】とはまったく別物です。


無線で、
「もしもし、こちら〇〇。聞こえますか」
「はい。何言ってるのか全然分かりませんが聞こえます」

なんてやり取りがあったらどうでしょうか。

「相手の言ってることが分からなかったら、無線が聞こえるとは言わない!」

と思いますよね。
「音は聞こえてるけど、何言ってるか聞き取れない」というのは、そんな状態です。


最後におまけ。

聴覚障害者とのコミュニケーションは、聴覚障害者側だけの問題ではありません。
聞こえない人に筆談も手話もせず、一方的に声だけで話しかけるとしたら、あなたはこんなパソコンでメールをしているのと同じ状態です。
これであなたの言いたいことはちゃんと伝わるでしょうか?

聞こえの可視化



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