2005-06-06

42.どんな言葉が欲しい

テーマ:彼女じゃない恋愛

彼を思い出すたびに、「新しい恋、新しい恋」と繰り返し呪文のように唱えた。

催眠でもいい。

そうすべきだと思った。


相変わらず私は使わない携帯を持ち歩いている。

ちゃっかり彼用の着信メロディーも設定している。

彼の着信メロディーが鳴る周期は、徐々に縮まってきていた。

私が返事をしているからじゃない。

彼からのメールは、ずっとスルーだ。

返事もない相手に何故こんなにメールを彼は送り続けるのだろう。

私が呪文を唱える周期も当然縮まっている。


もう直ぐ彼の誕生日だ。

去年は彼の事を考える隙なんて一つもなかったのに。

考える時間があるというのは残酷だ。

もう私には関係のない日なのだから考えるのはよそう。

祝いたいなんて思うものか。


さぁ、もっともっと呪文を唱えなくては。


私という人間はかなりの頑固者だ。

これだけ催眠にかけようとしているのに、彼の誕生日をカウントダウンし始めている。

あと、1週間だ。

どうしよう。

どうしようではない、何もしないに限る。

この分からず屋の心をどうにかして欲しい。


そんな私を誘惑するかのように、彼の着信メロディーがなる。

本当に彼はタイミングが良いといつも思う。

メールだった。


<今夜か明日の夜空いてるか?>


急な誘いだった。

いつものように、「元気か?」なんてことを聞かれると思っていたのに、想定外の展開だ。

まさに、どうしようだ。

はぁ、私何悩んでるんだろう。

断ろう、ちゃんと断ろう。

私は、新しい恋をするんだ。


返事が出来なかった。

嘘はつけない。

だけど、これは嘘じゃない。

私は何を考えているんだ、本当に解からない。


次の日の夜、また彼からメールが来る。

<今夜遅い時間とか大丈夫か?>

なんだろう、大切な用事なのだろうか。

一瞬ぐらついた。

会ってもいいかなと思った。

だけど・・・。


<何か用?>

素っ気無いメールを送った。

用があるなら会おう。

うん、そうしよう。

これは会いたいとかではない。

そうしよう。

<無理やんね、ごめん。用はないよ。会って話したくて>

彼からのメールが胸に痛かった。

もしも、会っていたら「おめでとう」って言えたのに。

私馬鹿だ。

私も会って話したい。

私、彼の事まだ好き。

でも、駄目なんだ。

彼女のいる人は駄目なんだ。

会って話したいって言われて嬉しくなるのは、彼女のいない男の人なんだ。

彼女のいるバーテンダーの彼から、その言葉を貰っても全然嬉しくなんかない。


私は一体、彼に何を期待しているのだ。

用はなかった。

話すこともない。

これでよかったんだ。



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コメント

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3 ■> uraprdさん

明日・・・もう今日ですけど、記事にコメントしに行きますね。
TBでコメントなんて嬉しいです。

2 ■つか

ちょっと重くなってしまったかもしれない。
コメントに代えて。。

1 ■思うところあって

コメントしようと思ったけどたくさん書きたいことが出てきたのでTBにさせてもらいました☆

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