このところ思想本を読んだりなんかしています。

特に何かに目覚めたりはまったりしたわけではないんですが、同じ物事でも違うフィルターを通すと全く解釈が違ってくるもんで。

まあ、それが酒場ひとり者にとって隣人に話しかけるきっかけを探り当てるいい道具になる訳ですな。

今日はそんなこととは全く関係ない

さつまや

有楽町のガード下。昭和の飲み屋街がいまだ残る一角に、まことしやかに囁かれたあの底酒ラボが実在するという。

色んな酒を自家熟(放置ともいう)している身としてこの言葉はぐわしと心をつかんで離さない。

温度帯に気を取られて残す酒の量まで気が回らなかった、汗顔の至り。

ガラリと戸を開け人差し指を立てる。

店にはカウンターに1人とテーブル席に2人。入り口脇には常温保管の酒が並ぶ。

ん、あれは・・・?いや、気のせいか。

カウンターの先客と1つ開けた席に腰を下ろす。

まずは笑四季モンスーン。いきなり底酒ラボについて聞くことはしない。怪しまれるだけだ。

そしておススメの炭火焼き鳥3本をムシャムシャ。

田酒の純米吟醸百四拾を煮てくれとお願いしたら50度と60度で分けて出してくれた。
ここだ、というところで

「そういえば底に残った酒が一番うまいですよね」

「!!」

「それを熟成にかけたらさぞおいしかろうと思うんですよ・・・・・うん??」

越乃・・・・寒梅・・・別撰!!

そう、入口脇にの常温酒に隠れてひっそりとあった酒瓶。すでに空になって瓶だけ置かれてたと思っていた。

ほんの少量盃に注がれる。おそるおそる口に運ぶ。

「ふ。ふっふふふ、ふ。」

「底酒ラボ、とはよくいったもんだ。」

「ご主人、この底酒ラボの支部の創設をお許し願いたい。」

「あっ、いいですよ」

軽すぎないかーーーい

電車の通り過ぎる音がガタンガタンと響き渡るのであった。

「あっ、〆はドライカレーお願いしますね」



ということで、無事底酒ラボ支部として承認頂いたんで色んな酒を正味1合残して放置にかけております。