地方選挙を制するためのミニ講座

勝負の世界には、後悔も情けも同情もない。あるのは結果、それしかない。 (村山聖/将棋棋士)


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今日は自民党総裁選の告示日です。

野田聖子元総務会長が出馬し選挙になるのか、

あるいは安倍総裁の無投票再選かと、世論の注目を集めていましたが、
今朝早く、野田不出馬、安倍無投票再選の報が流れました。



誰が見ても端から勝ち目のない選挙。

それもたかが20人の推薦人を集めることに苦慮しているのに、

なぜ野田さんは出馬を画策するのか、騒ぎ立てるのか…、

単なる売名行為じゃないのかと、世論の反応も厳しいものの方が多いようですが、

皆さんはどう思われたでしょうか。



野田聖子さんと言えば、郵政民営化法案に反対票を投じたため、

平成17年の総選挙では自民党の公認を得られず、

「刺客・佐藤ゆかり」を送り込まれたという、修羅場を経験している人です。

また、不妊手術・高齢出産、こんにゃくゼリー問題、マルチ商法との関与等、

良くも悪くも注目され、全国に名の知れた政治家の一人です。

それだけに、世論の反応も人一倍厳しいのではないかと思われます。

一般人から見れば、

勝ち目のない選挙に時間を費やすことがもったいなく見えるでしょう。

反自民からは、「内輪もめ、党内の混乱」にしか見えないかもしれないし、

自民支持層からでも、政権の足を引っ張っているように見えてしまう。

結局野田氏のスタンドプレーだったということで決着し、
時間の経過とともに片づけられる一件かもしれません。



しかし私は、野田氏の昨夜までの行動は、決して無駄にはならないと考えます。



自民党の国会議員は98日現在で衆院289人 参院113人の計402人です。

そのうちの20人から推薦をもらうことが総裁選出馬の条件なのですが、

現在の自民党は党内の全派閥が安倍首相支持で固まっているはずです。
ですから402人中のたかが20人とはいっても、
ここには浮動票などはないし、
野田氏の推薦人になるということは、謀反者とレッテルを貼られる可能性もある。
つまり野田氏の力量と器量だけではどうにもならないことは明白です。
私は、だからこそ野田氏は行動を起こせたのではないかと思うのです。
仮に安倍総理の足元がぐらついているときに行動を起こせば、
党内の混乱に拍車をかけることになります。
その上推薦人が20に届かなければ、無用に騒いだということで責任を追及されたり、
追い込まれる立場に陥ることにもなりかねません。



では野田氏が立とうとした理由はなんなのでしょうか。

もちろんご本人に聞けるわけもないので私観ですが、
「党内の国会議員一人一人と相対して話ができる機会を創った」
ことではないかと、私は考えます。
そしてそのメリットはあったのではないかと思うのです。



とくに目上の長老で、党内でも力を持っている人と、相対で話せる機会など、

改まった席を設ける以外にはなかなか実現するものではありません。
相手が仮に、当選回数の少ない若手であってもいかんせん国会議員ですから、
いくらなんでも突然事務所にけしかけるのは非礼なことです。
ところが、選挙で選ばれた人種間であるが故、
選挙という非常時では何でも許されるという概念が、政治家にはあります。
巷での選挙同様に、議員会館の各事務所を個別訪問して回れるのは、
総裁選出馬に名乗りを上げたその人に許された特権だと思うのです。



その時野田氏がどんな話を説いて回ったかは知る由もありませんが、

ここで得た情報や、自分に対する評価を知ることは、

今後の野田氏の仕事を支える好材料になったと思います。

ポスト安倍を選択しなければならなくなる数年後には
重要な地位にいるかもしれませんし、
その時の働きによっては、将来要職を射止めることにもつながると思います。
逆に党内が割れるようなことがあったときにも、
敵味方を見抜いて、自身の身の振り方を整える判断材料が増えたと思います。
今回は選挙にはなりませんでしたが、
「立候補予定者」という身分をある意味まっとうし、あるいは利用し、
ご本人は満足しているのではないかと私は思います。



野田氏の経歴を調べてみると、8回総選挙で当選していますが、

岐阜県議を辞して最初に挑戦した衆院選では無所属で出馬、この時は落選しています。

そして郵政民営化法案に反対して無所属で立った総選挙には無所属で勝っています。

こんな経歴と今回の行動から、例え野田氏本人が自民党と反りあっても、

自分自身の脚で築いた、つまり党勢に頼らず、

有権者一人一人と本気で対峙することで築き上げた

野田氏の人生そのものを支えてくれる、
堅牢な後援会をもっている人であることが垣間見えます。
どんな危機をも乗り越える自信と、それを後押ししてくれる後援会があるから、

大胆な行動に出られたのではないでしょうか。



さて皆さんの選挙の場合の、特に最初の選挙の初動もそうですが、

後援会の核となる数人を集めることは簡単なようで大変なことです。

特に顔と名前の露出を厭わなく、かつ地域では信用があり、

後援会長だの選対本部長を引き受けてくれる人物を説得するのは、

本当に難儀なことであると思います。

でも、単に目の前の選挙だけを突破することだけではなく、
生涯政治家として生きていこうとの決心で選挙に臨むのであれば、
このプロセスは決して省略してはいけない重要課題です。
これを途中で放り出して、新興政党の風なんかを頼りに一回の選挙は勝てても、
次の選挙のときには党がなくなっているのが関の山。
党の消滅のパフォーマンスが悪ければ、

その党歴はあなたに一生付きまとう負の遺産になります。



自民党の総裁選と言えば、国のトップを争う選挙。

そんな選挙でも個別訪問に始まり個別訪問に終わるのです。

最近の私への相談や問い合わせの中には、

「個別訪問をやらなくても勝てる方法を…」と読める内容のものが多くなりました。
詳しく聞いてみると個別訪問が怖いので、それ以外のことは何でもやるから、
何か別のの戦法を教えて欲しいというわけです。


こういう人たちの本心は「自分に自信がない」んですね。
そして、自分が立候補する動機に正義がないことを自身がよく知っているのです。
だから演説で大衆に向かっては演説できても、相対で説くことが怖いのです。
「なぜあなたは立候補するのですか」と、一対一で詰められたときに
論破できる自信がないんですね。



しかし私は、選挙に出るという動機のほとんどに

崇高な正義など無いことを知っています。

選挙に出る動機は「議員になりたい」という出世欲だけでもいいと思います。

だけど推薦人20人を集めるというような、

地道な後援会の基礎を築く努力を欠いては絶対にいけません。
政治家と後援者はお互いの信頼の元、
議席を共有している意識が働いていることが望ましい関係です。
野々村竜太郎に見られるような、ああいう破廉恥ができるのは、
親代わりになれる堅い後援会がないからです。



田舎ではその土地に縁者のいないよそ者のことを「根っこがない」と言いますが、

都市圏でも後援会を持たない人というのは「根っこがない」人です。

美貌かパフォーマンスが効いているうちは23回当選できても、

後発にそれ以上が出てくると、もうその先はありません。



選挙とは元来、有権者が候補者をガリガリと研ぐことです。

個別訪問で痛い目に遭ったとしても犬に噛まれるくらいのものです。

むしろ訪問先で厳しい反応を受けた方が、あとでこちらに徳が積まれます。
厳しい追及を避けるのではなく、さあ研いでくれと石頭を差し出してみてください。
とげとげしい角が取れた頃、いつのまにか強い後援会が形になっているはずです。

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