私がデザインに携わっているクライアントのなかに、レディースファッションを専門にしているECサイトがあります。このECサイトのターゲットは10代~20代前半の女性です。マーケティング用語でいうところのF1層になりますが、彼女たちの消費行動はとても特徴的で、従来の常識では考えることができません。

若者たちの「いま」を理解するだけでも大変なのに、私たちは将来を予測しながらマーケティング・販売戦略を考えていく必要があるのです。これからの若者の消費行動はどのように変わっていくのか、そのヒントを欲している人も多いのではないでしょうか。

海外ブログ practicalecommerce.com に「10代のオンラインショッピングの傾向」という記事が掲載されました。米国の若者の消費トレンドは、少しのタイムラグをおいて日本国内にも影響を及ぼすことは、歴史からも明らかだと思います。このような記事は一読の価値があるでしょう。

今回はこの記事を翻訳して紹介したいと思います。



10代のオンラインショッピングの傾向

10代の若者は多くの金を使います。アメリカに住む3560万人のティーンエイジャーたちは、様々な手段で買い物をするうえに、とても気が変わりやすいことでよく知られています。

10代の若者たちを対象にマーケティングをすることは1つの挑戦となりますが、幸いなことに、この年齢層については消費行動の専門家が好んで研究しているテーマで、最近の傾向を測定するための最新データが大量に存在しています。

10代女性の買い物イメージ

投資会社のPiperJaffrayは、半年ごとに行っている調査の第25回目の結果として「10代の若者の評価」という報告を近頃発表しました。この報告によると、10代の若者の70パーセントが、お気に入りのネットショップで買い物をすることを好んでいます。10代の若者はインターネット経由や実際のアウトレットショップでたくさんの買い物をします。しかし専門店で買い物をすることはそう多くありません。

研究では、10代の若者たちの買い物における「両親の影響」が、高所得者層・中間所得者層ともに、以前よりも減っていることが明らかになっています。子供たちは、買い物に自分自身の小遣いを使わなければならず、これが専門店での買い物が少なくなっている原因かもしれません。前回の調査と比較すると、親から子供への小遣いは1割近く減っているのに対し、大多数の子供たちは、依然として親が出費の半分以上を子供たちのために使っていると報告しています。

米国の専門店イメージ

2013年春の調査では、10代のうち女子79%、男子76%がオンラインで買い物をしていると述べています。この数字を2012年秋と比較すると、女子は4%の増加となった一方、男子は6%の減少となっています。

衣服は全支出の21%を占め、依然として10代に最もよく購入される商品ですが、ファッションアイテムに対する支出は減少しつつあります。アパレル商品に加えて、家電製品と靴も、オンラインショッピングで最も人気がある商品です。この2つのカテゴリーについては、男子の方が女子よりもよく買い物をしています。総合的に見て、ティーンエージャーは衣類に対して年齢に不釣り合いな金額を使っているといえます。
最も利用されているショッピングサイト

PiperJaffrayの調査結果によると、この1年間、10代が最もよく利用したウェブサイトのトップ3はAmazon、eBay、Nikeで、なかでもAmazonは2012年春から2013年春にかけて13%から23%に、なんと売り上げを10%も伸ばしています。

若者たちは、10代向けの商品を提供しているブランドのウェブサイトを見ることを楽しんでいます。

ソーシャル・メディア

FacebookとYouTubeは相変わらず10代のお気に入りのSNSであり、女子の53%、男子の52%がソーシャルメディアは自分の買い物に影響を与えていると回答し、なかでも最も重要視されているのがFacebookです。

しかし、Facebookは影響力を失っているようで、2012年秋には42%の10代がFacebookを最も重視すると答えていたのに比べ、2013年春の調査では、最も影響力のあるソーシャルメディアとして報告した10代の数は33%に過ぎなかったのです。

InstagramとTwitterがその分を補っていて、さらに、10代がTumblrやRedditに乗り換えているという事例などもありますが、この件に関してはPiperJaffrayの調査では証拠を示していません。

モバイル

12歳~17歳までの世代におけるインターネットへの主要なアクセス手段は、携帯電話が25%を占めています。PiperJaffrayの報告によると、10代の48%がiPhoneを持っていて、58%がタブレットを持っているようです。スマートフォン(スマホ)を持っている10代では、その半数がインターネットにアクセスするためのメイン手段として利用しています。

10代はモバイル端末に接続しないことがほとんどないため、モバイルユーザーのためのウェブサイトをカスタマイズすることが最も効果的でしょう。モバイル端末は閲覧、購入、またクーポン検索したり、友達と一緒に商品について確認したりするのに利用されます。

10代の特徴

10代はブランド志向だが、必ずしもブランドを信奉しているわけではありません。友人の意見を尊重し、友人の意見は購買行動に大きく影響を与えています。

買い物における仲間からの同意は、とくに女の子にとっては非常に重要です。PiperJaffrayの報告では、10代の購入決定に友人が最も大きな影響力を持っていて、男女共に、約半数がソーシャルメディアから影響を受けていると述べています。

10代の買い物は友人に影響されるイメージ

買い物は10代の女子の核となる社会活動で、男子よりも一層「セレブ」に心を揺さぶられるようです。Euro RSCG Worldwide PRの2010年の報告書「消費者、情報発信者としての十代の女子」によると、10代の女子はなかなかしっかりした買い物客で、6割以上が購入する前にセールになるのを待っていて、77%が通常価格の商品よりも値下げ商品を買う傾向にあるという結果を示しています。

※この記事はpractical ecommerceに掲載された「Teenage Online Shopping Trends」を翻訳した内容です。


記事の感想:

いかがでしたでしょうか。

10代の若者をターゲットにしたとき、ECサイトのデザインという側面をひとつとっても、EC業界のセオリーがまったく通用しません。彼らは販売者が意図的に配置したキャッチコピーや説明文を読んではくれません。決済方法や配送方法に関する注意事項をどれだけ強調しても、注意を払うことがありません。商品の良し悪しについては感覚に頼っているのかと思いきや、友人や憧れの存在(権威)の評価に傾きやすい傾向があります。

このような若者たちを対象にしたウェブサイトを制作するとき、私たちディレクターやデザイナーにとって、ユーザー観察がとくに重要になります。

もし、あなたが若者をターゲットにしたウェブサイトの開設を予定していて、ホームページ制作会社を探しているのであれば、デザインスキルだけではなく、制作会社のユーザー観察への取り組みや、マーケティングノウハウの有無を、慎重にチェックするべきだと思います。
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