活性汚泥の処理能力及び安定性向上
「オゾン利用排水処理システム」の販売開始
高砂熱学工業は、環境ソリューション企業として水資源の有効利用と環境負荷低減を実現するため、有機性排水処理方法である活性汚泥法の性能向上技術として、オゾン利用排水処理技術を開発しました。
 本技術は、日本下水道事業団殿との共同研究の成果を活用したものであり、活性汚泥にオゾンを微量添加することで微生物の活性を向上させ、処理性能の向上、バルキング障害*1防止、汚泥発生量削減、処理水質改善を目指すものです。
 本技術に用いるオゾン供給部はユニット化しており、既存の排水処理施設に簡単に付加することができます。そのため、既存施設、新設施設の別なく、容易に本技術の効果を得る事ができます。
 「オゾン利用排水処理システム」は活性汚泥法の高性能化技術として、7月1日から販売を開始します。

【開発の背景】
 活性汚泥法は、有機性排水の処理技術として広く普及しています。基本構成は、活性汚泥処理槽と沈殿槽からなり、活性汚泥処理槽に繁殖させた活性汚泥により排水を浄化するものです。活性汚泥法は安価に多量の排水を処理できる優れた方法ですが、下記の問題点があります。

  1. 処理速度が小さく長い滞留時間を要するため、大きな活性汚泥処理槽が必要である。
  2. 排水の水質および水量などの負荷変動により、処理性能が悪化する。
  3. 大量の余剰汚泥が発生するため、処理コストがかかる。

 以上3つの課題の克服を目的として本技術の開発に着手し、活性汚泥処理槽に微量のオゾンを直接供給するシステムを開発しました。


【技術の特徴】
 本技術は、微量のオゾンを活性汚泥処理槽に直接添加する技術です。本技術に用いますオゾン発生ユニットは、オゾン発生装置とコンプレッサ等の補機類、制御機器から構成されています。本技術を用いることで、活性汚泥の活性が向上することにより水中の有機物分解速度が向上し、より多くの排水、あるいは高濃度の排水を処理することが可能となります。また、バルキング障害の防止とともに、汚泥発生量の削減が可能となります。
 オゾン添加により得られる主な改善性能の多くは、オゾン供給が停止しても3~4日持続します。そのため、オゾン供給設備の保守メンテナンス時や突発的な故障時においても、添加効果が持続する期間内での対応が可能です。
 さらに、本システムは、オゾン発生ユニットを設置するのみの軽微な工事で、既存設備を停止させることなく、容易に導入ができます。

以上の効果から、処理能力が不足している排水処理施設、バルキング障害リスクの高い排水処理施設、高濃度排水が流入する排水処理施設、敷地面積の狭いビルの除害施設への導入が期待できます

1. 処理可能水量の増加
・活性汚泥の活性向上により処理能力が向上します。
 (処理能力向上効果は、高負荷時ほど大きくなり、低負荷時は小さくなります)
・処理水量を15~30%増加させることが可能です。
 →処理水量増加、生産ライン増設に追従できます。

2. バルキング防止(汚泥沈降性向上)
・糸状菌の繁殖防止効果によりバルキング障害が防止でき、汚泥沈降性が20~40%向上します。
・バルキング発生の抑制により、生産ライン停止リスクを低減できます。
・処理施設のメンテナンス頻度を削減できます。
・活性汚泥濃度(MLSS*2)を高めて運転できるため、排水処理能力が向上します。

3. 汚泥発生量削減
・汚泥発生量を15~30%抑制できます。
・汚泥脱水後の含水率を低減できます。
 →汚泥発生量抑制と脱水汚泥の含水率改善の相乗効果により汚泥処理コストを削減できます。

4. 処理水質向上
・有機成分除去能力が向上するため、処理水中の有機物濃度が低下します。
 →処理水BOD*3を15~30%改善できます。
・オゾンによる酸化作用により色度分解が促進されます。
 →処理水色度を15~30%改善できます。
・汚泥沈降性向上効果により排水中への顕濁物質(SS*4)の混入を削減できます。

【営業展開】
 本システムは有機性排水の多い、食品工場、化学工場、郊外の大規模商業施設の規模拡大、生産信頼性向上に有効な技術であり、空調・衛生を含めたリニューアル工事の一環として、提案してまいります。
 オゾン利用排水処理システムに用いるオゾン発生ユニットの価格は、排水量300t/日の処理施設で約900万円(税抜き)です。なお、処理条件によって価格は変動します。
 本件の販売に当たっては、当初2年間の評価導入期間*5を設けた上で拡販してまいります。評価導入目標件数としては3件を目指してまいります。

<本件に関するお問い合わせ先>

報道関係の方からのお問い合わせ先

高砂熱学工業株式会社
総務本部総務部広報課 中村、箱
〒101-8321
東京都千代田区神田駿河台4-2-5
TEL (03) 3255-8212 FAX (03) 3251-0914

オゾン利用排水処理システムのお問い合わせ先
高砂熱学工業株式会社
総合研究所 佐藤
〒243-0213
神奈川県厚木市飯山3150
TEL (046)248-2752 FAX (046)248-2290


【補足資料】

*1:バルキング(膨化)障害
 糸状微生物の異常な増殖などにより、活性汚泥の沈降性が悪化し上澄みのきれいな処理水が得られなくなる障害。沈降性が悪化すると、上澄み水が得られなくなり、汚泥と共に流下するため、処理水の悪化と共に、汚泥流失により水の処理機能もどんどん低下してしまう生物処理における代表的な障害。対応策としては、大量の凝集剤を投入する。ただし、これでも対応できない場合は排水の流入を停止する。

*2:MLSS
 有機性排水を生物分解処理するエアレーションタンク混合液中の活性汚泥(=微生物)量。

*3:BOD
 水中の有機物量の指標で、20℃で5日間に水中の生物が呼吸した量(酸素量)を言う。水中生物は水中の有機物を消費して呼吸するので、BODは生物により分解できる有機物量の指標となる。

*4:SS
 孔径1μmのろ紙にかかる固形分。汚泥も含む。

*5:評価導入期間
 本技術は新たな市場の開拓に相当することから、当初は実績作りを最優先に取り組みます。目標件数を3件としているのは、1件の導入効果を定量的に評価するためには4~6ヶ月の期間を要します。そこで、本年度下期以降の実導入を想定した場合、来年末までの1年半において3件の導入を目標としました。


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