2005-10-16

148.男に会う為

テーマ:彼女じゃない恋愛

色々ありすぎたからだろうか、なんだか自分の心が分裂してしまったような感覚がずっとある。
二人の自分なんてソコまでくっきりとわかれているわけじゃない。
あやふやな感覚。
大半はゆったりマイペースでのんびりとしているのだけれど、ある一部分が先急ごうとしている。
そんな感情を押さえつけるべきなのか、それとも追いつくべきなのか。


嬉しいな、幸せだなそんな風に思う自分が居る。
そんな自分を客観的にみてしまうと、何でこんなことで満足しているんだろうって気になる。
彼をとても近くに感じる。
彼が優しくて、遠く離れているのにいつも側に居てくれるような、そんな気がしてる。
本当は彼女なんていないんじゃないかなって…。


今日も彼は仕事の合間に連絡をくれる。
「好きだよ」ただ愛を叫ぶメールに心温まる。
「何してるの?」今を共有できることに嬉しさがこみ上げる。


そんな彼とのメールの会話の間に、親友から連絡が入る。
<聞いてよ!彼氏が今こっち帰ってきてるんやけど、私と会おうとせんねん、怪しくない?女やろって聞いたら男やっていうけど、信じられん!で、それやったら私も混ざるって言うんやけど、2・1じゃ詰まらん言われて…。せのり、出てこれる?>
<無理、今から飯作らなあかん。からかわれてるだけやろ?しばらくしたら迎えにきてくれるよー>
<これ、マジやねんて!前もそうやったし。今日会われんかったら、当分彼氏名古屋やし、お願い。何時に出れそう?>
<強制かよ!うーん、今スッピンやから2時間は欲しいな>
<解かった。サンキュ。2時間後迎えにいくから>


私は彼とのメールを何故か「ご飯作るから」という理由で切り上げた。
嘘ではないのだけれど。
そして夕飯の支度をしてから、出かける支度をして迎えに来た親友の彼氏の車に乗り込んだのだ。
「せのりちゃん久しぶり」
助手席に乗っている親友の彼氏の友達が声をかける。
と、回りくどい説明をしたが、全員中学の同級生だ。
親友は同窓会でカップルにという古典的な恋愛をしている。
あの頃は何も思わなかったのに的なあれだ。
「とりあえず、カラオケでパーっとやろうや、おっぱい」
「おっぱい言うな!せ・の・りです」
親友の彼氏の冗談に親友が楽しそうに怒っている。
親友の歴代彼氏を知っているが、こういう時親友ってマゾだなと思うのだ。
いつもいつも私は親友カップルの愛の餌になってきたから。
こういうのを見ていると疲れる。
大きなため息をつきそうになったが、ぐっと飲み込んだ。
親友の顔を見ていたら、やっぱり嬉しくなる。
好きな人に会えると女っていい顔するなって思った。


持ち込み専用カラオケ店につくと、男二人で車のトランクからクーラーボックスを取り出している。
「何それ!半端ないな!」
「おぅ!これくらいないとな」
そういうと受付へ足早に向かう。
私は少し呆れてる。
部屋に通されると、まずクーラーボックスから缶ビールが取り出された。
「これ、お酒?!」
「当たり前や~ん、パーっとで酒飲まん奴はあかん!」
「ごめんごめん、せのりはアルコール勘弁したって」
親友が救いの手をいれてくれる。
「無理無理!お茶買ぅてへんもん」
親友はクーラーボックスを漁っている。
そして手渡されたのは、アルコール度数が一番低かったシャンパンカクテルだった。
「えー、言うてもワインじゃんよー」
「ごめん、あいつら酔ぅたらお茶買いにいったるで」
親友は小声で私に耳うってくる。
「・・・・」なんて読むのか知らないが、読み方が解かったら私はすかさずこの記号を口にしていただろう。
言葉に詰まる。


とりあえず了承し、乾杯をしてカラオケが始まった。
わいのわいのと歌が続いている。
気付けばテーブルの上には空き缶の山。
4人しか居ないよな…と疑ってしまう。
皆、歌う言葉を噛み始めてる。
足元も覚束ない。
すると、親友の彼氏がまだ少しビールが入っていた缶を間違えて倒してしまった。
量はすくないものの、思いもよらない勢いでビールはテーブルに流れた。
「うわーーー」
皆がそう言っている間に、親友の携帯はビールに浸かっていた。
「ありえへん!」
親友がそう言うと、機嫌を悪くしたのは親友の彼氏だった。
私はおしぼりでテーブルを拭きながら、気まずいと心の中でつぶやいてみた。
口に出してこの空気を捻じ曲げてやろうとも考えたが、気まずすぎる。
親友の彼氏の友達は、ハイハイいつもの事と言わんばかりに次の曲を歌っている。
そして矛先が私に向いた。
「せのりちゃん、全然飲んでへんやん!」
「せのりは飲めへんの!馬鹿」
「お前に言うてないし」
「は?あんたは私の彼氏やろ」
「は?は?俺、お前をいつ彼女にしたっけな?」
「ムカつくわ!ほな、別れてもえぇねんで」
「やったー、俺今からフリーや」
「勝手にし!ごめんなさいの一言言えん奴いらんわ」
「はいはい。せのりちゃんがお酒飲んでるとこみたいわ」
「もー!絶対飲まさんといてや」
喧嘩は続く。
私を巻き込み喧嘩は続く。
こういう時、割って入ってしゃしゃり出るのは余り好きじゃない。
元々は、携帯を駄目にした是非が問われるのだろうが、仲直りの切っ掛けってもっと別の所にあると思うからだ。
それは二人にしか解からないこと。
この二人は大概セックスで仲直りをする。
多分、二人っきりになるまでこの二人は仲直りしないだろう。
親友はきっと携帯など何とも思ってはいないだろう。
そんなものなのだ。
とりあえず、居心地が悪い。
私に出来ることは、そう考えると笑わせることしか浮かばない。
「あれー、誰よ~私の為にぶどうジュース買って来てくれたん?うち、ずっと喉渇いててんなー」
私はそう言うと3口ほど、ゴクゴクゴクと乾杯の時にあけたもう温くなったシャンパンカクテルを飲んだ。
「あはははははは、何やねんその顔」
親友の彼氏の友達が大笑いする。
私はとても渋い顔をしていたと思う。
私はその顔で「めっちゃおいしい」と付け加えてみる。
徐々に戻る空気。
「せのりちゃん、顔真っ赤やで」
親友の彼氏のご機嫌も直ったようだ。

二人は目を合わそうとはしないけれど。


時刻は朝を向かえ、私たちはコンビニへ向かう。
お茶を買って、一気に飲み干す。
私は頭がフラフラしていて「吐きそう」という言葉しか言えない。
だけど朝方の涼しい風が気持ちいと、気持ち悪い割にも思えた。


ボーっとコンビニの前でタムロう。
男たちはクーラーボックスを車のトランクに詰め始めている。
フラフラしている所為か、クーラーボックスの中に入っている空き缶たちが賑やかに音を立てていた。
「まだ、無理やし」
親友が彼氏の運転を止めようとしている。
「でも、もう俺帰りたい」
「せのりもおるんやから…」
それでも親友の彼氏は一人でも帰る素振りを見せ始め、私たちは車に乗り込んだのだ。
私も早く帰りたい、そう思っていた。


だけど乗らなきゃ良かったと思った。
フラフラする運転が、とても怖かった。
神に祈ったくらいだ「生きて帰れますように」と。
「ごめん、こんなんなって」
後部座席で親友は小声で話しかけてくる。
「んー」
私は気分の悪さから、曖昧な返事をする。
「ほんまはもっと早くに切り上げてか冷ましてから帰るつもりやったんやけどさ、喧嘩してもうたから…」
「うん…」
「ありがとうな、こんなんなったけど、彼氏に会えてよかった」
「そやね」
「せのり居てくれんかったら、会えへんかったし」
「うん、でももう無理かも。次はないよ」
「そやな…でも酒抜きんときはまた助けて」
「いっつもこんな遊びやってるわけ?」
「こんな酔っぱらったんは初めてかな」
「もう少し付き合い方考えた方がいいんじゃない?」
「でも、こうでもしな会ってもらえんしさ」
「こんな怖い思いして、楽しい?」
「会う為」
「そやったらチャリ推薦するわ」


無事なのかどうなのかもわからないが、家の前まで到着し、私は「それじゃ」と一言言って家へ帰った。
「またね」とは嘘でも言えなかった。
ハァ・・・やっとため息が漏れる。
すると朝のいってきますメールが彼から届いた。
私は何故か、彼に電話したのだ。
朝の忙しい時間に。
思考回路が切れているのかもしれない。



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