「Human Orchestra」収録の「HERO」でシーンに衝撃を与えてから7年あまりが経過
北のバンプと称されたこともあった、日本語ロックバンドtacicaは今年で11年目

昨年、アニバーサリーイヤーの幕開けとして中野サンプラザワンマン、2年ぶりのアルバム「LOCUS」、更には配信限定シングルとして「サイロ」と例年以上に活発な活動を行った
そのアニバーサリーイヤーの集大成として行われるのが、恒例の三大博物館
今年は2daysに分けて開催、それぞれセトリが異なるとのこと

当初は参加するか否か迷っていたが、偶然にも用事の場所が重なり、思いきって参加することに
ちなみに、今回は指定席での参加
翌日の天気が雪であることを考えると、明日行けるかはわからない

ヒルズ族の街こと六本木に似合う派手な装飾が目立つEX THEATER ROPPONGIは今回が初めての箱
大型ライブハウスでは珍しく地下に潜っていくような構造で音の反射もかなりいい

しかしながら、金曜日とはいえ平日かつ2daysでなおかつキーワードである「太陽と月」から、名曲が明日に集中すると踏んだのか、指定席すら空席が目立つなかなか苦しい状況
上から見ると、フロントエリアですら埋まっているとは言いがたい

そんな状況ではあるが、定刻ちょっと過ぎに暗転すると、車のエンジンがかかったかのような音を合図に、静かなSEが流れだし、サポートドラムの鈴木浩之を含めた3人が登場
この日の副題は、「太陽」ということで確実にやると思われた「SUN 太陽」から開始

時間で表せばまだ6時頃であろうか
身体が完全には目覚めていないかのように、アンサンブルは大人しい
しかしながら、この「太陽」が起爆剤となり楽曲に命を与えていくと、「命の更新」、「newsong」とみるみるうちに生命のエネルギーを感じさせるように演奏は活発になっていく

聞いていて思い出すのは、「命の更新」は当時在籍していた坂井が復帰する祝福すべきシングルであったが、リリース直前に3.11が発生し復帰ライブが流れてしまい完全復活を遂げるには時間を要してしまったこと、NARUTOのタイアップに抜擢され、お茶の間にtacicaというバンドの存在を世に明らかにした「newsong」、これらがバンドにとって重要な曲であるということである
このシングル2曲はtacicaというバンドを振り替えるには絶対欠けてはならないパーツ
なのだ

tacicaは国内のバンドの中で、MCが極めて少ないことで知られているため、

「明けましておめでとうございます…」

と軽く猪狩(Vo. & Gt.)が挨拶を行うと淡々と曲を演奏していく
次に演奏された「アシュレー」は「ああ、これか」と感じながら聞いていたが、この曲は「Human Orchestra」に収録されていた今日演奏された曲の中でも、相当古い
ここ数年、「LEO」をきっかけに聞き始めた方も多かっただけに、この曲と邂逅したのは今日が初めてという方も多かったのではないだろうか

最新アルバム「LOCUS」の中でハードな方に分類される「LUCKY」では、鈴木のタイトなドラミングが発揮されるが、驚きのあまり歓声がでかかったのが「コオロギ」
所々で手拍子も起こっていたが、これが本日最大のサプライズだったかもしれない(収録シングルの「黄色いカラスe.p.」は廃盤となっており、入手困難となっているため)

「初日だね…。初日の雰囲気だね…。」

と猪狩はやはり言葉数が少ない
しかし、新曲「発熱」のイントロをミスってしまったため、

「初日だね。初日の雰囲気だね。」

と何故か言い直す(笑)

そんなハプニングのため、改めて「発熱」が演奏されるが、これ以上ないくらいストレートなギターロック
以前タイアップを組んだ「ハイキュー‼」の主題歌に再度起用されたが、前回と異なりテンポは早い
歌詞にはある登場人物を連想させるような描写も

鈴木のドラムソロが展開された「人間1/2」の後は、情景が変化したかのように「JADITE」と聞かせる曲へ
キラキラとしたメロディーから終盤、ノイズが走り一瞬にして変貌を遂げる「幽霊のいない街」、猪狩の弾き語りから名曲「ハイライト」と夕暮れから夜へ、1日が終わっていくような景色を想像させる

このタイミングでベース、小西による物販紹介が始まるが持参したボートが小さくて、前方の客以外は全く見ることが出来ない(笑)

「どう?業務連絡みたいでしょ?バンドマンなのに(笑)。みんなで育てましょう、たまごっちみたいに(笑)。Twitterにタグをつけて今日の反省点を小西っちに(笑)」
と猪狩もここぞとばかりにいじりまくる
ちなみに「SILO」Tシャツは猪狩がデザインしたらしく、売れ残ったら段ボールで家に送られてくるとのこと

3大博物館のテーマソングとして配信限定リリースされ、現代の「newsong」と称すべき「サイロ」から再び陽が登り始めると、「HALO」からはシングル曲を連発
「人鳥哀歌」はこの時期ほど、輝く季節はない
ちょうどこの時期にユニークなパッケージでリリースしたことを未だに覚えている

「水を…曲を…」とそれ言う必要あるのか(笑)と突っ込みたくなる猪狩のつぶやきから、更に近年のヒット曲「LEO」、メンバーが初めて公に顔を出したPV(といっても「HERO」のPVでは思いきり顔が見える)「不死身のうた」と人気曲が続く

最後もシングルの「メトロ」だが、この曲はかつて東京メトロのタイアップソングとしてOAされていた曲
最寄りに都営大江戸線、地下鉄日比谷線が通っているだけに、感慨深かった

「また明日よろしく」とメンバーはステージを去っていたが、

「一時期アンコールやるかやらないか、話題になったよね。俺達は用意してあります‼」と再登場

「馬鹿」から、本当のラストかつ始まりのうた「HERO」で爆音をかき鳴らし初日は閉館した


太陽がライブの始まりを告げるように楽曲に生命を降り注がせ、朝⇒夕方⇒朝⇒…とまるで展示物をじっくり見物しているような気分になった初日
「太陽と月」がキーワードになっていたが、この2つは歌詞中に度々登場しtacicaにとって重要なパーツになっているのがよくわかる

僕がtacicaを本格的に聞き出したのは2012年、「newsong e.p.」をリリースした頃だが、相当聞き込んでいたため、今日演奏された(なかでもシングル)曲を聞くたびに、当時の背景が次から次へと甦り、全くメディアに露出していない初期、再びバンドが転がり始めた「sheeptown ALASCA」の頃が懐かしくなった

今日演奏されなかった「ドラマチック生命体」、「アリゲーター」、「アトリエ」、「Co.ster」といった名曲は、明日間違いなく演奏されると思うが、無事開催できるのだろうか?

セトリ
SUN 太陽
命の更新
newsong
アシュレー
LUCKY
コオロギ
発熱※新曲
人間1/2
JADITE
幽霊のいない街
ハイライト
サイロ
HALO
人鳥哀歌
LEO
不死身
メトロ
(encore)
馬鹿
HERO



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