スマホ冤罪事件:良質の論考

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 米村滋人氏は知る人ぞ知る人物であるが(法学者にして現役内科医)、本件でもよい論考を書いておられる。

 

 最近のものは朝日系のwebronzaに掲載されているが、有料サイトであり、私は朝日にはお金を使いたくないので、観にいけません。

 

 しかし、FBには同趣旨と思われるものが第三者委員会報告発表直後に出ているので、一読をお勧めします。

 

 要点は、棋士と連盟は雇用関係ではなく相対の委任契約であるから、出場機会を一方的に奪ったことは債務不履行である、という点、このような結論が出たのは民法の専門家が委員会に入っていなかったからではないかということである。

 

 雇用関係にはない、という点は、法理論に準拠しなくても検証できるように思える。以前の武者野の竜王戦クラブにおける業務不履行に対し、私自身が棋士や連盟周辺の人々に「なぜ、連盟は懲戒事案としてこれを取り上げないのだろうか」と訊いたところ、「連盟はそういうところではないからね」というリアクションばかりであった。ある意味、棋士は連盟という看板に依った個人事業主であって、雇用されているわけではないということである。

 

 戻って、委任契約の集合体である連盟が自分の不利益(棋戦の評判が落ちるとか契約を切られるとか)のみを重視した判断のバランスの悪さを的確に指摘したのが米山氏の所見であろうと思う。今日にいたるまで法律の専門家からこれ以上緻密な所見というものを私はみていない。

 

 

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