優しいだけじゃない。(ウラナイトナカイお店日記から) | 占い師山吹海帆の「魔女の日記帳」

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タロット、ジオマンシー、数秘術、西洋占星術、ルーン、ブラックミラーなど。
魔女術、魔術をかじった魔女。
ハーブと料理とお笑いが好き。

今週は一日休日があったわりには忙しかったなと思っていたら…金曜日に帰宅後

「あれ?喉の調子が良くない…」

風邪でした。土曜は大事をとって終日寝たり起きたり+部屋掃除と家事でだらりと過ごさせていただきました。(文字にしてみたら意外に働いてた)

 

今日のブログはウラナイトナカイの「お店日記」そのままです。

占いも魔術もなーんも関係ないです。

 

「優しいだけじゃない。」

少し前に、はちみつ入りの離乳食を与えられていた赤ちゃんが乳児ボツリヌス症で命を落とす、という悲しい事故がありました。アレルギー持ちの男児二人を育てた経験があるので、ニュースを見た時の最初の感想は
「なんで??」
育児経験のある人なら、1歳未満の子供にはちみつを上げてはいけないのは常識だと思ってました。母子手帳にも書いてあったし、保健所でも保育園でも聞いていたし。
育児経験者でも知らない人が意外に多いことに驚いてます。厚労省仕事しろ、って意見もあるようですが、母子手帳に書いてあって、乳児検診で指導受けるわけでどうなのかしらと。ですから、まして育児経験のない人が知らないのは仕方ないのかなと思います。

ただ、知らない、というのは怖いことだと思いますが、COOKPADや美味しんぼで離乳食にはちみつを使ったレシピが紹介されてたそうで。「自然の栄養がたっぷり入ってるから身体に優しい」というフレーズが添えられてたものもあったとか。
どちらも今後対応はされていくんだと思いますけれども。

自然って都合の良いワードだけど、同時に曲者。自然というのは、人の意図とか手が入っていない(あるいはその影響が少ない)状態なので、人にとって想定外の事が起こっても何も不思議じゃない。
はちみつはミツバチが花から採取した蜜から精製されるので、自然の産物と言っていいのですが、ミツバチの身体を通したものなので、ミツバチの中にいるボツリヌス菌がそのまま入ってしまうことがあります。
「え?食べ物だから殺菌消毒しないんですか?」
はい、しますよ。でもボツリヌス菌は100度に加熱しても死にません。それに「自然なものがいい」と非加熱のはちみつも一部流通してます。
「えー!じゃはちみつって危険なんじゃ?」
大人は腸内細菌が整ってますから、ボツリヌス菌が毒性を発揮しないように抑え込む事が出来て、そのまま対外に排出してしまうので大丈夫なんです。赤ちゃんに上げてはいけない、というのは腸内環境が整ってないからボツリヌス菌が毒性をもって繁殖してしまうからなんです。(よくお年寄りが「昔の赤ん坊ははちみつあげてもなんともなかった、今の子はひ弱で困る」と言いますが、発症確率が3割程度だからであって、昔は原因不明で亡くなってた子の中にはちみつ由来のボツリヌス菌が原因だった子もいたはず)

はちみつって美味しいし、使いやすいから私も時々買ってますけど、安直に「自然のもの」だからいいって言っていいとも思わないです。自然のものだから品質の高い栄養成分も入ってるけど、同時にボツリヌス菌も入ってるわけで。
だから自然もの=優しい、ていうのがどうかなあと。

自然は誰にでも優しいんじゃなく。でも厳しいわけでもなく。
ただ、自然の摂理に対して平等なだけであってそれを人間がフィルターかけてるだけなんだよって思います。
(占いも魔女も関係ないけど、いいですね。たまには。)