PACHINKO西遊記

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PACHINKO西遊記



『 YASHA - 夜叉 - 』 は、吉田秋生の漫画作品を原作としたテレビドラマ。
原作漫画は、『 別冊少女コミック 』(小学館)1996年7月号から2002年5月号、『月刊flowers』創刊に伴い連載誌が移動となり、同誌に2002年6月号から8月号にて連載された(コミックスは全12巻が刊行されている)。 

第47回(2001年度)小学館漫画賞受賞。
本作は独立した物語であるが、作者の過去作である「BANANA FISH」と作品世界を共有し、「BANANA FISH」のサブキャラクターであった少年シン・スウ・リンが逞しく成長し、華僑の頂点に立つ若き青年実業家となって登場する(共通するのは世界観だけで「BANANA FISH」の直接の続編ではない)。
また、その頃を思い出させるような台詞もシンの口により語られるので、前作を知っていればより楽しめる内容となっている。
また、2003年8月からは『flowers』にて本作の続編となる「イヴの眠り」が連載された。
こちらは本作の主人公・静の娘が新たな主人公となり、登場人物たちのその後が描かれている。
flowers2002年12月号に、本編で明かされなかった謎解きと『イヴの眠り』とを繋げるエピソードを描いた「魂送り(マブイウクリ)」、同誌2003年1月号に本作の登場人物ケン・クロサキとルー・メイの出会いのエピソードを描いた『ハウメアの娘』がそれぞれ発表されている。
なお、これらの作品は単行本『イヴの眠り』第1巻に収録されている。
2003年8月には作品世界のガイドブックとして、フラワーコミックスより『YASHA OFFICIAL GUIDEBOOK FIRST GENERATION』が発売されている。





『 テレビドラマ 』


2000年4月21日から6月30日までテレビ朝日系の金曜ナイトドラマ枠で、同枠の第1弾として放送された。
伊藤英明の初主演作品であり、無名時代に一人二役に挑戦した異色作である。
原作の7,8巻までを基盤とし、その後は原作がまだ連載続行中だったため、独自の完結を迎えている。















【 ストーリー 】



2000年四月、太平洋上の孤島、波霧島の島民30人が未知のウィルスによって全滅する。
そのウィルス解析のために洛北大にアメリカから招聘されたのが、ネオ・ジェネシス社の主席研究員、有末静だった。
そこで思いがけず、聴覚検査の被験者として大学に来ていた盲目の幼馴染、永江茂市と再会する。
八年前、静は母親を射殺され、そのまま拉致同然にアメリカへ連れて行かれたのだった。  
ある夜、洛北大の研究室に入った泥棒を追った静は雨宮凛と名乗る、自分と瓜二つの青年と出会う。
屈託なく自分を「兄」と呼び、歓びを隠さない彼に戸惑いつつも、静は家族の温もりを覚えて次第に受け入れていく。
そんな中、茂市の妹 透子が原因不明の風邪で倒れる。
それは、現在解析中の波霧島の例のウィルスと同一の症状だった。
数々のアクシデントの中、何とかウィルスを特定し作り上げた効血清のおかげで彼女は死を免れる。
そのウィルスが、かつてネオ・ジェネシスの研究室で生まれたA80だと気付いた静は、それを日本に持ち込んだと思しき人物を追い始めた・・・・。














【 登場人物 】



*ここでは原作である漫画に沿った人物解説を行なう。ドラマ版とは登場人物そのものや設定が若干異なっている。


有末 静(ありすえ せい)
本作の主人公。18歳。ネオジェネシス社により生まれながらに神経細胞成長因子を組み込まれたDNAを持った一卵性双生児「新しい人類(ネオ・ジーニス)」の片割れ。天才的な頭脳、他人の動きを一目見ただけでそっくり真似出来てしまう運動能力、時に銃撃さえ避ける高度な反射神経など、現生人類の能力を遥に上回る。つまりデザイナーベビーである。
己を作り出した雨宮協一郎の研究材料にさせられそうになるも代理母の比佐子に連れ出され、比沙子の兄・貴比古の計らいで沖縄・奥神島(おがみじま)に逃げてくる。以来12年間、母の愛と十市、茂市ら周囲の人々の温かい助けもあって、出生の秘密は知らされず、ごく普通の人間として育てられる。しかし12年後、奥神島に現れた協一郎とそのパトロンであるゴールドバーグに発見されて、その際母を失った上、ネオジェネシス社に拉致される。母を目の前で殺された精神的ショックから心を閉ざしてしまうも、アルフレッド・ライアン博士と世話係兼ボディーガードとして赴任してきたケン・クロサキの尽力により再び立ち直り、ネオジェネシス社の研究員として、ライアン博士からウィルス学の英才教育を受ける。その後専門分野の科学者として再び日本の洛北大学医学部に出向。そこで茂市、十市等と再会し、同時に今まで存在を知らされていなかった双子の弟・凜とも出会い、戸惑う。
幼少期に母や友の愛情を受けて育った為、他人を慈しむこと、仲間を失うことの痛みを良く知っていて、自らの手でこれを必死に守ろうとする。故に仲間の危機には自ら危険に飛び込むことも厭わない強い精神力を持つ。時としてその思いの強さから自滅しそうになる度に親友・十市に諭されている。茂市の死を契機に己を捨てて凛に立ち向かうため、あえて冷徹な殺戮者となって敵を容赦なく殺していくが、それでも自分と無関係な人々が巻き込まれていくことには、深く胸を痛めている。
実弟である凜との間には、新人類特有の一種のテレパシーのような意識や感覚の共有が可能(脳共鳴・精神共鳴)で、離れた場所にいるお互いに起こった事をまるでその場に居るかのごとく感じとることができる。また短時間ではあるが、脳波を同調すれば人の意識さえ操ることが可能。凛にシンクロした折に流れ込んできた意識から、愛を知らずに育った弟の心に巣食った深い闇と真の敵を悟った静は、立場が違っていたら自分も同じようになっていたかもしれないと思い、なんとか凛を救ってやりたいと行動を起こすが…。
*テレビドラマ版では物語上喫煙シーンなどがあるため、放送倫理上問題無いように、年齢が20歳に設定されている(これは凛も同じ)。



雨宮 凛(あまみや りん)
静の双子の弟。18歳。雨宮協一郎が独自に育てたもう一人の新人類であり、一卵性双生児ゆえ見た目は静と殆ど変わりない。雨宮家の養子として幼少時より英才教育を受けるも全く愛を与えられず、あまつさえ祖父には虐待されていたため、協一郎にそれを利用され祖父を殺害。それ以来冷酷非道な氷の心を持った性格になってしまった。その心の空虚を正しく理解しているのは三上尊だけであり、それ故彼だけには心を開いている。
静の存在には早くから気付いており、精神共鳴によって静の幸せに満ちた生活ぶりを知って、己との境遇の差から静を憎悪の対象として捉えるようになっていた。静の前に自ら姿を現し、その世界を全て破壊しようと、手始めに協一郎の思想に傾倒していた伊東を使って洛北大学医学部に未知の殺人ウィルスを散布、結果的に約2万人を死亡させる未曾有のバイオテロを仕掛ける悪鬼となる。静と同様の能力を持っているが、自らが動くよりも他人を動かして事を進める用意周到さを見せて、静を精神的に追い詰める作戦を多用した。
心の中では静の夢に出てくる比佐子の姿を実の母のように捕らえていた。運命のいたずらから犯した自らの大罪を償う為、最後は静の身代わりとして襲撃してくる敵の盾になることを決意する。静になりたくてなれなかった哀しき宿命を負ったダークヒーローである。



永江 十市(ながえ といち)
静の奥神島時代の幼馴染で茂市の弟。静にとっては幼少期を一緒に本当の兄弟同然に育てられた、素の自分をそのまま出せる存在であり、心から信頼できる親友である。
12年前の静奪回作戦の現場を見てしまった後に父の転勤で沖縄を離れて東京に移り住む。静の事はずっと気にかけていて、バイトで溜めた金でアメリカにいる静に会いに行こうとしていたところ、偶然にも静と再会する。静がかつての明るい姿とは違う風情で目の前に現れ最初は戸惑うが、事情を知るに連れて静の本質が何も変わっていない事に気付き、昔と代わらず熱い友情を注ぐ。
直情型で自分の感情をすぐに表に出す憎めない性格。そのあまりにおめでたい性格ゆえ、静も周囲を騒動に巻き込みたくない一心でわざと被っていたクールな仮面を外さざるを得なかった。一人で闇に立ち向かおうとする静を守ろうとするが、それを敵に利用されて人質にとられてしまうこともあった。
下宿先の大家の娘・岩田苑とはお互い気を使わずに話せる仲。後に結婚し、4人の子供をもうけ子沢山になる。
*テレビドラマ版は兄・茂市と設定を統合され、茂市には妹がいるという設定になっている。



永江 茂市(ながえ もいち)
静の幼馴染で十市の6つ違いの兄。通称:もいっちゃん。子供の頃から静と十市を分け隔てなく可愛がっていた。成績優秀な典型的な出来の良いお兄ちゃんで、洛北大学医学部から大学院に進み、修士課程で篠崎教授に師事。生体科学研究所でウィルス研究に従事していたが、そこで生体科学研究所にその道の博士として招待されていた静と思わぬ再会する。
いつも冷静な判断を下せるクールな性格だが、不条理なことには思わずキレてしまうことも。静が子供の頃からわざと自分の持っている能力を隠そうとしていることに気付いていた。現在は弟の十市と共に岩田苑の親が経営するアパートに下宿中。
静と再会後にその出生の秘密を知り、一医学者として遺伝子操作された人間である静にジレンマを感じつつ、それでも変わらずに静の存在を受け止めようとしていた。突然現れた弟の存在に戸惑う静に「十市と僕がそうであるように、静と凛だって何があっても兄と弟の物語であることに変わりないよ」と助言する。しかしその言葉も虚しく、凛の放った未知のウィルス兵器「CKV(皮肉にも静がネオジェネシス社時代に開発途中で放棄していた軍事転用可能なウィルスを改良したもの)」に静とともに立ち向かう中、尊い命を散らす。その臨終に際しても残される静や十市のことを最後まで心配していた。皮肉にも茂市の死が静と凛の兄弟に決定的な亀裂を生むことになってしまう。
*テレビドラマ版では十市と統合されて静と同い年になり、妹がいるという設定に変更。



岩田 苑(いわた その)
永江兄弟が暮らす下宿先アパートの大家の娘。十市のガールフレンドでもあり、普段から何かと気にかけている。とても気が強く、静と十市を襲撃してきた敵グループに竹箒で立ち向かおうとしたほど。後に十市と結婚して4人の子供をもうける。



反町 鉄男(そりまち てつお)
十市・静の幼馴染。幼少時は「アイアン」と呼ばれたいじめっ子。その頃は女のように細かった静をいつもからかっていて、それを十市が助けると言うのがお約束のパターンだった。東京に出てきてからは十市とも同郷として打ち解け、居酒屋で一緒にバイトしている。



ケン・クロサキ
ハワイ生まれの日系4世。元アメリカ陸軍グリーンベレー出身。当時の階級は中尉。その戦闘能力は高く、グリーンベレー内でも若くして分隊指揮を任されているように、極めて優秀な軍人であったことがうかがえる。奥神島での静奪還作戦で出会った静に亡くなった妹の面影を重ね合せて気にかける。その後アルフレッド・ライアン博士の要請に応え軍を退役、ネオジェネシス社の保安要員として6年の間、静のボディーガード兼世話係を担当。静がネオジェネシス社に反旗を翻した後も静の味方としての立場を貫いた。茂市の死後、正式に静の私兵として雇われ、静の為にその身を盾にし活躍する。
普段は冗談も通じない堅物だが、その分誠実で律儀である為、メイヨーなど多くの仲間から厚い信頼を受けている。アメリカでのプライベートの静を良く知っているため、背伸びして突っ張ろうとする静にぐうの音も出ない鋭いツッコミをいれることも。その時の静の反応を見ては密かに楽しんでいる。
ドメスティックバイオレンスに苦しんでいた妹を助けられなかったことと、奥神島で静の母・比佐子に発砲してしまった事が良心の呵責を産み、自分を実の兄のように慕う静の気持ちを「自分にはその資格が無い」と応えることが出来ずに苦しむが、それを誰にも語ろうとはしなかった。
カンボジアの軍事訓練中に出会ったルー・メイと日本で再会。お互いを男女として意識するも、なかなか素直になれないでいた。しかし静のサポートチームとして共に行動するうちにお互いを唯一無二の存在と感じ、奥神島事件解決後に結婚する。



ジャック・メイヨー
タヒチ出身。元アメリカ陸軍グリーンベレー出身。カンボジア時代にポル・ポト派の襲撃で負傷し友軍から置き去りにされた自分を救ってくれたケンに恩義を感じて、それ以来深く忠誠を誓い部下として付き従う。それ故ケンの為ならば命を投げ出すことも厭わず、軍を離れた後でも畏敬を込めて「中尉」と呼ぶ。ネオジェネシス社では何かと反抗的な態度を見せる静とケンの間を取り持って緩衝材のような存在であった。そのため静の気持ちに対して頑なな態度を崩さないケンに唯一意見を言える立場にいる人物である。ムードメーカーであり、似た立場にある十市とも大変気が合う。
ケンに対しては無条件に警戒心を解いてしまう為、ケンからは『おまえ、特殊部隊には向いてないな』と言われる。その深い忠誠心を示す為に、ケンから呼ばれた際、フキダシに尻尾を振った犬の絵が書かれている事も。



有末 比佐子(ありすえ ひさこ)
元ネオジェネシス社の研究員。遺伝子操作プロジェクトに参加し、その主任研究員であった雨宮協一郎と婚約。代理母として静を産んだ。しかしその研究の真の目的と雨宮の持つ野望を知るや、まだ赤ん坊の静を殺そうとするが、思い直して静を連れ出し脱走。兄の手引きで日本の奥神島に渡る。以来12年間静と共に平和に暮らしていたが、静の身柄を狙った元婚約者の雨宮協一郎とゴールドバーグに発見され、その際に静を庇ってホッジスの部下に射殺されてしまう(ホッジスはケン・クロサキが殺害したかのように発言しているが、クロサキは発砲の事実は認めているものの「発砲の瞬間目をつぶってしまい狙いを外したため、当たったかどうかまではわからない」と語っており、クロサキの銃弾により射殺されたのかどうかまでは不明)。
*ドラマ版では実は後で生存していることが判明し、静と凛のその後の確執に多大な影響を与えることになる。



有末 貴比古(ありすえ たかひこ)
比佐子の兄。新宿で開業医をしている。静の出生の秘密を知りつつ、比佐子の連れた静を実の甥のように可愛がる。洛北大学付属病院に勤務していたが教授と衝突した上で奥神島に赴き、3年に渡り離島医療に従事。洛北大学医学部時代は雨宮協一郎と同期で、その偏執的ともいえる野心に早い段階で気がついていた。



アルフレッド・ライアン博士
ノーベル化学賞受賞者。重い遺伝病の研究・治療・開発を目的としたネオジェネシス社を設立。しかし患者数の不測から資金繰りに陥っていたところにゴールドバーグ財団が入ったが、私欲の為の研究を進めようとするゴールドバーグや協一郎らのグループと対立、そこからは扱いにくい邪魔者として発言権はそのままに日陰暮らし同然の扱いをされている。ネオジェネシス社では静の最大の理解者であり、末期癌に冒され自らの死期を悟った段階で、静に日本に行くことを進めた。雨宮協一郎と共に静と凜を生み出したジョナサン・スミスの父でもある。



三上 尊(みかみ たける)
凛とは肉体関係。
三上唯が愛人に産ませた子。19歳。正式に三上家に入ることになり、尊と引き離された母がショックで入院。そして養母の陰湿ないじめに合い、暗い幼少時代を送っていたが、父に連れられて出向いた雨宮家で同じ年頃の凛と出会う。そしてお互いの不幸な境遇と立場を理解しあい、以降忠実なソウルメイトとして付き従う。ヤクザの息子としてクスリなどかなりの悪事に手を染めており、普段は父の経営する倶楽部「LUNACY」に凛と仲間とたむろしている。
実母を狂わせた父を恨みつつ、自分の立場はよく理解していて、部下にも冷静に対処しつつ時に気遣いもしていたように、非常に優れた統率力を持っている。静と凛の関係を冷静に分析しており、凛の心に巣食う闇を自分なりに受け止めようとしていた。ルー・メイに「凛にはあなたしかいない」と説得されて凜を心の闇から救い出そうとするが、皮肉にも凛にはそれを自分に対する裏切りと受け取られてしまい、ナイフで刺されてしまう。
*ドラマ版では尊の良心的側面は中西命(メイ)という女性キャラクターに分化されており、彼自身は物語中盤以降になってやっと登場する。そして凛の代理母の実の息子という設定となっている。彼の祖母は雨宮家で長年、家政婦として仕えていた。



雨宮 協一郎(あまみや きょういちろう)
元ネオジェネシス社の研究員にして、アルファ製薬の社長。己の野望の為にジョナサン・スミスと遺伝子研究を進め、受精卵の遺伝子を操作して新人類である静と凜を生み出す。ところが婚約者・比佐子の思わぬ裏切りにあい、あまつさえ静を連れて逃げられてしまった為、自身は凜の受精卵を持ち出し、自分でウィルス学等の英才教育を施した。その間にもドナルド・ゴールドバーグと結託し静の所在捜索を続け、ついに発見。比佐子は殺されてしまうが静の拉致には成功。しかし静はネオジェネシス社のライアン博士の横槍で自分の手元から引き離されてしまう。
新人類である静と凜を同時に己の支配下に置き、自分の意のままにして世界を牛耳ろうと画策するが、既に真っ当な人間として多くの時間を生きてきた静は母の仇である雨宮を拒絶。それでも一般人として育った静の想像以上に高い潜在能力に着目し、また静が比佐子の産んだ子であることから、なんとか手に入れようと暗躍する。この男の持った野心こそがこの後に起こった全ての元凶であり、物語上の真の黒幕。



三上 唯(みかみ ただし)
日本の影のフィクサーとして闇社会を束ねた三上丈の息子。闇の世界に生きる人物にありながら、物腰は柔らかで一本筋が通った人物。雨宮家とは古い付き合いがあり、その縁から雨宮協一郎の野望に手を貸しているが、そのあまりに歪んだ妄想を心の中で哀れに感じている。
政略結婚した正妻との間には子供に恵まれず、愛人の子供である尊に自分の後を継がせようとしている。そのために尊と引き離された母親が狂ってしまったことや継母の虐待などの原因を作り出し、尊からは恨まれている。



今井 達也(いまい たつや)
洛北大学医学部篠原ゼミの助手。優秀な研究員だが口が悪く、他人を容易に受け入れようとしない偏屈な性格。生体科学研究所にやってきた静の事もなかなか認めようとしなかった。しかし常に他人と距離をおいている分、常に周りの状況を冷静に判断できる能力にも優れている。
凜が作った殺人ウィルスにより婚約者の鈴木久美子とそのおなかにいた子を同時に失ったことで凜への復讐を誓い、反雨宮グループの一員となる。結果的に静と行動を共にすることになったが、静の能力を理解しつつ、憎き凜と同じ顔を持つ静に憎悪に近い複雑な感情を抱えている。院内感染した茂市らを必死に救おうとしたように、根は熱い男気を持った人物。



鈴木 久美子(すずき くみこ)
洛北大学医学部篠原ゼミの助手にして今井の婚約者。そのおなかには既に今井の子供を宿している。凛の姦計で殺人ウィルスに感染した人間爆弾と化した伊東泰之の血を浴びてしまう。ミーハーな性格で美少年好き。ウィルスの恐怖に怯えつつも恋人の今井を信じハッパをかける強さを見せる。
*ドラマ版では彼女の他に高田真由美という年下の女性研究員が登場し、原作でのミーハー的側面はそちらに受け継がれて、彼女自身はぐっと落ち着いたオトナの女性となっている。



シン・スウ・リン
全世界の華僑を束ねる「龍の道(ドラゴンロード)」に君臨する総帥にして中国財閥界を支える若きリーダー。かつて義兄の李月龍(BANANA FISHを参照)を暗殺した組織を一夜にして壊滅させた怒れる鬼神であり、彼が通った後はまるで風に乗った龍が暴れたように無数の名も言わぬ死体が転がることから「風の龍(フォンロン)」と呼ばれ畏れられている。
雨宮主宰のパーティーに出席した折に静と凜の存在に興味を持つが、本国の長老たちからは危険分子としての抹殺を命じられる。しかし、元来の奔放な性格ゆえ、己の信念を頼りに行動し、真実を見極めようとする。かつて自分が出逢ったある少年の面影を静に重ねている。
作者の過去作「BANANA FISH」にはNYチャイナタウンに住む快活な少年として登場。その後周囲の反対を押し切って10歳下の日本人の妻(BANANAFISHに登場する伊部俊一の姪、暁(あきら))を娶り、息子「烈」をもうける。どうやら奥さんには頭が上がらないらしい(このあたりの経緯は続編「イヴの眠り 」を参照)。



曹 小英(ツァオ・シャオイエン)
シンの忠実なる秘書兼ボディーガード。曹四兄弟の長男。年よりも若く見え、眼鏡をかけて一見優男に見えるが、実は竜海王師に教えを受けた中国拳法・虎狼拳の達人で、一人で100人にも勝ると言われる。



ルー・メイ・クァン
世界各国を渡り歩く腕利きの賞金稼ぎ。東洋系の美貌と抜群のプロポーション(爆乳!)を持ち、そのままファッションモデルとして通用しそうなほど華奢に見えるが、実は香港の武術家・黄燕元老師の高弟にして英才教育を受けた最高位師範の位を持つクンフーの天才。その戦闘能力は大の男を相手にしても全く遜色ない。また燕針(インジャン)と呼ばれる小型の剣を使った門外不出の体術を身につけている。
自らの告白では過去にレイプされた経験もあるらしい。しかしそのことを逆に利用し、女としての武器を使って言い寄ってくる男を何人も冷酷に葬ってきた。「自分にとって最も危険な相手は、レイプしようとする男じゃなくてレイプに興味の無い男よ」と平然と言い放つ強靭な精神力を持っている。メイヨーはその猛き姿を、キラウエア火山の気性の荒い火の女神・ペレに形容した。しかしただ気が強いだけではなく大変思慮深い心を持ち、静とケンの持つ心の寂しさにもすぐに気付いた深き母性愛の持ち主。時に敵である凛のことさえ気遣い、尊に助言を与えたりした。
カンボジアに展開するグリーンベレーの軍事訓練に体術教官として赴任した際にケンと出会い、それ以来堅物だが誠実なケンに好意を持っていた。そのケンに招集を受けたことで静の私兵となるべく来日。ケンを心から愛しつつ、静の為に燕針を教えたり、その複雑で過酷な運命に、同情心から一夜を共にしてしまう。この事が18年後に起こる事件に深く関わることになる…。



シェン・クァン
ルー・メイの弟。元米海兵隊特殊部隊(SEALS)所属。姉に連れられて来日。粗暴にして単細胞、さらに強度のシスターコンプレックスの持ち主。いつも冷静ですかしている雇い主の静を嫌ってすぐに「犯すぞ!!」と脅すが、その実力は認めている。ルー・メイによると欲情すると見境が無くなり、スイカさえ犯そうとするらしい(?)。



ジャヌー・カリ
元グルカ兵。傭兵として静の要請を受けたケンによって、ルー・メイ、シェンと共に招聘された。静の人間離れした能力を目の当たりにして、少なからず脅威と畏怖を抱いたシェン達とは異なり、彼こそが幼少時から神託を受けていた自分の仕えるべきカーリー神の生まれ変わりだと信じる。以後、盲目的な程に忠誠を誓い、それが高じるあまり、時としては他の二人と衝突することも。無口で寡黙な戦士でその戦闘能力は三人の中では最強らしい。



ドナルド・ゴールドバーグ
アメリカ経済界を牛耳るゴールドバーグ財団のボス。ネオジェネシス社を支配して遺伝子操作研究に参賀する。その発言力はかなり強く、政界にも強力なパイプを持つ。しかしあまりに時代錯誤な差別思想の持ち主であるため、自ら破滅の道を歩みことになる。凛の起こした洛北大のバイオテロは、表向きの歴史では彼と息子のレイモンドが起こしたとスケープゴートにされている(おそらく静による情報操作)。



レイモンド・ゴールドバーグ
ドナルド・ゴールドバーグの息子。自ら粛清に関わった父に成り代りゴールドバーグ財団の長に納まるが、端から見ればどっちもどっちの傲慢不遜な男。幼児虐待など異常性癖の持ち主で、凛に対しても下心みえみえな態度を見せる。しかし野望はあっても深い思慮も戦略もなく、凜に利用されるだけ利用され、最後は父親と同じ末路を辿る。



ウォーレン
ネオジェネシス社の保安部長。静奪回作戦の指揮官として襲撃部隊を指揮。十市を人質に取る卑劣な作戦を遂行するも、静の想像を遥に越えた戦闘能力の前に敗北。その後降格を余儀なくされ、後任としてやってきたホッジスの指揮下に入る。



ゲイリー・ホッジス
ウォーレンに換わり静奪回の指揮官として来日したネオジェネシス社の保安部最高責任者。元グリーンベレー司令官でケン・クロサキの上司だった。ガタイの良い黒人男性でいつもサングラスをかけている為に一目で強面と判る。その愛国主義ゆえ、ゴールドバーグを「アメリカを腐敗に導いた元凶」として自らの手で制裁。雨宮の理想に深く共鳴し行動を共にする。幾多の戦場を生き抜いてきた戦場エキスパートであり、戦術面だけでなく体術や射撃術にも優れ、ケンの好敵手として対峙する。



高階 洋一(たかしな よういち)
陸上幕僚会議本部長。戦後から影で関係を続けてきた雨宮家が静と凜というパワーバランスを崩す切り札を握ったことで、双子の身柄引渡しを要求する(凛は形式上雨宮家の人間なので、静が引渡し対象)。あくまで話し合いで解決しようとするが、野望に燃える協一郎は首を縦に振る事無く、交渉は決裂してしまう。



桜井 将(さくらい まさし)
陸上自衛隊一等陸尉。自衛隊きっての過激派。高階と共に雨宮と交渉を進めるうちに危険因子は削除すべきという思想から、静と凜を抹殺せんと独自に部隊を結成し付け狙うようになる。己の作戦の為には手段を選ばず人殺しさえ厭わない冷徹な人物。



ジョナサン・スミス
ネオジェネシス社の主任研究員で遺伝子工学博士。ネオジェネシス社の創設者、アルフレッド・ライアン博士の息子で作中では故人。本作の重要な要素である「神経細胞成長因子」を人間の受精卵の遺伝子に加える実験に成功し、静と凛を生み出した。しかし、自分の行なった行為を後悔し、良心の呵責に耐えられず自殺する。有末比佐子に密かに想いを寄せていた。















【 用語 】



神経細胞成長因子(ニューロン・グローイング・ファクター)
通称:NGF。
通常、人間の脳細胞は胎児期に1千億個まで増殖したあとは減る一方になるが、NGFをDNAに組み込まれた神経細胞は普通の人間の3倍もの量があり、成長してもなお他の体細胞のように増殖や再生を続ける。NGFは作中より更に18年前に、ネオジェネシス社のジョナサン・スミスが発見した。
スミスは10週目の胎児の神経細胞からその成長に密接な関係を持つ遺伝子を特定し改良を加えNGFを完成させた。
これは元々アルツハイマー病等の治療に役立てる為に研究されてきたものだが、マウスによる動物実験など経て、生きた人間にも劇的な効果があることを当時のスミスの部下だった雨宮協一郎が最初に気付いた。
そして一卵性双生児の人工受精卵にNGFを用いて生まれたのが有末静と雨宮凛である。



ネオジェネシス社
1968年に重い遺伝病の原因遺伝子の特定や治療法の開発を目的にアルフレッド・ライアン博士と5人の科学者によって創設されたバイオケミカル企業。
しかし、患者の絶対数が足りなかったことから投資家が手を引き始め経営困難に陥り、そこに手をつけたのがゴールドバーグ財団だった。
ゴールドバーグの経営する多国籍企業の傘下に入ってからは、人口体外受精手術などの生殖産業と遺伝子工学部門が発展。
世界でも群を抜く企業に成長した。
その付属研究施設ネオジェネシス・サイエンスラボにジョナサン・スミス、その部下だった雨宮協一郎、有末比佐子、そして有末静が研究員として在籍し、数々の業績を残す。
しかし遺伝子工学研究という性格上から、研究員たちは宗教テログループの抹殺者リストの最上位にランクされているらしい。



キャッツキル熱ウィルス
通称:CKV。18年前にアメリカにあるキャッツキル・バレーという村を全滅させた強力な病原体ウィルス(名前はここから由来)。
初期症状がインフルエンザに似ていることから「殺人インフルエンザ」と呼ばれることも。
元は無害なウィルスだったが、ジョナサン・スミスらが遺伝子組み替えに使用するためにNGFをウイルスの遺伝子に導入したことで殺人ウィルスに変異。
感染したネオジェネシス社の社員が故郷で発症したことで18年前の悲劇は起こった。
その後放棄されていたのだが、後年になって雨宮の命を受けた凛がCKVを様々な効果のあるタイプに作り替えた。
伊東を使って洛北大に撒かれたCKVは「β型」と呼ばれるタイプで、全世代の87%を死に至らしめる強力なもの。
これに感染すると発熱や咽喉の痛みなどインフルエンザのような初期症状を見せ、ウィルスは血流にのって脳細胞に侵入し破壊。一度感染した者は意識障害を起こし最終的には死んでしまう。既存の抗ウィルス剤も効かず、静の行なった血清治療さえ失敗に終わる。
*ドラマ版では、これに相当するウィルスはA80(進化したタイプはA2000、A2001)という名称で登場し、その末期的症状も若干変更されている。(A80はハンタウィルス、後者の二つはエボラ出血熱に酷似した症状である。しかもA2001の方がより感染力が強い)
















【 スタッフ 】



脚本:佐藤嗣麻子、武上純希、深沢正樹
演出:佐藤嗣麻子、阿部雄一、山本邦彦
音楽:福岡ユタカ
VFXコーディネーター:樋口真嗣
アクションコーディネイト:松井哲也
ガンアドバイザー:今関謙一
プロデュース:高橋浩太郎、浦井孝行
製作:国際放映、テレビ朝日
















【 キャスト 】



有末静(20) / 雨宮凛(20):伊藤英明(二役) -幼少~中高生時代:遠藤雄弥(二役)
有末比佐子:大塚寧々
雨宮協一郎:岩城滉一
ケン・黒崎(35):阿部寛
永江茂市(20):柏原収史 -幼少時代:鈴木藤丸
伊東泰之:吹越満
中西命(メイ):仲根かすみ
永江透子(13):谷口紗耶香
三上尊(21):上野潤
今井達也:神保悟志
鈴木久美子:秋山菜津子
高田真由美:牛尾田恭代
篠原教授:森下哲夫
佐伯:久冨惟晴
相原次官:塩屋俊














動画はココから♪

 ↓

VEOH

DAILY 01  DAILY 02  DAILY 03

第1話 運命の再会


VEOH

DAILY 1  DAILY 2  DAILY 3

第2話 友に告げる真実


VEOH

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第3話 殺人ウイルスの正体


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第4話 気づいてよ、兄さん


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第5話 代理母とわかっていても


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第6話 囚われた兄、美しき天才


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第7話 バイオ・ハザードの罠!


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第8話 愛する友よ!決死の治療


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第9話 日記に、兄弟の秘密が…


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第10話 打ち砕かれた家族の悲劇


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最終話 二人の夜叉、憎しみと愛の果てに



























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