2005-09-28

133.私だけの・・・

テーマ:彼女じゃない恋愛

わいのわいのと1週間強が過ぎ彼から正式なデートの誘いが来た。

仲直りしたとは言っても、1度別れを頭に過ぎらせてしまった私は、彼の声がなんだか照れくさかった。

彼の声が不安そうで、何を心配しているか知らないけれど、それもまた照れくささを増させる。
「お前さ、怖いのあかんかったよな」
「何?」
「グロイのとか同じ部類やんな」
「映画?」
「うん、バイオハザードとか、冒険してみぃひんか?」
「うーん」
「お金ないし、映画くらいしか行くとこないし、見たい映画もそないないし」
「うーん」
「無理なら途中で抜けてもいいし」
「そんなに見たいん?」
「せのりとみたい」
「いや、それは嘘やろ!バイオハザードを一緒に見たいって、どんな想いやねん」
「あはは、激しい愛?!」
「キモイ!」
「な、えぇやろ」
「・・・うん」


そして週末が訪れ、彼はいつものように私の家の前に車を止め私の携帯を鳴らす。
私は直ぐに家を出、彼の車に乗り込んだ。
「うわぁーーー!」
「キャーーー!」
彼の大きな声につられ、私も悲鳴を上げてしまった。
「何?何なの?」
「お、お前、髪・・・・」
「髪?」
「いつ切ったの?」
彼に言われるまで自分が髪をバッサリ切ったことを忘れていた。
余りに色々ありすぎて、私は何年もこの髪型だったような気になっていた。
なんだか妙に照れくさい。
彼に披露する心の準備を忘れてきた。

何だか、彼と初めてデートしているみたいだ。

ドキドキする。
「え、えっとね、いつだろう?もう1ヶ月も前だよ」
「何で言うてくれん?」
「直ぐに見せられると思ったから…」
「そか…ごめん。すごい可愛いよ。もっと見せて」
彼は、私の髪を撫でながら私を見つめる。
「やっぱり、お前はショートが似合うよ」
「へへ」
「俺が切れって言ったから?」
「うーん、どうだろう」
「可愛ぇな、お前」
彼は信号で止まるたび、私の髪を撫で喜んだ。
可愛ぇのはあんただよ、そう思った。

彼が撫でてくれた場所を自分で何度も撫でた。

彼が運転中でも褒められている気になった。

照れる。

にやけた顔の筋肉の元の位置がわからない。


映画館に着くと、レイトショーだからかカップルが目立っていた。
チケットを購入して、隅にあるベンチに座りカップルを観察。
「見てみ、どの男も今はたくましく見えるよな」
「どの女の子も既に半泣き入ってるよね」
「怖いよ~、大丈夫やって、って会話が聞こえてきそうや」
「何で男って女が嫌がる映画に連れて来ようとするわけ?」
「本気で嫌がってんのはお前だけやで」
「うそうそ~」
「ほんまやん、あれみんなブリッコやで」
「嘘やー」
「終わった後判るわ、立場逆転してっから!」
「あなたも逆転する?」
「それはない!」
「なんでよ」
「俺好きやもん」
「怖かったら泣いてもえぇねんで」
「その時は胸かしてもらうわ」


映画はグロさ満点でゲロのお釣が返ってきそうだった。
「おぃ、お前大丈夫か?」
彼が心配そうに声を掛けてくれる。
私は放心状態だ。
「吐きそう」
・・・私はまだ何も言っていない。
「見てみ、周りのカップル」
見渡すと、気持ち悪そうに胃をおさえた男をケラケラと笑う女達がいた。
「ほんまや・・・ってか、これが正常やって」
「確かにグロかったな」
「何が楽しいんだか」
「なんか食う?」
「それ、本気で言うてる?」
「・・・先に食っとけばよかったな」
「いや、食べてたらもう既に出てる」
「とりあえず、ドライブしようか」


彼と湖岸通りを夜風を受けながらドライブした。
私が何とか笑顔に戻った頃、彼は海岸通りに並ぶ公園の一つの駐車場に入り車を駐車し、目の前に広がる湖と向こう岸のネオンの夜景を眺めながら、彼と話をした。
「ごめんな」
「うぅん、もう大丈夫」
「ずっと会えんくて」
「え?!」
「お前に辛い想いさせてごめん」
「あぁ、うぅん。こうやって話してくれると安心する」
「今日も急やったし給料日前やし、こんなデートやし、グロイし」
「あはは、いいよ、一緒にいたいだけ」
「グロくても?なんか要望とかないん?」
「うーん、一緒に居れればどこでもいいねん」
「そっか」
「ウチの為に会いにきて欲しい」
「いつもそうやけど」
「それでも、何かの用のついでやと思ってしまうねん」
「ソフトとか入れてるしな。今度はお前の為だけに会いにくるよ」
「うん、ウチだけの為やで」
「あぁ」
「嬉しい」
「ラブホ行きたかった?」
「別に」
「俺はせのりに会ってビンビンやけどな」
「誰ともしてないの?」
「せのりだけや」
「そう。してあげようか」
「やれるもんなら」
「嘘、ごめんなさい」
「今度はちゃんとできたらえぇよな」
「うん」
「初めてん時はなんやいっぱいいっぱいやったし、それから全然やな。早くせのりと一つになりたい」
「恥ずかしいこと言うのな」
「合体したいのほうがよかった?」
「キモイわ~」
「お口でもやってもらいたいけど、それまで俺は我慢」
「我慢?」
「あぁ、勢いで夢精したらごめんやで」
「エッチな夢みて?」
「もう想像だけで出てまうかも」
「男って大変」
「女もあるやろ?一人でやってんの、お前」
「・・・ん?一人ではやってない」
「誰とやってんねん!」
「いや、そういうわけじゃないけど」

リョウの事を思い出したら、上手く嘘がつけなかった。

言わない方がいい、そう思ったけど、節々がおかしくなる。

「溜まったらやっちゃうよ」
「浮気するんか?」
「あなたに言われたくはないけどね」
「ま、何も言えんけど、やって欲しくないな~」
「もうやらないよ・・・。だから放っておかないで」
「もうって何やねん。そん時は一人でやってくれ」
「やだ!」
「なんで?」
「触って欲しいの」
そう言うと彼は襲いかかるように激しいキスをしてきた。
服の下に手をいれ、私の胸をキスとは逆に優しく包み込むように撫でた。
ブラを胸の下へとズラし、指で乳首を転がしながら、キスは激しさを増す。
・・・うぅん・・・。
私が声を漏らすと、彼は服から手を抜き、私の頭をポンと軽く叩き、「おしまい」と言ってにっこりと笑った。
「あんまりやると、せのりが欲しがるからな」
「気持ちいい」
「キスってそんなに感じる?」
「うん、下半身に繋がってるみたい」
「お前のおっぱいも大きいのに敏感よな」
「うん、気持ちいいよ」
「今度いっぱいしたるからな」

彼が気持ちいいと思った。

男には判らない感覚なのだろうか。

確かに、体を触られれば気持ちがいいし、テクニックだって必要だ。

だけど、好きな男にだけは秒殺なんだ。

男には判らないのかな・・・。


お互い日曜出勤で、私たちは深夜0時を境に家へと帰った。
彼が家へと帰るその時まで私は眠らずに彼を待つ。
<ただいま、ようやく家につきました>
<おかえり>
<ヤバイなー、お前があんなこと言うからまだ立ってるしな>
<ごめんなさい。やっぱりくわえた方がよかった?>
<えぇよ、そんなこと。それより、来週も会おうか!>
<来週もくるん?>
<うーん、日曜ソフトやけど、本当ついでじゃないから>
<いいよ、別に。いっぱい会えて嬉しい>
<ごめん>
<いいよ。でもお金ないんじゃないの?>
<そうやったぁ!>
<ウチ、おごる>
<切り詰めてみるわ。ラブホおごれよー!明日からまた頑張ろうな。久しぶりのせのり、可愛かったよ>
<うん、おやすみ>


私だけの為に・・・。
いいよとは言ったものの、少し残念だった。
だけど、私に会いに来てくれているのだと、少しだけ思えるようになった。
何故だか解からないけれど。

これが彼の愛し方なのだと頷いてみる。
それでも、私は「私だけの為」に執着している。

本の影響なのか、それとも元々あった感情なのか、今となってはよく判らない。
私だけの彼にしたい。



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コメント

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2 ■> miumiu-0302さん

だよね!!久々過ぎるよ!!
記事が調度1年遅れで日付が平行しているのだけど、私も1ヶ月ぶりの彼との会話ににやけてましたもん。
喧嘩してる間に季節変わっちゃいましたってね。
文庫、ピンと来ちゃいました!?
短編集で色んな恋に駄目女が登場するのでムカついたらり共感したり新たな発見があったりでおもしろいと思いますよ。あとがきもお薦めします♪
多分、すっごいイライラすると思うのでカルシウムいっぱい摂取してから読んでください(^ー^)b

1 ■こんばんは。

何か久々に彼とせのりさんの会話を
見て一人でニヤケてしまいました。
すいません・・・。
前記事の本、私も読んでみようと重いました!
またコメントさせてもらいます~☆

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