2005-12-15

194.流れる想い

テーマ:彼女じゃない恋愛

「帰るか…」
抱きしめながらそういう彼に、こくっと頷く。
妙な無言のまま私たちはラブホテルを出た。
車に乗り込み彼は私の家の前まで送ってくれる。
「せのり?」
私はうつむいたままだ。
「…泣いてんのか?」
「泣いてない」
私はそういうと泣いていない事を確かめさす為、彼の顔を見る。
「また来るから、な」
「うん」
「ほんと、何かごめん」
「うん」
「やっぱ寝たこと怒ってる?」
「怒ってない」
「でも、何か怒ってるよね?」
「・・・・」
「そか・・・」
「帰るね」
「帰んのか?」
「・・・うん」
「また連絡するから」
私は車のドアを開け、彼の顔を見つめ、何も言えずにドアをしめた。
本当に怒ってもいないし泣いてもいない。
ただ、少し考え事をしているのかもしれない。
考えたくないと思いながら。


部屋に戻ってしばらくして彼からのメールが届く。
<何かごめん…結局ゆっくり居てやれなくて。せのり、ほんと泣いてたろ?また会いにくるからね>
私は返事を打たなかった。
夜になってまた彼からメールが届く。
<せのり?寝てるんか?>
そのあと、彼から電話があったけれど、私は取らなかった。
すべて水に流そう、そう決めて眠った。
流してしまわないと、この想いを伝えることも留める事も出来ずに私は彼を嫌いになってしまいそうだった。


翌朝彼にメールを打つ。
<泣いてないし、怒ってもないし、ゆうじが言うことは的がズレてるよ。ゆうじが悩んでるようなことは考えてないから大丈夫>
そうメールを打った。
<そっか、いってきます>
心残りだと言いたげに彼の返事が届く。


そう本当に私が泣いたり怒ったりしていたとしてもきっと的がズレていると思った。
流しきれなかった思いを心にしまい、さ!いつも通りと一喝入れて私はまた彼に接することにした。



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