2005-11-04

165.誕生日

テーマ:彼女じゃない恋愛

0時、一旦途切れた筈の彼からのメールが再び届いた。
寝たのだと思っていた。
朝早い彼が0時になるまで起きてることなんて殆どないのに。
<せのり、25歳の誕生日おめでとう。俺と2コ差やな。大人の女性やね。これからも可愛らしい女でいろよ。何もしてやれないけど、心からおめでとう>
彼がこの日を待っていてくれたことだけが嬉しかった。
何もしてやれないなんて言わないで欲しい。
そんな事言われたら私は素直にありがとうと言えなくなる。
解かってる。
何度も仕事だと言い聞かせてきた。
だから、昨日に寂しさ置いてきたのに…。
何かして欲しいわけじゃない…やっぱりして欲しいけど…何もしてやれないなんて…メールが来たことだけで嬉しい。


ゆうじが何もないと思ったら、とても寂しいよ。


<ありがとう。私、この一年でいっぱい変わった。そう言えば、ゆうじって年下だったね。私、甘えてばかりだったよ。もっと強くて素直な可愛い女になるからね。ずっと側に居てね、ありがとう>
一年を振り返り、彼の存在の大きさを改めて感じた。
私は彼じゃなきゃダメなんだ、改めてそう思った。
<そうやで、俺まだ23なんやから。偶には甘えさせてくれよ>
<ごめんね、でもこんなに泣き虫にしたのはゆうじだからね>
<はいはい、本当お前は素直でいい子だよ。言われたとおりに変わってくんやもんな>
<自分もそうなりたいと思ったんやけどね>
<違う、元々お前はそういう奴やった筈や>
<かもね、忘れちゃった>
<強がるな!素直になるんやろ?!>
<なるよーもっと喜怒哀楽激しくなるんやからね!ゆうじも、もっと素直に話さなきゃダメだよ>
<俺、素直じゃないか?>
<自分でそう思ってるならいいけど、私は、ゆうじ沢山吐き出せないもの抱えてるって思ってるよ>
<そうかもしれんな>
<ゆうじも、私と一緒で誰にも相談しないでしょ?>
<さすが、人の心読む力はまだまだ健在やね>
<別に読んでないけど、偶につらそうな顔するから>
<そんな顔してた?>
<いいよ!無理に話さなくても。もっと話聞きたいなと思ってるだけだよ>
<そか、ありがとう>
久しぶりに彼のメンタル面に触れた気がする。
彼の心に踏み込むとしばらく彼は消えちゃう。
A型気質なのか、彼自身がそうなのか、殻に閉じこもり考え込んでしまう。
でも、踏み込みたい気分だった。
新たなスタートがそう思わせた。


朝になり、また彼からメールが届く。
<おはよう。今朝は眠い。来月からのブランド異動が決まりました。忙しくなります。より一層頑張らなくては!誕生日一緒に居てやれなくてごめん。今日一日せのりの事を考えてるよ。誕生日おめでとう>
なんて大雑把な重要一括メールなんだ。
私の事なんか考えてる暇なんてないくせに…。
彼がブランド異動で悩んでいることは、素人ながらにしっかり伝わっている。
それが決まったとなると、きっと彼は新ブランドの事で頭いっぱいに違いないのだ。
そして、責任感の強い彼は引継ぎの事に今度は頭を悩ますんだ。
<応援してる>
コレで今日はおしまい。
頑張ってね、心からそう思えると笑顔がもれるものだ。


誕生日と言ってもいつもと変わらない生活。
だけど、少しはりきってみる。
ちょっと豪華に夕飯作り。


そこへ携帯がなる。
はいはいはいはい・・・そう言いながら携帯に向かう。
どうやら私はご機嫌なようだ。
はっと息を飲む。
シュンっとなる気持ち。
携帯に彼の名が刻まれていたから。
寂しさが蘇る。
「もしもし」
「元気か?」
「うん、元気だよ」
「今、何しとるん?」
「ご飯作ってる」
「そか、大丈夫か」
「うん、今火使ってないから」
「じゃなくて、お前!」
「うち?」
「寂しくなかったか?」
「…うん、大丈夫だよ」
「ほんまか?」
「ちょっと寂しかった」
「あはは、そか、ちょっとか」
「何よ!」
「いや、声が虫の声やで」
「そんなことないよ~、めっちゃ声張ってる~言うねん」
「どこがやねん」
「あれや、めっちゃ声張りすぎてヤマビコ状態でやっとこさ、ゆうじに伝わって小さな声に聞こえるんやわ、うん」
「はいはい、ごめんって思ってるよ。一緒にいてやりたかったしな」
「うん、寂しかった。頑張った」
「あぁ、よー頑張った!」
「ゆうじって電話するんだね」
「何それ?!」
「別に…仕事は?」
「まだまだ、たんまり!お持ち帰りはしたくないけど、そうなるっぽいかな」
「家でもするん?」
「あぁ、会社でしか出来ん事片付けてるとこ」
「休憩中なん?」
「あぁ、休憩中にボス休憩中飲んでんねん、ペーペーやけどな」
「ボケかぶせてきた割に笑えんよな」
「笑かそうとか思ってないよ、事実を報告したまでや」
「はいはい」
「そろそろ行くわな」
「もぅ、早いな…コーヒーなくなったん?」
「あぁ、飲み終わった」
「コーヒー買いに行くの?」
「あぁ、ボス仕事中売ってるコンビニ遠いねん」
「ぷっ」
「やっぱおもろいねやん!」
「ちゃう、今のはうちのフリがよかっただけや!」
笑いの余韻を残したまま、受話器の遠くの方で彼は「はい、はい」と返事をしていた。
呼ばれてる…。
「ごめんな」
彼との電話が終わった。
気が落ちた。
彼は忙しい。
朝のメールでもう連絡は来ないと思っていたのだから、良かったではないか。
声も聞けた、充分だろ?!
わがままなのだろうか。
彼は何であんなに忙しい仕事を選んだんだろう。
仕事を責めた。


こんなに時間が少ないのに、どうして他の女性と彼を分け合わねばならないのだ。
25歳か・・・単純にも年を想い彼の独占欲がました。
来年、私はちゃんと恋愛しているのだろうか。



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