2005-10-25

157.誰への贈り物?

テーマ:彼女じゃない恋愛

観覧車を降りて、観覧車と同じ階にある喫茶の一つを選んで休憩することにした。
屋外のテラスに案内され、スムージーを二人頼んだ。
日が落ち始めた大阪の夕方。
まだまだ気温は暑い。
朝はあんなに涼しかったのに。


「あぁ、疲れた」
彼は椅子にドーンと深く倒れこむ。
「疲れたねー」
「おっさん、もう何処にも行きたくなーい」
「そうなん?今日はもう終わり?」
「まだどっか行きたいの?」
私はにこっと笑ってみせる。
「あぁ、よー考えてみたら今日観覧車しか乗ってないし」
「そやね、ずっと歩きっぱなしやったね」
「はぁ・・・」
彼は大きなため息をつく。
「最悪や・・・」
「そう?楽しいよ」
「そか…ほんま、ごめんな。こんなつもりじゃなかってんけど」
「だから、楽しいってばよ~!」
「何それ?誰のモノマネ?!」
「ん?NARUTO」
「あっそ!俺が女やったら、今日で別れる決意できるくらい無計画やったわ」
「そうかな?一緒にいれるだけで幸せ~」
「あぁ、アホな子でよかった~」
「アホちゃうわ!アホ!」
「俺もアホちゃうわ!アホ!」
「む~、ウチはかしこやもん!」
「はいはい」
「ねぇ、次どこいくの?」
「もぅ今日は勘弁してくれ」
「じゃぁ、もう帰る?」
「そやなー、せのりーラブホ行こう!」
「こんなとこでよー言うわ」
「な、今日はどっか違うとこ行ってみぃひんか?」
「えぇよ」


どっぷり休憩してから、私たちは席を立つ。
エレベーターで一気に降り、駅へと歩を進めた。
やっぱりちょっと体がダルイかも…。
「せのり?ちょっと阪急よっていい?」
「何か買うの?」
「ん?あぁ、ちょっとな」
誤魔化されたのが少しムッとした。
私は彼にダラダラとついていく。
彼が目指したのは、宝石店。
ガラス越しに、ピアスや指輪やネックレスを彼は眺めている。
当然女性ものだ。
すごい嫉妬心が沸き起こった。
ムカつく、ムカつく、ムカつく。
「せのりやったら、どれが可愛いと思う?」
「さぁ、私アクセサリーつけへんから」
「そうやんな…。デザイン的にはどう?これとか可愛いと思う?」
「可愛いんじゃないの?」
「そか…。そうそう、女性って誕生石とか好きよな。お前自分のとか知ってるわけ?」
「知ってるよ!そりゃー」
「お前は、何?」
「トルマリン」
そう言うとお店の人が私たちの前に現れた。
「プレゼントですか?」
「えぇまぁ」
「ピンクトルマリンは幸せを呼ぶ石なんですよ。綺麗ですよね~」
私はにこっと店員に笑い返す。
「お前ピンク何たらっての持ってるん?」
「あぁ、昔もらったけどつけないからなくした」
「最悪やな!」
「だって、つけへんも~ん」
私の言葉を上の空で聞く彼。
「他には何かあるんですか?」
彼は店員にプレゼントのアドバイスを求め夢中だ。
「この緑色のとか…」
そこへ私の携帯がなった。
弟からだった。
私はいつも電話に出る時でも側を離れないのだけれど、その場にいたくなくて阪急館内から外へ出た。
電話を切ると、まだ彼は店の前にいる。
私はその場でじっと彼を眺めた。
彼があたりを見回し私を探している。
私を見つけると、手招きで私を呼んだ。
「買ったの?」
「あぁ、いいのが見つかった」
「そ、よかったね。どれにしたの?」
「さっきのやつ」
「さっきって、私電話してたし見てなかったよ」
「そっか。可愛いのにしたよ」
「ふーん」
「何か怒ってる?」
「別に・・・」


阪急を出て真っ直ぐ駅へ向かい私たちは電車に乗った。
機嫌が悪くなった私が、疲れてしんどがっていると勘違いする彼に余計腹が立った。
機嫌直さなきゃ・・・。
忘れよう、そう言い聞かせて電車に揺られた。



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