宮城県内の名門県立男子高校が、県教育委員会が進める「 男女共学化 」に反旗を翻し、反対運動を行っている。県が進める男女共学化の背後には、宮城県知事を取り巻く男女共同参画社会推進派の思惑があるようだ。
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「男女共学化」に待った
仙台二高が一年延期 まず教育の在り方の論議を
完全実施急ぐ県教委 男女共同参画社会をもくろむ
宮城県で一大論争
宮城県教育委員会は、全県立高校を一律共学化する「県立高校将来構想」(平成十三年三月策定)を進めてきたが、県内トップクラスの男子進学校、仙台第二高等学校は先月末、平成十八年度から実施すると一年延期を決めた。将来構想変更の前例をつくった事実は大きく、いまだに共学化の具体的な時期すら決まっていない仙台一高、仙台三高、宮城一女、宮城二女の反対運動が盛り上がることは必至とみられる。(仙台支局・市原幸彦)
今回の決定は、二月中旬の県議会で、全県立高校の一律共学化の見直しに関する請願に対し、仙台二高共学化の一年延期などを求める付帯意見を付けて採択したことを考慮したもの。
この請願は昨年十月に、仙台一高、仙台二高、宮城三女の同窓会など八団体による「共学化凍結請願書連名連絡会」(代表、高橋正道・二高同窓会副会長)が提出。「県立高校の共学化には、関係者の十分な理解が得られていない」として、仙台二高を含む、県立高校の一律共学化推進の凍結を求めたものだ。
県議会は基本的にはこれを採択したものの、①将来構想の着実な推進を求める②二高共学化は一年延期して県教委と関係者の話し合いを求める――という付帯意見を付けた。
請願の趣旨と反対の付帯意見が付いたのは、県議会の会派内でも対応が割れ、談合的なものとなったためだ。請願団体は採択を一応評価するものの、付帯意見については「あくまで従属的なもの。もっと話し合いをすべきだ」としている。
しかし、県教委は請願の内容よりも付帯意見の方を重視。仙台二高の措置は例外であり二〇〇七年度以降に延期すべきでない、平成二十二年度まですべて共学化する将来構想には何ら変更がない、とあくまで強気だ。
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県教委は今後、新年度にも学校や同窓会、保護者代表らとの調整会議を設置し、話し合いを進めるが、白石晃教育長は「あくまでも共学化を前提とした話し合いとする。二高以外の同窓会と話し合う考えは今のところない」という姿勢だ。
これに対し、高橋正道氏は「共学校と別学校が共存する可能性を探るための話し合いにすべきだ。共学化の是非論には応じない、という立場は、同窓会として納得することはできない」と反発する。
宮城県の男女共学化の動きは、平成九年十一月、宮城県知事選直後から始まった。県教委は男女共同参画社会の理念を掲げ、共学化の方針を打ち出した。そして同年十二月、第四回県立高等学校組織編成部会で、仙台市内のトップクラスの男女別学校が問題視された。
その後、財団法人せんだい男女共同参画財団(遠藤恵子理事長、県男女共同参画審議会長)などの女性団体や、女性教師たちが浅野史郎知事と一体となって、男女共同参画や共学化関連の各種イベントを頻繁に開催。
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「知事のブレーンには審議会を中心に、フェミニズム思想の学者や女性活動家が固まっていて、県教委にプレッシャーをかけている」。一律共学化に異議を唱える宮城教育フォーラムの相沢裕行代表は、共学化推進の底流に、特定の思想に固まった知事ブレーンの存在を指摘する。
十一年七月に県は、男女共学化についてのアンケートを、中三、高一、保護者らを対象に実施。九月に「県民の六、七割が共学化賛成、一割程度反対」と新聞で発表。一律共学化への環境を整える一環といえるものだ。
この発表からわずか一カ月後、県教委は仙台圏高校に関する将来構想(素案)を発表。これに対し、相沢氏(仙台一高同窓生)はじめ、各男女別学校の保護者、同窓生らが、一律共学化反対運動を始めたのである。
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平成八年に県教委が行った調査では「男子校、女子校の存在に不満がある」と答えたのはわずかに4・6%。相沢氏によれば「十一年のアンケートは、県民を欺く恣意(しい)的なものだった」。
今回の県教委の対応に対しても「仙台二高だけに問題を矮小(わいしょう)化し、他の請願団体と切り離そうとしている。地元新聞も県教委の言うことを鵜(う)のみにして、二高問題ばかり取り上げている」と厳しく批判する。
他の別学校の在校生からも共学化に強い反対の声が上がっている。仙台一高の98%が、宮三女では実に99・8%の在校生が共学化に反対しているという。
仙台二高でも、非公式のアンケートで、八割近くが反対を表明。昨年十二月、仙台市内で、二千人が集まって開かれた「12・8 共学化問題大集会」(主催・共学化問題等連絡会議)では、一高、二高応援団の演武、宮三女の合唱で盛り上がり、仙台二高在校生による共学化反対の決議文の採択などがなされた。
相沢氏は「宮城県の学力、問題行動ともに全国で最悪の状態。共学化の論議より、教育全体をどうするかを考え直す方が重要なのではないか」と訴える。
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