【港区】 火曜日の銭湯「玉菊湯」
明治通りに沿って流れる渋谷川は
天現寺橋を境に古川と名前が変わる
その古川に架かる「四ノ橋」
江戸時代、橋の北側には
老中 土屋相模守の屋敷があり
「相模殿橋」とも呼ばれていたそうで
当時の様子が歌川広重の浮世絵
「広尾ふる川」に描かれている
白金商店街
広尾や白金にほど近い場所にあるが
その洒落たイメージとは違い
個人商店が並ぶどこか懐かしい
雰囲気の商店街
港区では数軒しかなくなってしまった
銭湯のひとつ「玉菊湯」がある
ここは自宅から比較的近所にあるが
なかなか訪れる機会がなかった銭湯
なぜならこちらの営業日が
月火水曜日と週3日しかなかったから
幸い今日は火曜日
仕事終わりに真っ直ぐ玉菊湯に向かう
が、しかし入口の貼紙を見て驚く
「~諸事情により火曜日のみの営業になります」
なんと週1日だけの営業に変わっていた
何だか今日が特別な日に思えてきた
どこか町医者の受付のような雰囲気
そういえば並びに「玉菊薬局」があった
決して広くはない銭湯だが
ここには東京の天然温泉、黒湯がある
都会の地下深く太古の地層から湧き出る黒湯
普通の湯に比べ明らかに温まり方が違う
湯から上がってもしばらくは
体の熱りが止まらない
その日は冷たい雨が降り
秋の深まりを感じる寒い日
暑い夏 汗を流す銭湯もいいが
冷えた体を温める銭湯はまたいい
そんな湯に浸かりながら
常連さん達の会話に耳を傾けると
誰もが口々に「やっぱりここの湯はいいね~」と
そして週1日しか入れないのを残念がっている
営業日が週1日
それでも末長く続いてくれるのならと願うばかり
今後、火曜日は「玉菊湯の日」が増えそうだ
住所 :東京都 港区 白金3-2-3
(東京メトロ南北線/都営三田線
「白金高輪」駅より徒歩約6分)
TEL :03-3441-1772
営業時間 :15:30~22:00
営業日:火曜日のみ営業
(文と写真:金沢淳)