元日の社説比較③ 産経新聞

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<産経社説>「年のはじめに 覚悟と決意の成熟社会に」

以下、要約です。

「戦後70年、21世紀に入ってから15年を迎える今、この世紀をどう生きるかについて、転換期の日本こそ明快な回答を迫られている。

戦後の復興から高度成長を経て、成熟期に入った日本に必要なキーワードは、「自立と自助」である。言い換えれば、「覚悟と決意」である。成熟社会においては、不利を避け、メリットだけを享受することは難しい。依存心があっては難問を解決することはできない。

覚悟と決意を要する具体例とは、国民にとっては「税と社会保障」の問題であり、国家にとっては「中韓露との外交関係」「北朝鮮の核開発・拉致」問題であるが、既得権にしがみついてきた政治家はもとより、迎合記事を書き続けてきたメディアにおいても、覚悟と決意を持たなければならない。

依存心を遡れば、結局憲法前文に行き着く。「自立と自助の国」をめざすためには、憲法改正をしなければならない。安倍首相は憲法改正について以前より慎重になっているが、決断を後押しできるよう、国民もともに考え、後押しをしていくような一年であってほしい。」

・・・

憲法改正の必要性を訴えているのは産経新聞だけであり、日米安保に安住してはいけないという国防面における提言は産経らしい気概を感じ、大いに共感する。


一方で、国民に求められる「覚悟と決意」が、税と社会保障の一体改革を進める程度のレベルで本当にいいのか?という疑問が浮かんでくる。

もうひとつ言えば、「日本は成熟期」という定義も今ひとつ同意できない。確かに文化的には世界で類を見ないほどの成熟度だと言えるが、経済の面で言えば、まだまだチャレンジの余地はあるのではないだろうか。

産経新聞なら、「成熟社会などと言っている場合ではない!中国からGDP第二位を奪還せよ!政府は規制緩和と自由化を徹底して、『自由の大国』として全体主義国に打ち勝て!」などと発信して、国民や政府を鼓舞するような気概を見せて欲しいところだ。

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たった5分でも

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菓子袋をひとつ平らげる。


風呂を掃除する。


本を数ページ読み進める。


今日あったことを振り返る。


誰かに感謝する。


・・・


たった五分でも、使いようによっては時間の浪費にも投資にもなる。


まずは、めんどくさい。と思うことをやめること。


一日一日を、積み重ねていこう。

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元日の社説比較② 日経新聞

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新年いかがお過ごしでしょうか。元旦社説比較第二弾をお届けいたします。


<日経社説>「戦後70年の統治のかたちづくりを」

今年は戦後70周年に当たるだけでなく、自民党結党60周年、日韓国交回復50周年など、様々な節目でもある。社説は、国の内外で起こる様々な秩序変動を概観し、現代にふさわしい「合意形成」のあり方を模索するよう提案する。

また、憲法改正を射程に入れつつある安倍政権に対し、「歴史問題」に配慮した談話を発表するよう求めつつ、朝河貫一氏の言辞を引用して「反省力」を磨くよう国民に訴えている。

・・・

日経新聞の社説を一読して感じることは、G0(Gゼロ)化し、変動する国際情勢と、憲法改正を現実に視野に入れつつある国内政治情勢に対する当惑の感である。

米国の軍事予算削減、中露の台頭、日本の集団的自衛権の限定的行使容認、アジア諸国の軍事予算増額と言った一連の出来事は、国際情勢が一国の「覇権国」を中心に動かされていた時代から、いくつかの「大国」同士がしのぎを削る、バランス・オブ・パワーの時代が到来したことを意味している。

社説では、このような国際情勢にあって、米国を中心としてG7の存在感を高めた上で、中国を含んだ新興国参加型の合意形成の仕組みを作るだと提案する。

民主主義、自由主義、市場経済という理念を共有し、経済・金融・軍事的にも未だ世界をリードする米国を軸にして国際新秩序形成に向けた努力をすることは、的を得た提案だといえる。しかし、その秩序形成の中で、日本がどのようにリーダーシップを発揮すべきかという姿は残念ながら見えてこない。

「中国を排除した世界はもはやありえない」と言うのと同じ以上に、「日本が何も主体性を発揮しない世界もありえない」ということも肝に銘じておくべきではないか。中国や北朝鮮の軍拡がアジアの驚異となっている点など、批判すべきは批判し、改善を求めるべきである。

・・・

社説で引用された朝河氏は、日露戦争後の日本に対する国際世論分析とともに、米国の政治情勢分析について大きな功績を残した方である。

故・岡崎久彦氏も米国分析の重要性を訴えておられたが、戦前の日本の「誤ち」とは、外国、特に米国研究を怠り、異文化を理解するとともに、異文化に対する情報発信の重要性を看過した点にあると言って過言ではない。

思えば、明治日本の偉人たちは、よく海外を見聞して外国の立ち位置を研究し、祖国の立場をよく訴えた。それが明治期における発展の原動力だった。

現代において、日本が来る国際新秩序の中でリーダーシップを発揮する条件があるとしたら、それは「世界への責任感」ではないだろうか。戦前のそれは、「欧米の人種差別的植民地の解放」であった。

現代では、中国の「遅れてきた覇権主義」を封じ、人権状況を改善させること。さらには欧米と中東の「宗教文明」の対立や、旧ソ連圏とNATO圏の対立を仲介し、世界から紛争と貧困をなくすこと。日本の高度な教育・道徳観を世界に輸出すること。様々に考えられる。

そのように考えると、今世界が必要としているものは、統治のための「希望」なのではないだろうか。

希望の太陽が昇る1年としたい。

以上
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