2006年08月29日 15時15分13秒

イスラエル予備兵らが「レバノン戦争」調査要求

テーマ:国際―中東・アフリカ

失策認める参謀総長/準備不足で現場は混乱

有力紙「イスラエルに部分勝利は許されぬ」


 今回のレバノンでの戦争に従軍したイスラエルの予備兵たちが、エルサレムにある国会と首相府に近い公園の前に陣取り、政府と軍による戦争遂行が妥当なものだったか調査するよう要求した。


 当初、声を上げた兵士の数は多くはないが、任を解かれる予備兵が増えるにつれ、抗議に加わり嘆願書に署名する数は増えるだろう。またオルメルト首相率いる中道新党「カディマ」に属する議員を除いた外務国防委員会の委員たちは、最高裁判所長官が指名する司法調査委員会の設置を要求した。


 一九七三年の第四次中東戦争後には、同種の委員会が当時の参謀総長と軍司令官数人を解任した。政治指導者の責任追及が曖昧(あいまい)だ、との世論に押されて、ゴルダ・メイア首相とモシュ・ダヤン国防相も辞職に追い込まれた。


 八二年のレバノン侵攻後にも、同様の委員会がアリエル・シャロン国防相(当時、前首相)と数人の高官を辞任させた。そうした経緯があるため、オルメルト政権が対ヒズボラ戦闘を調査することに消極的なのは不思議ではない。


 批判の一部は、オルメルト首相とアミール・ペレツ国防相に向けられている。前政権の国防相を務めたシャウル・モファ運輸大臣も、ヒズボラがレバノン南部に大規模なミサイル基地や掩蔽壕(えんぺいごう)を建設したことを阻止できなかったとして、矢面に立たされそうだ。


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2006年02月13日 18時35分31秒

ハマスの勝利は平和への絶好のチャンスか-元英情報部高官が主張

テーマ:国際―中東・アフリカ

若手ファタハと協働関係-パレスチナ


 パレスチナのインティファーダ(民衆蜂起)終結の交渉をまとめた元英情報部高官は、私的な政策論文で、パレスチナ自治評議会選挙でのハマスの勝利は「永続的和解への最良の機会」だと主張している。(米UPI通信、二月二日付)

 先月末の選挙におけるハマスの勝利を予測した希少な一人で、現在ロンドンにある「紛争フォーラム」のディレクターを務めているアラスター・クルック氏は、ハマスは包括的なパレスチナ政治の回復を求めていると主張する。


 同氏は、「再び活気づいたパレスチナの政治組織は、やがてイスラエル人とパレスチナ人の政治的合意のための意外な窓口を提供するかもしれない。復活したパレスチナの政治指導者団との交渉に従事することは、イスラエルにとって一層困難かもしれない。だが、交渉の結果が、国民から権限を委ねられ、ほかの党派から支持された、規律正しい運動体によって実際に履行されると期待できることは永続的和解への最良の機会を提供する」と言う。


 クルック氏は、これはハマスとマルワン・バルグーティ氏が率いるより若い世代のファタハ武装勢力との間にインティファーダの間に培われた緊密な協働関係に基づいているからだ、と主張する。


 この関係は継続しており、パレスチナ政治の次の局面の鍵となるだろう。同氏は、「最近、ハマスのスポークスマンが一世代にわたるイスラエルとの相互的な完全暴力停止に合意する可能性を強調したが、それは長期間の平穏さの中で解決され得る、すべての未決着問題を処理するだろう」と述べた。


 同氏は、ハマスが心に描く交渉は(ハマスは既に、底辺の広いパレスチナ交渉団に参加する用意があると公言した)、一九六七年の占領地からのイスラエルの撤退およびエルサレムを首都とするパレスチナ人国家という基本から始まるだろうと示唆する。


 クルック氏は、インティファーダの際にパレスチナ人とイスラエル治安部隊の間の交渉において米中央情報局(CIA)長官ジョージ・テネット氏と共に働き、自らベツレヘムのキリスト聖誕教会の籠城(ろうじょう)終結の交渉をまとめた。また二〇〇三年六月にハマスおよびイスラム聖戦と直接交渉した。同氏は当時ハマス武装勢力を最もよく知っている西洋人の一人として、欧州連合(EU)のハビエ・ソラナ外交・安全保障上級代表の安全保障問題顧問に任命されていた。


 同氏は、「共通の停戦協定を見いだすために計画された、二〇〇二年と〇三年のカイロでのパレスチナ各派とエジプトのオマール・スレイマン大臣との交渉の間には、何も起こっているとは思えないほどの長い中断にしばしば困惑した」と書いている。同氏によると、「遅延の理由をハマス指導者たちに尋ねると、若いファタハのリーダー、バルグーティ氏の見解を待っているのだと言われた。当時バルグーティ氏はイスラエルの刑務所にいたので、パレスチナの新聞界でインティファーダの『エンジニア』と呼ばれていた同氏の見解がカイロに届くには少し時間がかかったのだ。ハマスが公式なファタハ代表団を放っておき、バルグーティ氏の意見を聞かずに先に進むのを拒絶するほど同氏の見解を尊重していたというのは印象的だ」


 クルック氏は、「ラマラの予備選挙で圧勝し、ファタハの候補者リストの最初に挙げられたのは、もちろんまだ刑務所にいるバルグーティ氏だ。ハマスとバルグーティ氏との間の互いに尊重し合う近しい関係は、インティファーダ以前から根づいている。私が知る限り、どちらも相手に事前に通知せずに重要な政策声明を出したことはない。……若手のファタハとハマスの間のこの強い結び付きは、まだ続いている。


 一方、ファタハの若い世代とチュニス亡命者を中心とする『保守派』指導部との関係は、反抗とあからさまな敵意に近い。最近のファタハ予備選挙の結果はこの関係を悪化させた。予備選挙は拘束力がなく、保守派は新しい世代が圧勝するのを見て、公式な候補者リスト作成の際にその結果を全く無視した。しかしバルグーティ氏の名はリストの先頭に挙げざるを得なかった。保守派が、自らを権力から一掃するような真の予備選挙の手続きを開始することを恐れたことは明らかだった」と述べる。


 クルック氏によれば、西欧諸国はハマスとファタハをライバルと考え、ファタハは議会選挙を若手候補者の流入によって復興しハマスの挑戦を撃退しようと苦闘していたと見なす傾向があったが、これは二つの点で間違っている。


 同氏は、「ファタハの若い世代の多くは、政治的にファタハ自身の指導者よりはハマスと近い。今回の選挙は、もし当選者たちが思い通りにできるならば、オスロ合意で凝り固まった一九九三年時の分裂よりはむしろ真の国家的まとまりへ向かう一歩であり得る。パレスチナ人による自らの抱負と目的の真に大衆レベルでの確認が、暴力の規模を縮小し何らかの永続する政治的解決に基盤を与えるための唯一の道であることは何年も前から明らかだ」と書いている。


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2005年12月15日 15時41分13秒

チョッと変!イラン大統領問題発言―専門家に聞く

テーマ:国際―中東・アフリカ

外交ゲームの新たなステップ
アハマディネジャド・イラン大統領の問題発言
エジプト・カイロのアインシャムス大学教授 モハンメド・アブデルモネン氏に聞く
外交関係再構築試み/大統領の性格は革命の結果


 イランのアハマディネジャド大統領がこのところ「イランはアラブ諸国に核技術を移転する用意がある」「イスラエルは地図から抹消すべきだ」などの発言をし、国際社会からの反発を引き起こしている。エジプト・カイロのアインシャムス大学教授で、同大学中東調査会イラン研究部長のモハンメド・サイード・アブデルモネン氏に、こうした発言の背景などについて聞いた。(聞き手=カイロ・鈴木眞吉)


 ――アハマディネジャド・イラン大統領の発言が国際社会の反発を呼んでいるが、あなたはどう考えるか。


 彼の演説の背後関係を考えれば、分析は難しいことではない。まずは、彼の演説が「シオニズム無き世界」というタイトルの大会の場で語られたことだ。地方の人々に、彼自身がハメネイ前大統領やホメイニ師の追随者であることを知らせることを目的として語ったのであり、そのために「イスラエルは地図から抹消されるべきだ」とのホメイニ師の有名な言葉を語ったのだ。


 次に、演説はハリリ・レバノン前首相の暗殺事件を調査する国連独立調査委員会のメーリス委員長が報告書を作成し、国連安保理に提出することを決断した後に語られたもので、その発言によって国際社会の関心を引き付け、シリアへの圧力を軽減させることにあった。また、パレスチナのインティファーダ(反イスラエル闘争)に対するイスラエルの暗殺政策遂行に対する挑発的な発言でもあった。


 一方、イランは、核問題についての協議再開を欲していたが、欧州側が返答を遅らせていたので、アハマディネジャド氏は、イスラム諸国に核技術を移転するという脅しを掛けることで、欧州側に対話再開への圧力を掛ける意図があった。さらに、アハマディネジャド氏は、核問題についての詳しいノウハウを所持していると表明することを通して、イランの軍事力の程をほのめかしたのだ。


 結論として、アハマディネジャド氏の発言は、イランが、西側およびイスラエルに対するゲームの、新たなもう一つのステップだったと言える。


 ――ほとんどの国々が反発しただけでなく、イランの最高指導者ハメネイ師も彼の発言を批判したとされる。アハマディネジャド氏はこれらの発言によって、大統領職を失う可能性はないのか。


 この無責任な発言故に、多くのイランの反体制的・改革派の新聞がアハマディネジャド体制の不適当さを批判した。激しい反動があったが、ハメネイ師は間もなく、それらのメディアに対し行動を起こし、早い段階でアハマディネジャド批判のキャンペーンをストップさせた。従って、アハマディネジャド氏はもう一度政権を掌握することができたのだ。


 ――ある政治指導者は、アハマディネジャド氏は典型的な過激主義者であり、常識もない人物だと語っているが。


 これは、イラン人の性格あるいはシーア派の信仰を十分に理解していないことからくる表現だと思う。アハマディネジャド氏の性格は、イランの統治システムと同様、革命の結果として存在するものだからだ。最近の統治システムを誕生させた環境は、愛国心や民族主義、自己依存、力の誇示などをつくり上げた。アハマディネジャド氏の性格は、これらの性格を含んでいる。イラン人の観点からすれば、これは批判されるべきものではない。


 革命後のイラン政府による発展の達成が、指導者にプライドと優越感を与えたともいえる。これが愛国的発言となって表れたのだ。


 シーア派の信仰について言えば、それは「タケイヤ」原則を深化させ強化したものだ。これはイラン人の性格が個人の真の感情を表現するのではなく、むしろ反対を表現するということだ。これがアハマディネジャド氏の行動にも出ている。彼は根本主義者あるいは過激主義者のように見えるが、イラン外交政策チームが米国と共に働くことを許したし、米国人がイランの核プログラムに参加するように招待した。アハマディネジャド氏は、他国との外交関係を再構築しようと試みている。外交チームは、イランのイメージを改善しようと努力している。


 結論として、アハマディネジャド氏は、イラン・イラク戦争のヒーローであり、彼は国民の目にヒーローであり続けたいと考えている。これが、革命的なスピーチを述べる理由だ。


 彼が政権を掌握してから最初の百二十日間で、彼はイラン国民の信頼を勝ち取り、議会を全体的にイラン革命時に変化させることに挑戦した。彼は論客を閣僚に任命した。代表的なのは、石油相を三度指名したが三度とも否決されたことだ(四度目の指名者が承認された)。このことはアハマディネジャド氏が、統治システムをリードしようとしていることを表している。


注・タケイヤ=イラン人の独特の思考形式で、自分が心の中に考えていることをそのまま表現しないという考え方。

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2005年12月08日 16時21分20秒

レバノンのハリリ元首相暗殺事件解明、その真相や如何に?

テーマ:国際―中東・アフリカ

「アルハヤト」紙 政治担当論説委員、ザキ・シャハブ氏に聞く
独立調査委が聴取開始
レバノンのハリリ元首相暗殺事件解明の第一歩
国民はシリアとの良好な関係望む―急速な変化は期待薄


 レバノンのハリリ元首相の暗殺事件を調査する国連独立調査委員会(委員長=メーリス独検察庁検事)は五日、ウィーンで五人のシリア容疑者の聴取を開始した。同委員会が今月中旬に国連安保理に提出する最終調査報告の内容次第で、シリアのアサド政権が大きく震撼(しんかん)することが予想される。そこでウィーン訪問中のロンドン発行アラブ語紙「アルハヤト」の政治担当論説委員、ザキ・シャハブ氏にハリリ事件調査の行方とレバノン情勢などについて聞いた。(聞き手=ウィーン小川敏)

 ――国連独立調査委員会の行方をどう予想しているか。

 シリア当局と独立調査委のメーリス委員長間の厳しい交渉の末、ウィーンの聴取が実現した。シリア当局は関係者が国外で尋問を受けることを拒否してきたが、サウジアラビアの調停の結果、ウィーンの国連内で尋問が実現した。独立調査委は今月中旬、ハリリ暗殺事件の最終調査報告を安保理に提出することになっている。


 ――最終調査報告がアサド政権を震撼させる内容となる可能性がささやかれだした。

 調査委員会が十月、安保理に提出した報告は多くの疑惑を浮き彫りにした。シリア高官の名前も出てきたからだ。調査委はシリア高官がハリリ暗殺計画に直接関与していたかどうかという、非常に微妙な問題を明確にしなければならない。誰が暗殺事件の責任者かを断定することは時期尚早だ。しかし、ウィーンの聴取はその第一歩となることは間違いない。


 ――事件解明までには時間がかなり必要ではないか。

 調査期間を今年末から半年間延期することで既に合意がなされている。メーリス委員長は今年末で切れる任期の延期には消極的だ。しかし、多くの関係国はメーリス委員長の仕事を評価、任期の延期を説得中だ。メーリス委員長が担当するかどうかは別として、国連調査委員会はハリリ暗殺事件の全容解明を行わなければならない。


 ――ハリリ元首相の暗殺事件はレバノンにどのようなインパクトがあったか。

 大きなインパクトを与えたことは間違いない。ハリリ氏は世界の指導者と強いつながりを持ち、レバノン経済の原動力であり、信頼性のシンボルだったからだ。長い内戦からレバノンを復興させた政治家でもあった。それだけに、ハリリ氏の暗殺を知った国民は大きなショックに陥った。同時に、誰がハリリ暗殺を実施したかに強い関心があるのだ。


 ――レバノン国内では親シリアと反シリアで世論が分裂しているとも聞く。

 レバノンとシリアは隣国関係だ。ハリリ氏はシリア軍の撤退直後、シリア軍の駐留は間違いであったが、両国は相互に必要としている関係だと述べている。結婚などの家庭交流、人的交流、経済・社会関係は深い。大多数のレバノン国民はシリアの影響を受けない独立国家を願うと同時に、シリアとは良好関係を維持したいと願っているはずだ。


 ――米国はイスラム過激派テロリストがシリア経由でイラクに侵入しているとして、アサド政権を批判すると同時に、シリアの民主化を要求している。

 シリアの政情が急速に変化するとは予想できない。シリア国内には強い反体制派グループが存在しないからだ。一方、米国はイラクに全力投入しており、シリアに軍事行動をする余裕はない。シリア経由でテロリストがイラクに侵入しているというのは過剰報道だ。イラクのテロリストが行ったヨルダンの自爆テロ事件を想起すれば理解できることだ。イラクは外国にテロリストを送る能力すら持っている。外国からテロリストをイラクに送る必要などはない。参考までにいえば、イラク問題の解決の道は主要なスンニ派指導者を政治プロセスに参画させることだ。


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2005年10月05日 19時02分29秒

イラン核問題―中国もイランを見限ったのか?

テーマ:国際―中東・アフリカ

次期理事会でイラン核問題の安保理付託も」―駐IAEA中国大使

 【ウィーン4日小川敏】

駐ウィーン国際機関中国政府代表部の張全権大使はこのほど本紙との会見に応じ、「イランが対応を変えない限り、国際原子力機関(IAEA)の次回定例理事会(十一月開催)で国連安保理事会付託を回避することは難しくなる」と述べた。親イラン派の中国高官がイランの核問題の安保理付託の可能性を示唆したのは今回が初めて。

 IAEA定例理事会は先月、イラン問題を安保理へ付託する可能性を明記した決議を採決したが、原油をイランに大きく依存する中国は、ロシアとともに棄権に回った。同大使は「このままの状況が続けば、イランにとって良くないだろう」と述べ、イランに譲歩を強く求めた。


 その上で、「理事会まであと数週間しかない。理事国(三十五カ国)間で非公式協議を重ねて理事会のコンセンサスを構築していかなければならない」と語った。


 イランは八月、英仏独の欧州三国との交渉で停止合意していたイスファハンのウラン転換作業を再開。それを受け、欧米側が「イランはIAEAとの間で締結した核保障措置協定に違反している」として、イラン問題の安保理付託を要求している。


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2005年10月01日 16時57分56秒

イラクで内戦勃発!?

テーマ:国際―中東・アフリカ

イラク情勢/現実味帯びる大規模内戦

スンニ派反乱軍対シーア派民兵
治安機関に根張る敵性分子


 イラク第二の都市バスラの警察署長として五月から務めているハッサン・サワディ将軍の表現によれば、部下の警察官四人のうち忠誠を当てにできるのは一人だけ、他の三人の忠義心はシーア派の民兵組織、例えばバドル旅団、マハディ軍、それに南部湿地帯を拠点としてイランの影響が強いイラク・ヒズボラ等に向けられている。サワディ将軍の前任者も、部下の半分はさまざまな政党で内職をし、中には「暗殺を手助けする者までいた」と指摘したものだ。


 米国CIA(中央情報局)の監督指導を受けて新たに設立されたイラクの情報機関から、軍隊や警察、さらには国防省や内務省まで、所属する兵士や職員の中に「敵性分子」がひそかに根を張り巡らしてしまった。その背景には、サダム・フセイン体制の下で秘密警察と情報機関を一緒にしたような「ムハバラート」に従事していた約五万人の男女の大半が、米軍によるイラク解放の直後に行方をくらましてしまった事実があり、多くはスンニ派の反乱勢力と結託しているとみられる。


 シーア派の勢力には、例えばバドル旅団は一万二千人以上の兵員を抱え、シーア派の政党であるイラク・イスラム革命最高会議(SCIRI)の軍事部門だ。SCIRIの指導者の多くはイラン亡命中に、イランの革命防衛隊から資金を供与されていた。


 バドル旅団のライバルであるマハディ軍は、過激な宗教指導者ムクタダ・アル・サドル師が、不信仰者の米国と闘うためには、信仰に根差す新たな軍事力が必要だと説いて設立した。今や一万人の兵力を擁するが、同軍は一年前、中部の聖地ナジャフと、バグダッド郊外のサドルシティで、米軍相手に熾烈(しれつ)な戦闘を演じた。その後は休戦状態が維持されてきたが、最近、サドル配下の武装集団がイラク正規軍を待ち伏せ攻撃し、米国軍の新たな介入を引き起こした。


 バドル旅団、マハディ軍という二つのシーア派民兵組織は装備が行き届き、ロケット臼砲(きゅうほう)、迫撃砲、重火器や、お決まりのカラシニコフ・ライフル等を保有しているし、よく訓練されている。先ごろバスラで発生した英国軍とマハディ軍の衝突は、イラク中央政府が南部の親イラン系の軍事・宗教指導者たちを掌握できていない事実を如実に物語っている。多くの報道が、シーア派勢力はスンニ派反乱勢力の宣戦布告にもかかわらず「注目すべき自制力」を示している、と報じてきた。しかし「実のところ、すでに内戦が進行中だ」とイラク出身で大手国際企業の会長を務める人物は指摘した。


 イラクのジャラール・タラバニ大統領は、クルド人を代表する二人の指導者の一人だが、スンニ派の反乱に対抗するには、クルド人とシーア派住民による軍事組織を強化すべきだと考えている。「国の治安部隊が反乱鎮圧の訓練を終えるのを待っていれば、その間に反乱勢力は力を強めるだろう」(同大統領)。同時に、これは双方に外国からの志願兵が群がってきて、全面的な内戦状態に入ることでもある。


 バスラの大学教授(複数)はマスコミとの非公式のやりとりの中で、「シーア派南部の分離は、荒唐無稽(むけい)なシナリオではない」と指摘した。南部にはイラク人口の過半数が居住し、同国の石油確認埋蔵量の70%がある。いわばクウェート並みの規模は小さいが豊かで自足できる国を誕生させることは可能なのだ。


「近隣諸国巻き込む」とサウジが警告

 エジプトのホスニ・ムバラク大統領は最近、接見した米国国会議員に対して、「米国では彼らを反乱兵と呼んでいるが、彼らは元イラク正規軍の兵士たちであって、われわれ皆の忠告を無視して米国が解雇してしまった連中なのだ」と批判した。


 ヨルダンのアブドラ国王はイスラム世界の穏健化を志向し、イスラム、ユダヤ教、キリスト教の和解のための世界的なキャンペーンに取り組んでいる。しかしイラク問題のおかげで、なかなか一歩が踏み出せないようだ。


 サウジアラビアのアブドラ国王もサウド・アル・ファイサル外相を米国に送って、警鐘を鳴らしている。ファイサル外相は報道陣に、「イラクが分裂の方向に走っており、内戦から近隣諸国を巻き込んだ地域紛争に発展しかねない」と指摘した。さらに天然資源をめぐる利害衝突が近隣国を、より大きな戦争に駆り立てる可能性もあると警告した。イラクの近隣とはクウェート、サウジアラビア、ヨルダン、シリア、トルコそしてイランの六カ国だ。


 米政府は「イラクをあきらめない」と呪文(じゅもん)のように唱えている。しかしブッシュ支持者の中でも、戦争遂行に不安を募らせ始めた。ブレア英首相の前イラク特使ジェレミ・グリーンストック卿は言う、「イラクが地域閥や民兵組織のモザイクに分解しようとするのは、住民が安全保障を求める性(さが)によるものだが、そうした傾向が顕著になったら、有志連合はイラク駐留を再考すべきだ」。英国人特有の控えめな言い回しをはいでしまえば、グリーンストック卿が言わんとするのは、「船が沈み始めたら救命ボートを使うべきだ」という意味だ。


アルノー・ド・ボルシュグラーブ(UPI特別編集委員)


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2005年05月05日 17時52分25秒

アラブ諸国に広がるテロ思想の背景とは?ー自爆テロの容認

テーマ:国際―中東・アフリカ

拡大するテロ容認思想―アラブ諸国
源流は故アラファト氏に
問われる政治・宗教指導者の責任

 エジプトの首都カイロで四月三十日午後に発生した自爆テロと銃撃事件は、観光業を基幹産業の一つとするエジプト政府および観光業界に衝撃を与えるとともに、国民に対しても、テロによる脅威が身近になった現実を認識させている。(カイロ・鈴木眞吉)


 エジプト内務省は同日、同事件の犯人らは、四月七日にカイロにある外国人向け土産物屋が並ぶ有名商店街ハンハリーリで発生した自爆テロ事件(フランス人二人と米国人一人が死亡)の関係者で、治安組織の追及に耐えかね、苦し紛れに起こした事件とした。それが事実とすれば、自爆や爆弾テロをお家芸としてきた、国際テロ組織アルカイダやパレスチナ過激派などの世界中のイスラム教根本主義過激派組織がまき散らした「テロリズム」が、一般国民の中にも思想や宗教理念として浸透していることを示している。何かがあるとすぐ自爆や銃乱射をするという暴力に対するマヒ状態がここではみられる。


 米国務省は四月二十七日、二〇〇四年の国際テロに関する年次報告書の中で、アルカイダの反米・反西洋思想が他の組織や各地に拡大している」と指摘した。事実、パレスチナやエジプトを含むアラブ・イスラム諸国の一般国民も、全員ではないものの大概は反米・反西洋的で、投石はもちろんのこと、自爆は正当防衛の一手段と位置付け、「テロ」や「暴力」と認識することがない。


 それを、当地のマスコミ関係者が、新聞やテレビを通じて大々的に正当化しているのが現状で、国際常識からすればかなりの異常だ。


 ムバラク・エジプト大統領が自爆を含むあらゆる暴力を初めて否定したのは、ブッシュ米大統領と首脳会談をした数年前だ。アナン国連事務総長が自爆をテロと言明したのはなんと今年に入ってからだ。


 それに対して、イスラム教スンニ派の総本山アズハルのタンタウィ総長は、いまだに自爆を条件付きながら容認している。イスラム教の中にある聖戦思想が、自爆の善悪を曖昧(あいまい)にしている。


 テロリズムの源流をどこに求めるかは各種説が分かれるところだが、近現代においては、故アラファト・パレスチナ自治政府前議長もその重要な一人に数えられている。アラファト議長は一九六九年からパレスチナ解放機構(PLO)議長となり、七〇年代前半、パレスチナ・ゲリラによるテロ事件を頻発させた。航空機のハイジャックや、ミュンヘン・オリンピック選手村襲撃事件(イスラエル選手十一人死亡)などを含め、六八年から八八年の二十年間でパレスチナゲリラが起こした国際テロ事件は五百六十五件とされる。


 テロの効果を実証した最初の人物がアラファト氏だと言われるゆえんだ。PLOはそもそも、六四年の第一回アラブ首脳会議で組織されている。


 アラブ各国指導者は、自国の内政問題を外に向けられる理由もあってパレスチナ問題を政治利用したことから、反イスラエル・反米思想が拡大、テロ容認、テロ支援の思想が国民の間に定着していく。


 アラブ・イスラム諸国民にテロ容認思想が拡大する要因のもう一つは、正統政権がないことだ。欧米など民主主義国家においては、民主的な選挙で選出されたことをもって政権の正当性を得ているが、アラブ・イスラム諸国では一部の国家を除きそのほとんどが、民主的な選挙を経ないで確立した政権であることから、公権力と私的権力(テロの原点)の区別ができない。中東地域に民主主義が確立されることが願われる理由の一つがそこにある。


 聖戦思想に裏付けられた自爆や爆弾テロなどの正当化は、人命軽視と世界中の人々の悲劇を拡大し続けており、故アラファト氏やアラブ諸国指導者、イスラム教指導者、国連などの責任が問われている。

 
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2005年03月20日 17時13分14秒

ザルカウイ氏は、どこへ消えた?

テーマ:国際―中東・アフリカ
ザルカウィ捕獲失敗で新事実

 米情報当局者は、イラクのアルカイダ系テロリスト、アブムサブ・ザルカウィの拘束があと一歩で成功しなかったことについて、新しい事実を明らかにした。
 イラク軍と米軍は二月二十日、バグダッド西部を移動中の車両を捜索した。しかし、幸運か裏切りからか、何らかの理由でザルカウィは拘束を免れた。側近の二人、アブ・クタイバと運転手は拘束された。情報機関員らは、停止させた車にザルカウィがいないことが分かり、動揺したという。

 この捜索の後、無人偵察機プレデターの上空からの映像を詳細にチェックしたところ、車が停止させられる前にバンの後部から人が飛び出し、道路脇を転がるのが映っていた。情報当局では、これがザルカウィだったとみている。

 しかし、この車両が特定できたことは、大きな収穫とみられ、ザルカウィの拘束は間近だとの見方が強まっている。


イラクのイラン人

 米情報当局者らがワシントン・タイムズ紙に明らかにしたところによると、イランは約二百人の情報機関員とイスラム革命防衛隊の隊員をイラクに送り込んでいる。

 このイラン人は、ただイラン政府のためにスパイ活動をしているだけでない。イラクからの情報によると、イラク政府、米軍、連合軍に関する情報を武装勢力に渡しているという。

 イラン情報機関員は、イラン情報省の一員であり、同省は長い間、国際テロリスト、特にレバノンのヒズボラとパレスチナ人テロリストを支援してきた。革命防衛隊員は、悪名高いクッズ軍のメンバーだ。クッズ軍は、外国人テロリストの訓練とイランのイスラム過激主義の輸出のために使われてきた。

 武装勢力とイランとの協力は、イラクの安定のために働いている米国防総省とイラクの軍人、民間人にとって新しい懸念材料となっている。

(三月十八日)

(ビル・ガーツ&ロワン・スカーボロー)

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2005年02月09日 14時40分38秒

遅れるイラク治安部隊の育成

テーマ:国際―中東・アフリカ
イラクでのテロは、全く留まるところを知らない。無事選挙は終わったとはいえ、即これが国家の安定につながるとは言い難いのが、現状だ。既に米軍兵士の死者も1400名を超えたそうだ。これも何とも痛ましい現状だ。

こうした中、1日も早いイラクの国家安定のためにも、イラク自体の治安部隊育成が急務となっている。

しかし、ココにもシーア派、スンニ派の対立関係があり、結束はなかなか難しいようだ。
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実戦可能な要員は1万人程度
「質」「量」ともに未熟、士気の低下も
スンニ派の割合増加がカギ


米政府、長期化を覚悟

 イラク国民議会選挙が一定の成功を収めたことを受け、今後一段と重要になってくるのがイラク治安部隊の育成・強化だ。米軍を中心とした多国籍軍が担っている治安維持任務をイラク人に段階的に引き渡していかなければ、米軍の具体的な「出口戦略」も見えてこない。だが、イラク治安部隊は「質」「量」とも未熟で、独り立ちするにはまだまだ時間がかかるものとみられる。(ワシントン・早川俊行)

 「最終的には、イラク人が自分たちの国を守れるようにならなければならない」――。ブッシュ米大統領は二日の一般教書演説で、選挙後のイラク情勢は「新たな局面」に入ったとした上で、今後は「能力のあるイラク治安部隊の育成に焦点を置く」と強調した。

 イラクでの米兵の死者は千四百人を超え、月々の米軍駐留経費四十八億㌦(約五千億円)も重い負担になっている。米国の負担を軽減し、不透明な先行きに道筋を付けるためにも、治安部隊の養成がイラク政策の最優先課題の一つであることは間違いない。

 イラク暫定政府は、軍、警察、国境警備隊などの治安部隊を計二十七万人にまで増やすことを目標としており、米軍が要員の訓練を急ピッチで進めている。だが、米政府が「訓練済み」とする要員数と、実際に治安任務を遂行できる数には大きな開きがあるようだ。

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2005年02月01日 17時14分04秒

中東衛星テレビ、アルジャジーラが売却!?

テーマ:国際―中東・アフリカ
アルジャジーラと言えば、中東地域を代表する衛星テレビだが、これが米国の圧力によって売却される可能性あり、という報道だ。
これまでテロ組織の代弁者というイメージがあったが、本当だろうか?



カタール、アルジャジーラの売却を検討

 ロンドン発行のアラビア語紙アルハヤトは三十一日、カタール政府は、同国の衛星テレビ局アルジャジーラを売却することを検討している、と報じた。
 
報道によると、売却検討の理由は、湾岸諸国にとって死活的に重要な同盟国である米国の要望を受け入れるためという。

 カタールやバーレーン、クウェートなど湾岸諸国の小国家は、軍事や政治・経済面で米国の強力な支援を受けており、米国との関係をギクシャクさせてまで衛星放送を続ける利点があるかどうかが検討されてきたようだ。

 カタール政府高官は、米国がアルジャジーラを早期に売却するよう圧力を掛けていると語った。この高官は同時に、ブッシュ政権の高官の中には、同局が民間に売却された場合、現在のアルジャジーラよりさらに悪くなるとみている人がいるとも語った。

 アラブ諸国の間では、アラブ側の視点からの報道がなされているとして最も人気のあるチャンネルの一つになっている。
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