なにこれ

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昨日、おとといと撮影でした。連日深夜(というか早朝)まで及ぶ壮絶なもので、映像作品に携わる人たちの苦悩と快楽を垣間見たような気分でした。



屋外の撮影。3月と言えど深夜2時を過ぎると深々と冷えが広がります。身体中にカイロを貼り付けました。



脇の下に貼ると全身を効率良く温めることができるので、あの場にいた全員が同じことをしていました。寒いと言っても寒さを凌げる訳ではないのに口からはその言葉ばかりが出てきます。あれ、なんなんでしょうね。



待機の時間の過ごし方は人それぞれです。運よく人と話せればその瞬間は境遇を忘れられます。でもみんな消耗しているので、一人で考える時間が自然と増えていきます。



映像は不思議です。人の動きを視認して、そこから動作をイメージすることは簡単なのに、実際に自分の動きをイメージするとなると全然うまくいきません。



「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんけど、これって実はあんまり考えていなかったことでした。自分の頭の中の動きと実際の動きが変わってしまうことは往々にしてありますが「他人がイメージする自分の動き」と「自分がイメージする自分の動き」がそもそも違うというのはあんまり考えたことがなかったです。
(そして僕にはそもそも運動神経が悪いというイメージが乗っており、尚且つ自分自身ではそう思っていない分、特に差が生まれやすいということも)



役者という人種はすごい。きっと毎日、自分の中の想像力が果てしなく自分を傷付けるはずだ。目を瞑り眠りに落ちる直前まで、次々に自分が出演するシーンが浮かんでくるに違いない。戦っているのは常に自分自身、それも一番調子がいいときの。



そんなことを考えていると、隣でけんじっちの鼻から鼻水が出ていた。か細いが確かな存在感である。寒過ぎて鼻の感覚はあまりない。本人も気付いていないのだ。



遠くに高速道路が見える。深夜だと言うのに交通量は多く、人工的なライトの光が決まった間隔で現れては消えていく。動いているものはみんな何処かへ行く途中で、留まっているものは身体を冷やして待つのみだ。



「本番!」の掛け声が響き渡り、空気が張り詰める。けんじっちの眉間に筋が刻まれるのに合わせるかのように、一筋の鼻水は垂れ続けた。



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