2005-12-01

183.会いたかった

テーマ:彼女じゃない恋愛

彼の車のドアを開け、車に乗り込む。
真っ暗で彼の顔が良く見えないことに少しホッとした。
「ごめんな、せのり」
「え、急に何?!」
私は少しうつむき加減で自分の手を見ながら答えた。
挙動不審さを隠す為でもある。
「お前いっつも会おうってなると機嫌悪くなるよな。お前の機嫌は俺の所為やと思ってる。自分ではちゃんと伝えてるつもりではいつもいるんやけど。会いたかったよ」
「うん…熱は?」
私は何故か話を変えた。
言葉で伝えて欲しいと拘っていた筈だったけれど、会えば言葉などどうでも良いと思えてしまえる。
「あぁ、もう熱はないよ。仕事で熱出してたら世話ないよな。何の為に必死こいて働いてるか解からんわ」
「ねぇ、熱の花…」
「あぁ、これこれ」
彼は車のライトをつけて見せてくれた。
「ほんと、パカッってなってる」
「花みたいやろ」
「痛い?」
「もう痛くない」
「うつるん?」
「あぁ、子供の頃親にうつされたんかな…でも、今はもうチューしても大丈夫やで」
「バカじゃないの!もう」
「なぁ、お前って目ぇ悪かったっけ?」
「あぁ、うん」
「何で今日メガネしてきたん?いつもコンタクト?」
「うぅん、いつも見えてない」
「それって俺の顔見えてなかったってこと?」
「そうそう、いっつもぼやけとった」
「それってヒドイなぁー」
「よく見えたら恥ずかしいじゃん」
「まだお前俺に慣れんのか?」
「…うん、照れる」
「俺の顔今めっちゃ見えてるんや」
「ヤバイね」
メガネ 「俺の顔?」
「じゃなくて、焦る」
「それにしてもお前AV女優の教師みたいやな」
「ムカつくーーー」
私は、プリプリしながらメガネを外した。
「ほら、やっぱりはずした方が可愛い」
「なっ!何を…」
褒められてメガネを付け直すなどできなくて、私はアタフタしながらそっとメガネケースにメガネをしまった。
彼も見ているのだろうけれど、気付かれないようそっと。
「で!つけへんねや」
「え、あ、うん」
「見えへんのに?」
「・・・・」
「可愛いな」
「イジメんとってよ」
「お前さ、褒められなれてそうやけど、ホンマ褒められるのあかんよな」
「ぶっちゃけ言われなれてるけど、あんなん本気じゃないやん。あんなんやったら、ナンボでも切り返せるよ!」
「まぁお世辞やろうけどな」
「はいはい、イチイチむかつくわ」
「かわえぇで」
「もう手遅れ!放っといたら他の男が寄って集るんやから!」
「そんな男についていくんや」
「ついていかんわ!アホ!でもな、メガネしてたらナンパされへんねんで。便利グッズやで」
「それ、自分で可愛いって言うてる」
「うん。可愛くないと思う?」
「いや・・・いつもヒヤヒヤしてます」
「あぁでもついていくかもしれんな~」
「俺がいるやん」
「・・・おるんや」
「おらんねや」
「おる」
「お前さ…」
「何?」
「素直すぎて、カケヒキ下手」
「・・・」
「お前、可愛くなったな。好きやで」
「うん・・・」
「ファミレスでえぇよな」
そういうと彼は、やっとエンジンをかけ始め、車を走らせた。


私は流れる景色を眺めた。
照れ隠しだ。
「なぁ、何で外ばっかみてるん?」
「うーん、街のライトが綺麗やから」
「目ぇ悪くて見えてないくせに」
「・・・恥ずかしいの!」
彼には心を隠せないや。
「俺も照れるわ。俺なんかモテたためしがないからな」
「どこがよ!チヤホヤされんじゃないの?」
「おばさんにはよーモテるけどな」
「うち、面食いやから安心し!」
「ほー、お前が好きなキムタクとかガクトと一緒か」
「それは別格」
「あはは、お前自分が思ってるより全然面食いじゃないで」
「そう?不細工は嫌い」
「はいはい、微妙やけどありがたく受け取っとくわ」
実際彼はカッコいいと思うんだ。
彼の言葉で「モテない」というのは、信じられない一つでもある。
彼が彼女と私のどちらかという、二者択一に拘る事もないと私は思っている。
もっと選べる女性が沢山いるようなそんなきがしてる。
景色を眺めながらずっとそんな事を考えていた。
…そうか、彼って、少し性格が悪いかもしれない。
自分勝手だし、傲慢だし、優柔不断だし、彼の性格をあげれば最悪だ。
何でこんな男好きなんだろうって思ったら笑いが込み上げた。
「何笑ってんねんキモイ」
「いや、私ゆうじの事好きだなと思って」
「それって笑うとこ?」
「うん、おかしかった」
「照れたり笑ったり、忙しい奴やな」
「楽しい」
「一人で楽しむなや!」
「楽しくないの?」
「いや、一緒にいるだけで楽しいよ」
「でしょ」
下手なカケヒキに、わざと乗っかってくれる彼に心満たされる。
それだけにイチイチ自分の仕掛けた罠に照れる。
褒めさせて照れる。
もしかしたら罠にかかってるのは私なのかもしれない。
自分から彼に好きだとか言わないぞと思いながら結局私は彼を喜ばせてる気がした。


「よし、今日は激安やから思う存分食えよ」
ファミレスの駐車場に車を止め、私たちは食事をすることにした。



[ ← 182 ]  [ 目次 ]  [ 184 → ]
AD
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)

senoriさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

4 ■> blueさん

blueさんも、食いついちゃいましたか!!ROMってる方の中にはどれくらい食いついてる方いるんでしょうね。結構食いつき度高いのかしら…(笑)ちょっと意外だったり。何気に書いたんだけどね。
ぷぷぷ、ポルノって今じゃ歌手の方が先に浮かんじゃいますよね。でも、なんだろうな、私の中でポルノって美的感覚がある…なんでだろうな。
私の中では、上げる性格ってそれほど重要じゃなかったりするんですよね。好きだって言う性格も嫌いだって言う性格も、あってもなくてもどっちでもいいって感じ。本当に惹かれてるところは絶対に言わないし心の奥底で温めてる。言葉にならないってのもあるかもしれない。少しくらい高飛車程度じゃないと、KOされちゃいます。「そんな性格、私くらいじゃなきゃ好きになってあげられないんだから」ってね。
( ̄□ ̄;)振り返って窓の外にblueさんおったら、怖いよ。ちょっと半笑いなんでしょ…ぷぷぷ。もしblueさんみつけたら、そっと見なかったことにしてエンジンかけて発車させます(笑)

3 ■無題

やっぱり他の方も、そこに食いつきますよね(笑)>AV女優の教師

私も、彼にじゃないけど、メガネかけてて上司に言われたことあります。
「ポルノ女教師」・・・ポルノって言う時点で、相手のオヤジ度がわかりますでしょ(笑)

私は、彼に「顔も体も性格も好き」と言うけれど、ほんとは性格悪いのよね。いつも妙に冷静で、過去の恋愛でも自分から会いたいといったことがなくて、涙したこともないそう。
きっと、、、彼は血も涙もないんだわ(笑)
でも、顔と体がスキだけじゃ、悪いな~と思って性格もつけてあげています。(高飛車?)

せのりさんの、ゆうじさんに対する言動が、超かわいい~~
このやりとりを、せのりさんの乗ってる車の窓からこっそり覗いて見て見たい位(笑)


2 ■> やすか

あはは、そんなえぇもんでもないです。ただ、エロイというだけ(笑)
よっしゃ!幸せにしたるで何処まででもついてこい!!地獄に落ちたって、二人で這い上がってやろうねぇ♪

1 ■メガネ

メガネ似合いそう!!
色気たっぷりなんやろなー。
女教師…
ゆうじさんの表現、分かる…笑。
お姉様、これからも付いて行きますっ!

コメント投稿

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。