Jeremías, Pies De Plomo/Vox Dei | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 RockはなんといってもThree-PieceでガンガンRiffかまして攻めまくるのが大好きで、この音盤も不敵な面構えの野郎3人が挑むような目つきで正面を向いて並ぶジャケットからして最高。Rockはコレっしょ。と、思いきやアコギやViolin、Harmonicaなんかも飛び出して中々懐の深いところも発揮しているのが本作の面白いところ。最初は全編豪快、ガチンコのバトル応酬みたいなヤツのを期待していてガックリきたけど、これはこれで中々味わい深い。このバンドは侮れないっす。ギターのRicardo Soulé、ベースのWilly Quiroga、ドラムスのRubén Basoaltoの3人組。Vox Deiは元々4人組のバンドであったが、ギタリストJuan Carlos "Yodi" Godoyが脱退してTrio編成になった。ArgentonaからはPappo's BluesManalColor HumanoといったカッコイイRock Trioが誕生しているが、HeavyでSolid、豪放なだけに終わらずに個性的な実に奥深いサウンドも披露してくれる。Bluesをベースに、PsycheでProgressiveな彩りを添えたり、南米らしい歌心あるメロディーと牧歌的Acousticな部分を垣間見せる彼らは実に魅力的だ。Vox Deiといえば71年にリリースされたConcept Album『La Biblia』 ばかりが取り上げられるが、複数の楽器を演奏幅広い音楽性を持つRicardo Souléや哀感に満ちた歌声がいかにも南米っぽいWilly Quiroga、高い技巧を持つRubén Basoaltoの3人体制で制作されたアルバムも素晴らしい。Hardなヤツも最高だけど彼らお得意のChorusAcoustic楽器を巧みに使った楽曲も中々イイ感じである。

 『Jeremías, Pies De Plomo』はVox Dei73年にリリースした3rdアルバム。
アルバムはHeavyかつSolidなRiffで始まるナンバー“Jeremías, Pies De Plomo”で幕を開ける。
美しいアコギのArpeggioをバックに南米らしい哀感に満ちたメロディーが泣かせる“Detrás Del Vidrio Pt.1”。
続く“Detrás Del Vidrio Pt.2”はTempoを上げて始まり、途中でTempoを落としたりして静と動が巧みに入れ替わる。バックは変幻自在で泣きのメロディーが炸裂。
Juntando Semillas En El Suelo”は大好きなBoogieのRhythmにのって楽しそうにTrioの演奏が繰り広げられる。終わり方も良し。
アコギがイイ感じでかき鳴らされる男っぽい哀愁のメロディーが炸裂する“Sin Separarnos Más”。このTrioは実に懐が深いっす。
Ahora Es El Preciso Instante”もまた哀感に満ちた南米らしい歌心のあるナンバー。バックのアコギの使い方が実に良い。エレキギターのダルなソロも気に入った。
Harmonicaが素晴らしい効果を上げる、埃が舞い立ちそうな荒野の男泣きMidiumチューン“Ritmo Y Blues Con Armónicas”。
Ricardo Souléの弾くViolinSlideギターが何ともまったりとイイ感じの“Esta Noche No Parece Igual”。
最後をシメるのはゴリゴリに押しまくるHardなナンバー“Por Aquí Se Te Echó De Menos”。

Jeremías, Pies De Plomo/Vox Dei

(Hit-C Fiore)