A-304 地中海
Ａ－３０４ 地中海 Ｈ．２５×Ｗ．２５×Ｄ．１４ｃｍ （オルセー美術館他 １９０２～５年頃）
マイヨール（１８６１-１９４４年）は、当初は画家を目指してパリのボザールで学び、その後はタピストリーや絨毯の工房を営んでいましたが、４０歳頃から彫刻作品に取り組み始めます
１９０２年に開催された初の個展に出品した「レダ」は、ロダンから絶賛され、以降マイヨールは彫刻家の道を歩むことになりました
そして、１９０５年のサロン・ドートンヌに出品されたのがこの「地中海」という作品で、高い評価を得ることとなりました
当時の彫刻界で大きな影響力を持っていたロダンが”感情”や”動き”をその作品に込めたのに対して、マイヨール作品は静謐な量感に満ちています
展覧会でこの作品と出会ったアンドレ・ジードは、「～その像は素晴らしい。何も意味してはいない、沈黙の作品である～」と絶賛しました
２０世紀は様々な芸術分野で抽象化が進展した時代でしたが、彫刻分野でそれを実践した一人がマイヨールだったと言えるでしょう
オルセー美術館収蔵 「地中海」 １９０５年 巨大な大理石製
オランダ・ロッテルダムの美術館 ブロンズ製の「地中海」
パリ・チュイルリー公園内 ブロンズ製の「地中海」
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