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【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】(20)「リーマン2.0」

2010-02-09 09:00:00 テーマ:【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】

森野榮一のエコノぴっくあっぷ  第20回 

「リーマン2.0」


森野榮一氏(経済評論家、ゲゼル研究会代表)



先週末はギリシャの債務危機が大きなニュースだった。

6日付けのシュピーゲル・オンラインの記事をみると、

http://www.spiegel.de/wirtschaft/unternehmen/0,1518,676260,00.html

「ブローカーはリーマン2.0を怖れる」とある。

変化の速いネットの世界でもWEB1.0からWEB2.0へと進化していくには、幾年もかかったような気がする。


それが国際金融の世界では、08年のリーマン・ショックをいまだ世界経済が引き摺っているのに、はやくも、もうひとつのグローバルな世界恐慌の懸念である。リーマン2.0とは、シュピーゲルもうまい表現をするなと思ったが、こちらのバージョンアップはいただけない。

たしかにギリシャの危機は「投資家には心理学者がデジャヴ(既視感)と呼ぶ」状況をもたらしたにちがいない。08年秋のリーマン再び、なのかである。


「米国の投資銀行リーマン・ブラザースが08年秋に崩壊して、金融危機がエスカレートし、燃えさかった。銀行間ではマネーの流れが凍り付き、返済不履行の恐怖が債券市場を崩壊させた。ドミノのように銀行は不安定化した。」

いまだ記憶に新しい。まだ17か月しか経過していないのである。「『ギリシャへの未返済投資額は2900億ドルで、08年秋リーマンが立てていた金額1400億ドルの二倍以上』とコメルツバンクのエコノミスト、ヨルゲ・クレーマーは言う。」


G7が先週末、会合をもっていたが、なにか有効な手だてを合意したのであろうか。

完全に的外れな会合であったとの声もある。

http://baselinescenario.com/2010/02/07/europe-risks-another-global-depression/

「今週末のG7の会合は完全に無意味で、欧州が再び深刻な経済危機に突入している事実を際だたせるの役だっただけだ」と。


どうも、今回のギリシャのソブリン・リスクによる金融危機は、身動きのとれない政治の対応を金融市場が鋭くかぎつけたことが核心にあるのではないかとの印象をもたざるをえない。

先週木曜日、IMFのシュトラウスーカーンはフランスのラジオでこう語っていたそうである。

http://online.wsj.com/article/BT-CO-20100204-703445.html?mod=WSJ_latestheadlines

「IMFは財政を安定させようと取り組んでいるギリシアを助ける準備ができているが、ユーロ圏通貨ブロックの他の加盟国諸国が自分たちでその件を解決したがっていることを理解している」と。


これはIMFはなにもしないと言っているようなものだ。

IMFに頼るということは、最後の手段であり、ユーロゾーン諸国や欧州中央銀行が事を処理すべきという発言があったというが、IMFの姿勢を示しているととれる。


ギリシャをIMFに任せるということは、国際的に負担を分担することを意味するが、PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシア、スペイン)といわれる諸国の救済が国際的に行われなければならないとすれば、EUの威信に関わろうし、EU以外の諸国、とりわけ米国の姿勢も問題になろう。

IMFの関与はEUの国際舞台での力の衰退をあからさまにすることになるし、EUは受け入れたくないであろう。


要するに、IMFはギリシャを救済できず、EUもそれを望んでいない。しかしそれはEU内のドイツのような強国の負担を増し、将来の租税負担増を嫌う選挙民の支持を得られないだろうから、EU内で事を処理するといっても、その動きは鈍いものにならざるをえない。

金融市場が鋭くかぎつけ、読んだのはそこであったと思う。

欧州資産への売り浴びせがそれをよく示している。ギリシャの国債は売り込まれた。同国の信用は落ちる。


問題なのは、主権国家のクレジット・デフォルトの危険性さえ、クレジット・デフォルト・スワップで取引されていることだ。その、一種の保険商品は銀行やファンドによって取引されている。その買い手は実際にギリシャが破産すれば儲け、引き受け手は損失を被るということになるだろう。


リーマンのときも、クレジット・デフォルト・スワップ市場の不透明性を思い知らされた。そうしてこの商品のカウンター・パーティである保険会社のリスクを増幅させた。

市場のプレーヤーはそれぞれの利害で動く。政治対応のもたつきも材料である。

市場の動きがリーマン2.0に向かっていはしないか。その恐怖感のなかでカネが動きを決め始めているようにみえる。


今週、展開がどうなるのか、目が離せないが、膨大な情報が発信されるなかで、ポイントをはずさないようにしたい。


カネは、あれだけ国家債務の爆発的増加を懸念されている米国の財務省短期証券に流れている。

安全志向である。とにかく米国が、なにをいわれようがいまだ安全な逃避先なのである。

いま、見渡してみて利用できる安全な資産が米財務省証券であるというのは、まことに皮肉な局面といわざるをえない。


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【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】(19)「不況の終わりを知るとき」

2010-01-19 08:01:29 テーマ:【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】

森野榮一のエコノぴっくあっぷ 第19回 「不況の終わりを知るとき」


森野榮一氏(経済評論家、ゲゼル研究会代表)



景気の先行きも明るさを強調する人が増え、悲観的な見通しは影を薄くしているように見える。しかし、どうなのか。専門家たちの議論はどうも聞くのも苦手という人もいるだろう。経済は万人が関与しているのに、一部の「専門的な」指標に明るい人たちの意見が報じられるばかりだ。

そうして普通の人々は半信半疑の状態を漂い続ける精神状態におかれる。


多くの、それぞれ様々な立場や仕事に従事している人たちは、この景気後退の時期をどう考え、なにをもってじぶんなりの景気回復判断のてがかりにしているのだろうか。


ネットで経済記事を見ていたら、米国の、aarp.orgのサイトでおもしろい記事を見る。

「私は、・・・の時、不況が終わったと知るだろう」

http://bulletin.aarp.org/yourmoney/personalfinance/articles/is_the_recession_over_.1.html

というものだ。


つまりあなたはどうなったら景気が回復していると考えますかと各方面に聞いているわけである。個人的には米経済、まだまだ予断を許さないと思うが、米国人が自国の経済をどう感じているか、その一端が窺い知れて興味深い。


さしずめ日本なら、テレビ番組で取り上げてもよさそうな企画である。

とにかく、普通の人間が経済を作ってもいるのだから、どう考えているかは重要で、これを読みながら、さてじぶんならどう考えるかと思ってみるのもよいかもしれない。


話の出だしはこうである。


・・・以下引用


株式市場は上がっている。金利は下がっている。中古住宅の販売は跳ね上がった。経済は第3四半期に伸びた。これらが、幾人かの人々に(米連邦準備理事会議長のベン・バーナンキを含む)が2年間の不況が「たぶん、終わった」と言うようにした。おそらく公式の宣言は何か月も来ないだろうが。


経済のバンジー・ジャンプのコードはついに、跳ねて戻ったのか?


・・・エコノミストのブライアン・ベテューヌはこう言う。「それを簡単に言う方法がありますが・・・しかし、生産、利益、雇用、所得のようなさまざまな指数があります。」


「それはちょっとスープを作っているようです」「あなたは、成分をポットに投げ入れ、ブレンドし、それから結果を見ます。グリーンスープだ、不況は終わりました。黄色なら、まだいずれともつかないゾーンにいます。赤色なら、まだトラブルのなかです。」


何人かの専門家は「緑色のスープ」を見ているかもしれないが、多くの米国人が、ポットの泡立つのが赤いのを見ている。5月以来、消費者信用(去年の春に上昇したが)は、停滞しているか、下降している。懸念の一部にしつこい失業があるためである。その率は11月に僅か0.2%落ちて10%。・・・オバマ大統領は「穴から抜け出すのは容易ではない」と述べた。・・・


仕事から外れている約1570万人の米国人が同意するのは、経済指標が何を示すかは重要ではない、彼らが仕事に就くとき、そこで不況は終わるということである。


しかしそのほかに、個人的なベンチマークがある。彼らが不況が終わるだろうと考えることに関して、単純なものから深刻なものまで。ここに、いくつかを挙げよう。


・・・引用終わり


つまり私たちは、専門家のいう、グリーン・スープ、イエロー・スープ、レッド・スープの判定に耳を傾けてきた。しかし、個人的な経済の性能評価を誰でもがしているわけだ。このさい、それを聞いてみようというわけである。


回答者の職業、貧富の差などによって、さまざまである。それは意外に、参考になる気にもなるから不思議だ。それぞれの回答者の職業は省略するが、下記のような答えが掲載されている。


列挙しておこう。


「人々がもう一度微笑むとき。たくさんのからっぽのビルに沿って多くの厳しい自暴自棄がみられるのです。」


「再び醜い大衆向けマンションが作られ始め、人々が住み始めるとき。」


「私の雑役夫が私の家で修理するものを見つけるのを止めるとき。私は、彼を忙しくしておくためだけにものを壊していると思う。」


「融資を得ることができて、新しいトラックに乗って支払いができるとき。」


「興味深い指数だが、男性用下着売り上げの増加がみられるとき。この売り上げは通常横ばい。落ちる時は経済にとって悪いサインだ。」


「映画に行くのに、じぶん用の飲み物とキャンディを用意するのを止めるとき。」


「最近、大学を卒業した息子が仕事に就いて、家から引っ越すとき。」


「また頼んでもいないクレジットカードの申込書が郵便受けに入るようになるとき。」


「仕事の公募一件につき75件の求職申し込みを受け取らないとき。」


「人々が20ドルの委託手荷物料金を避けようとして活動を機内持込手荷物に合わせようとするのを止めるとき。」


「芝刈りのために燃料を都合できて山羊にお払い箱だといえるとき。」


「テレビの自動車の宣伝が憂うつ薬の宣伝に取ってかわるとき。」


「長期失業者の数(11月に590万)が落ち始めるとき、経済が最も影響を受けた人々にとって違うものになり始めたとわかるだろう。」


「私が地元のリサイクルショップで正午きっかりに行列で一番になるとき、二年前はもっと長かったわ。あ~、ちょくちょくなにかいいものを手に入れていたのよ。」


「私たちの顧客が、どんなタイプの仕事でも尋ねてくるんじゃなくて、売り込みやキャリアアップのために履歴書を書くために私たちを使おうと戻ってくるとき。」


「人々の瞳のなかの不安や絶望が微笑や笑いに溶けて、気持ちがしかめっ面や怒りから気楽さへと変わるとき。」


「夜中に、じぶんの401Kを心配して目を覚ますのではなく、生まれたての赤ん坊を世話するために目を覚ますとき。」


「夫の歯科医院で毎週、支払いに頭を悩ませなくてよいとき。以前は決して心配する必要はありませんでした。」


「従業員を再雇用できるとき。私はレイオフしなければならなかったんだ。」


「値打ち以上にじぶんの家を売りに出せるとき。」


「私の手数料がベビーシッターに支払うより多いとき。」


「私が仕事に就くとき。」


「フードバンクで支援してもらうための教会での行列がもっと短くなったとき。」


「じぶんの作品をスタジオに置いておくことよりも発送するための箱を見つけるのによけいに時間を使うとき。」


「私の患者たちがこの金融混乱に彼らを放り込んだ政府がどれだけ嫌いかを話すのを聞くより、母親がどれだけ嫌いか話すのを聞くのに戻るとき。」


「二つの不具合なピアノのキーにガマンするのを止めて、結局、調律師を呼ぶとき。」


「私がもうメール・イン・リベートを収入とみなさないとき。(訳注:メール・イン・リベートとは買い物で代金を定価で支払うが、後に割引額分の小切手が送られてくる仕組み)」


「友人が、”小さな好意のために…小口金融を”と呼ぶのを止めるとき。」


「ショッピングモールを歩き回る人たちが、ほんとうに買うお金がないので、安売りに大喜びするためにそこにいるようには見えないとき。」


皮肉な答えも切実な答えも、感動的な答えさえもある。こうした一人ひとりの反応が経済を織りなしているともいえよう。


同サイトでは最後にこうまとめている。


・・・以下引用


不安が広がっているにもかかわらず、希望のかすかな光をみるひともいる。


「経済の雪解けが進行中、少なくともほとんどのひとに。私がそれに気づくのは、子供の学校で両親たちがお金の心配よりも再び子供たちについてしゃべり始めるときです。」「レストランで食事をしたり、好きな事や嫌いなことについて語り、ヤンキースがワールドシリーズでもう一度勝つ勝つかどうか語るとき人々が笑顔を作る仕方でわかるのです。」


楽観的なエコノミストもいる。


「工業生産は上昇しています、小売売り上げも安定しています。しかし、労働市場が好転するまで、通常、景気後退の後6~9か月後までは労働市場は好転しないのですが、それまで人々は気づかないでしょう。」


米国人はこの景気後退から抜け出す道を重い足取りで歩き続けなければならないのかもしれない。コメディやマジックの師匠たちでさえそれを遠ざけることはできない。


「ラスベガスでのショーの後、毎晩、ファンがこう尋ねる。マジックでこの景気後退を消し去ることができますかって。残念ですが、彼らにいわなけりゃあならないのは、私たちの力を使えるのは悪事に向かってだけですと。」


「経済指数は不況が終わったと言っているのかもしれない」と元ニューヨーク市市長エド・コッチはいうが、付け加えて、「失業し仕事を探している者にとっては終わってはいない」と。


・・・引用終わり


要するに、先行き不安感を消し去り、人々を楽観させるには雇用の確保がいちばん重要である。しかし失業率は遅行指数であるから景気の回復に遅れて改善される。


現状が、上記のエコノミストがいうように、景気は回復しているが、労働市場の好転は遅れるので、まだ半年以上先まで、普通の人々は実感できないということであるなら、個々人のそれぞれのモノサシでの回復実感がこれから得られていくのであろう。


そう願いたいものだが、果たして医者が患者の待合室で政府への悪口よりも母親への悪口を聞くように変わるのだろうか。


男性用下着の売上げが景気に敏感というのは初耳だった。景気後退期には通常、横ばいが下落し、回復期には上昇すると。


そういえば下着を新調していなかったか、日本経済のために、買いに走るか(^_^)




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【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】(18) 「信念の不足」

2010-01-06 09:00:59 テーマ:【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】

森野榮一のエコノぴっくあっぷ

第18回 「信念の不足」


森野榮一氏(経済評論家、ゲゼル研究会代表)


あけましておめでとうございます。


新年、初春の陽光のもと明るい一年を展望したいもの。

しかし2010年の予測は悲観から楽観までいろいろ。


まあ我が国の経済については、2020年までに名目3%の経済成長を政府が目標になさってくださっている。中国に抜かれて世界第三位になるのが確実の我が国経済、さあどうなりましょうかというところではある。


しかし国内情報には触れる機会も多いので、世界がどうなるかに目を転ずると、大方の予測はそれこそ景気がよい。


流布されている経済予測では、米国で3~4%、欧州で2~3%、アジアでは5%以上の成長、とりわけ中国、インドは8~10%に近づくと。人によっては回復はより大きいものになるとの声もある。そうした見方の背景には、2009年第三四半期の各国の改善を示す数字があるようだ。


しかし他方で、とりわけ米国などでは、WSJでフエルドシュタインが言うように経済刺激策の効果が切れるリスクを指摘する声もある。

http://blogs.wsj.com/economics/2010/01/03/harvards-feldstein-risk-economy-mahl-run-out-of-steam-in-10/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+wsj%2Feconomics%2Ffeed+(WSJ.com%3A+Real+Time+Economics+Blog

そしてもちろん悲観論者が影を潜めたわけでもない。


しかし、新年である。まずは新春を寿いで、あれこれの予測から、威勢のよいものを選びだして気持ちを高揚させておきたい。所詮予測ではあっても、経済は気の問題でもある。


いくつかネットで見つくろってみたら、

「米国の経済回復は専門家たちが予想するより二倍大きいであろう。」

http://www.slate.com/id/2240282/

という記事に出会う。


これなら元気が出そうである。経済に関する悲観論の危険性を指摘している記事にみえる。

読み始めると概要、こんな議論である。


・・・以下引用


2007年以来、銀行家や政策立案者、最高経営責任者、株式アナリスト、専門家の経済エスタブリッシュメントのコンセンサスは不運にも間違っていた。彼らは経済の嵐の雲行きが集まるのを見はしなかった。 雨粒が落ち始めたとき、大洪水を予測しなかった。その結果、2008年の間ずっと幹部社員や投資家、消費者は事が不意に悪くなってから経済が落ち、縮小するのを追いかけた。屋根が崩れ落ちてからまた、身を縮めたのである。


2008年の大パニックは手放しの楽観論を破壊したかもしれない。しかし、行きすぎた楽観論が2008年においてほぼ致命的な姿勢であったのなら、目のくらんだ悲観論は破裂した後に反射的に屈んだようなものだ。そうして経済エスタブリッシュメントをもう一つのポイント外れに導いた。米国の金融や産業の危機について、我々が悲痛に手をもみしぼっているとき、平行して現れつつあった話を無視した。貸借対照表の修復や始まったばかりの景気回復を受け止めることをである。今は不況を追いかけた、その同じ人々が回復を追い求めそうである。


経済が改善し始めたときでさえ、米国の経済界は、ほぼ2009年じゅうハルマゲドンの用意をし続けていた。製造加工品の在庫は2009年に入って11か月のうち10か月落ち込んだ。2008年10月と2009年10月の間では、小売業者は5000億ドルから4320億ドルまで大幅に在庫を削減した。ものを売ることに関して悲観的な企業は発注を減らした。しかし、消費者需要が最終的に具体化するとき、小売業者は不意打ちをくって、販売を逃すだろう。使う準備ができているのに、欲しいジーンズがないような局所的なギャツプに入ったかのようにである。


別の領域での行きすぎた悲観論は、いっそう高くついた。ダウが2007年10月と2009年3月の間に半分も大鎌で刈り取られたので、市場の天才たちは市場が戻ると予想するのに失敗した。3月以降はほとんどのヘッジファンドマネージャが60%のラリーを追いかけた。経済を予測する人も、春先の経済全般における劇的な曲がり角を逃した。


2009年第一四半期を通して、経済が年率6%沈むと予測することに失敗したので、エコノミストたちは、6月には再びしっかりしたペースで上昇を始めると描き出すことに失敗した。そして、彼らはまだ時勢に取り残されている。2010年の私の大胆な予想は、フィラデルフィア連銀が調査した予測、そこでは2010年、経済が2.4%だけ成長するだろうというものだが、それがあまりに悲観的なもので、おそらく半分だというものである。


8月には、やぶにらみの楽天家でさえ、4か月のうちに、バンクオブアメリカやシティ、ウェルズファーゴがほぼ1000億ドルの借入資金を納税者に返済するとは予測しなかったであろう。しかし、彼らはそうした。12月23日には、シティグループとウェルズファーゴは、TARP資金の450億ドルを返済した。また、小銀行6行もその計画を提出した。・・・


私は、すべての悲観論者が良い結果の4分の1や2分の1で動揺させられるとは予想しない。イデオロギーや政治上の理由で、経済や市場が民主党の政策より共和党のものを好むということを信ずる・・・愚か者たちがいる。他方で、ケインズ経済学はもう働かず、米国が最終的な衰退のなかにあるとの提案に自分たちの職業上の評価を賭けた学者もいた。


そして、経済回復の物語を自分たちの給料やポートフォリオ、あるいは住宅の価値で感じていないので、まだ完全には受け入れていないイデオロギー的ではない多数の人々がいる。ことはよくなっているとミシガンの一時解雇された自動車労働者やブルックリンのレイオフ中の雑誌編集者に語ってみよう。彼らはすぐにも喜んで驚かされるかもしれない。情報技術の進歩のために、大きな経済の曲がり角はいつも私たちに不意打ちを食わせる。2007年に、・・・あらゆる指数は緑色をきらめかせていた。この環境では、新しい秩序が不意に入ってくるか、いくつかの取引があなたの会社に味方するまで、物事はひどく見える。突如、物事ははるかに良く見えるようになる。


現在、我々がいるミズーリの経済では、回復は示されねばならず、語られていない。経済状態は向上しているかもしれないが、それはまだ人々が回復に、完全に、金融的にも心理的にも関与するには数四半期以上かかるかもしれない。金融恐慌が2年前に始まったので、信用が信念を意味するのなら、信念が不足している。・・・


・・・引用終わり


確かに私たちにが不況から抜け出せないとするなら、不足しているのは信念かもしれない。悲観論は現状の悲惨さのなぐさめになるかもしれないが、好転させる力を削ぐだけである。


別のブログで紹介したが

http://a1msd.blogspot.com/2009/12/quoi-devons-nous-nous-preparer-en-2010.html

ル・モンドのジョルジュ・ウジューが指摘するように、2010年が景気回復の年であるにしても、「雇用や消費者、中小企業への信用の不在が重大なブレーキになる」可能性がある。


それは資金の貸し手が悲観論に足をとられていることを示しているであろうし、他方で借り手も強い将来への確信を持てないでいることを示してもいるだろう。


今年がほんとうに力強い回復を見せるのか、あままりパツとしない停滞した一年に終始するのか、

http://blogs.wsj.com/economics/2010/01/01/goldman-sachs-10-questions-for-2010/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+wsj%2Feconomics%2Ffeed+(WSJ.com%3A+Real+Time+Economics+Blog )

いずれであるにしても、ケインズが「1930年の大不況」でこう書いているが、

「現在のところ不況は、心理的な諸理由から多分に誇張されている。それゆえ、穏やかではあるが上向きの反応がいずれ必ず生じることになろう。しかし、私の判断では、貸し手の意図と生産的な借り手の意図とが再び合致させられるまで、―― 一つには、貸し手がもっと緩い条件で、しかももっと広範な地域にわたって貸付けを自ら進んで行うようになり、一つには、借り手が十分な活気を回復し、そうして以前にまして自分から進んで借り入れをするようになるまで――は、真の回復はありえない。」


上向きの反応の一年であるにしても、実体経済にカネが回るようにならないと真の回復にはならず、そのためには経済の将来への信念の再建が必要であることに思い及んだ年頭ではあった。短期的な投機にのみカネが向かっているようでは「真の回復」にはほど遠いからだ。



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【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】(17)「縮む経済、回らぬカネ」 森野榮一氏

2009-12-15 07:00:00 テーマ:【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】

森野榮一のエコノぴっくあっぷ

第17回 「縮む経済、回らぬカネ」

森野榮一氏(経済評論家、ゲゼル研究会代表)

 

 

年末ということもあるのか、ネットに溢れる経済情報も幾分、減っているようだ。そんななか目を引いたのがギリシャのソブリン・リスク。

 

マーストリヒト条約では財政赤字の天井はGDPの3%だが、ギリシャはすでにほぼ13%と、ユーロゾーンの信頼性に打撃をあたえかねない状況で、格付け機関のフィチは同国国債を格下げとのニュースであった。

 

いわゆるポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインのPIGS問題が露出したわけだ。

http://wirtschaftquerschuss.blogspot.com/2009/12/griechenland-ein-pigs-problem.html

 

しかし欧州中銀がメンバー国の一国を特別扱いすることはできないにしても、救済していくことだろう。

http://www.lemonde.fr/economie/article/2009/12/11/le-lachage-de-la-grece-provoquerait-une-defiance-generalisee-a-l-egard-de-la-zone-euro_1279511_3234.html#ens_id=1268560

そんななか気になるのが、他国など比較にならぬほどのGDPに対する公債比率を「誇る」我が国である。日本にも影響するのではと。

 

しかし我が国は、たとえば、「”豊かな4か国”のどこが最初にデフォルトするだろうか」という記事で、

http://moneymorning.com/2009/11/25/government-debt-default/

「日本は最高の債務を抱えてはいるが、日本の消費者は最大の貯蓄家であり、彼らは基本的に彼らの債務を自分自身に負っている」と言われるように、内債である。

 

自国の公的債務に自国民がファイナンスしているわけだ。だから、我が国のクレジット・デフォルト・スワップのスコアは、たとえ国が気の遠くなるような債務を有していても、さほど高いものではない。世界がそう見てくれているのだからと安心できるかもしれない。

 

しかし、日本経済の低迷ぶりは目を覆うものがある。傍目に見る金持ちの国民が自国に借金をさせて経済を凌いでいるという構図が将来も続いていくということがありうるのだろうか。今は懸念なくても将来的にはどうなのか。

 

いまはデフレ危機の真っ最中であるし、株価も主要国が回復しているのに日本株だけが足取りが重い。とにかく人を懸念させるのが、GDPの激しい落ち込みである。08年第一四半期のピークからなんと6四半期連続でGDPは減少している。額にして50兆円も減っている。

 

これはピークから1割も減少したということだ。経済規模が縮むということはそれだけヒトも設備も余るということを意味する。企業も経済規模に合わせて縮む必要が出てくる。売り上げに対して総資産が過剰になるからだ。もちろん輸出が伸びてくれればよいが、一部よいところも見られるが依然低迷している。

 

とにかく外国頼みだ。

 

国内は消費者が消費をのばすどころの話ではない。先行き不安感で消費は落ち込む。モノは売れぬから、賃銀は下がり、失業がいつ現実になるかもわからない。デフレのスパイラルを実感する国民は多いはず。企業は利益を出せず、設備投資など凍り付いていよう。家計はぎりぎりまで消費を切り詰める。安さだけが支持される、「安さがスマート」の状況で、内需は冷え切っている。そうして家計は貯蓄を積み増し不確実性に備える。

 

要するに内需は惨憺たる状況である。

 

経済は縮む。そうしたなかで投資の水準はさがる。相対的に過剰になった貯蓄はどこに向かうか。民間から需要が出てこないときは公的部門に期待するのほかない。国は債務を膨らませ、スペンディングを計画する。今の政府も経済刺激策を策定している。

 

しかし他方で景気がこのような有り様だから、税収はこれまた記録的な落ち込みだ。借金が増える。それにちょうど国民がその貯蓄をまたファイナンスすることになる。とすればそれは悪あがきのなかの皮肉な現実としかいいようがない。

  

では民間から回復の芽が出てくるのか。そのためには事業に資金が回らなければならない。日銀は、量的緩和策を採った。今週また追加の緩和策を採るかもしれない。しかしこれとて、バブル崩壊後見てきたように、効果は期待できないであろう。なぜならこのような経済状況のなか、金融機関は安全志向であり、積極的に融資のリスクをとれるわけではない。

 

上流(中銀)からカネを流しても必要な田んぼ(実体経済)には流れない。銀行の日銀当座預金にプラスの金利を付けているのだから当然である。市中に金が出回るわけでなく、バブル崩壊後の量的緩和が日銀への資金の過剰準備状態を生んだことのくりかえしになるだろう。

 

スウェーデンの中銀がやったと聞くような、中銀の当座預金にマイナス金利を導入(預金手数料を求める)すれば、いかに融資先を探すのに苦労し、リスクテイクできない銀行にあるカネさえ、市中にシフトせざるをえなくなるだろうが、ここまでデフレが深刻化しているのに、そうした策は採用されないだろう。

 

11月の日銀への準備預金は前年比39.4%増と聞く。銀行はまったくリスクをとれず、準備預金で積んでおけば0.1%の金利がつく、安全資産に資金を移していく。市中にカネが流れるどころか、引き揚げているとさえいえるかもしれない。これでは景気はよくなりようはずはない。

 

政府は巨額の国債を発行せざるをえない状況だが、これまた皮肉にも、カネは安全資産の国債に向かうだろう。家計の限界消費性向は低いままだ。追加の所得があっても預金される。それは国債の購入に向けられるだろう。だから、国債は暴落することはないであろう。

 

しかしいつまで安全資産でありうるか。いつか売り込まれる時がくるかもしれない。

 

そのとき、うずたかく富士山のように高く積もった旧債を見上げながら、政府債務にファイナンスするところが見つけられなくなるかもしれない。債務はロール・オーバーできなくなったところで、それまでの借り入れの構図自体が崩壊する。

 

長期金利ははね上がる。経済は手ひどい痛手を被るだろうし、なによりも世界の我が国を見る目が変わるだろう。通貨は売られ、デフレ危機が一大インフレの危機に変ずるかもしれない。

 

市中に真にカネを廻し、経済状況を好転させる、マイナス金利のような斬新な政策が求められている状況ではないかとも思うが、政治状況は旧来の策の繰りかえしである。カネは回らぬがツケは国民に回るだろう。こうした政府を選んだ国民のお望みの結果であると突き放すには経済の状況が悪すぎる。

 

来年は覚悟の要る正念場であろう。



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【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】(16)「崩壊のクロニクル」 森野榮一氏

2009-12-01 09:31:10 テーマ:【森野榮一のエコノぴっくあっぷ】

森野榮一のエコノぴっくあっぷ

第16回 「崩壊のクロニクル」

森野榮一氏(経済評論家、ゲゼル研究会代表)



先週水曜日、ドバイの政府系企業ドバイ・ワールドのモラトリアムの公表は、世界中を駆けめぐった。ドル安を活用したドル・キャリー・トレードによるマネーゲームは株高や資源・コモディティのバブル現象を呈し、誰もが、もしドルが反転して高くなるようだと、それが経済崩壊の引き金になるのではないか、たとえそうはならなくても、回復期待に水をさすのは確かと感じていたのだろう。リスクテイクに、ちょうどかっこうの調整局面を与えたともいえる。


ドルや円はリスクに敏感なマネーの避難先となり、他の通貨は下落、株式も下げた。ドバイのモラトリアムが国家破産の連鎖をよぶのではないかとさえ言い出す向きもなかには出てくる。すわ、金融崩壊バージョン2かというわけである。


たしかに悪夢シナリオは人の頭から離れない。先週金曜日付でZeitenwende.chはこういっていた。

http://blog.zeitenwende.ch/hansruedi-ramsauer/werfen-jetzt-die-scheichs-das-gold-auf-den-markt/


「金価格が下落し、ドルが値を上げ、突然、金融市場が大規模に膨らませたキャリー・トレードは手じまわれる。米ドルが予想に反して上昇し始める前にドルを下落させたあらゆるポジションが売られるだろう。・・・ここに完全なクラッシュ・シナリオがある。」


長期的なドル衰退の流れのなかで目先のドル高への反転がドル・キャリーが高いリスクをはらんでいることを知らせてくれるわけだ。


そうして、債務不履行のニュースが加わる。人は浮き足立つ。


たしかにドバイの債務は膨大なようだ。アナリストはドバイの総債務をおよそ800億ドルと見積もり、なかには1200億ドルあるいはそれ以上とする者もいる。しかし正確にはわからない。


ただ今回の騒ぎで、ペルシャ湾岸の砂漠の国の海岸に奇妙な宇宙的ともいえる人工島を造成し、不動産投資に狂奔、まるでバベルの塔のごとき超高層ビルを建ててきた中東の金融立国を目指した国の活況ぶりは数年前から話題ではあったが、あらためて注目させられた人も多いのではないか。


このドバイの金融危機をどうとらえるかについては別のブログで、マイク・ホイットニーの議論を紹介したので参照していただきたいが、一部に騒がれた極端な「ソブリン・デフォルト」につながるようなことはないという指摘を筆者も共有している。

http://a1morino.blogspot.com/2009/11/blog-post_30.html


しかし、彼が指摘する、まだ金融危機が終わっていないこと、こうした事件が、債務がクレジット・デフォルト・スワップのようなデリバティブズを成立させているのでどこにどのような影響がでるかわからない、さらにドバイ金融危機が長期化すれば、強いドルをもたらし、キャリー・トレードのクラッシュにつながり、悪夢のシナリオへという懸念があるというのも事実であろう。


一見、本日の株式市場を見ると投資家はさほど心配していないようにみえる。もちろん、ドバイは別のようだが。


イスラム教の休日のため、ドバイとアブダビの株式市場はドバイ・ワールドによる先週の債務支払停止の衝撃的要求から初めて、本日、月曜日に開くわけである。ブローカーによっては銀行が特に被害を受けそうな状態で同国の株式市場は限界までいくだろうと予測しているが、他方で、アラブ首長国連邦は、日曜日、銀行強化に踏み込み、当局が、ドバイの債務問題への懸念に対抗を試みたので、どのような潜在的資本逃避も阻止したと述べるメディアもある。


気になってニュースをみると、株式市場は急落で、ドバイは5.9%下落とある。


しかし長期的にはどうなるのか。ドバイの債務問題が解決するには数週間は必要との見方があるし、さらに長い交渉が必要かもしれない。


そうした関心からドバイを見る場合、やはり信頼できる欧州の情報をおさえておきたい。ル・モンドの Georges Ugeux の29日付けのブログ記事が参考になる。ドバイ金融危機の背景も理解できる。


下記、一読の価値ありと思う。


以下引用・・・


「ドバイ、明らかとなった崩壊の記録」

http://finance.blog.lemonde.fr/2009/11/29/dubai-chronique-d%E2%80%99une-deconfiture-annoncee/


私は30年もの間、中東じゅうを歩き回り、ドバイの驚くべき成長は砂上に構築されたように感じられた。


最近、旅行したとき、地元の関係者は世界のメガ・クレーンの40%がドバイにあると自慢した。首長国はビジネスや観光のニーズを満たすために5万室のホテルを望み、それらは出現した。一部の首長達と中東の金融業者たちの浪費は私をなにも驚かせはしなかった。

  

しかしドバイにとっては問題があった。ペルシャ湾沿いの7つの首長国をまとめたアラブ首長国連邦の石油がアブダビにあるということである。そうしてドバイにはない。それゆえにドバイは地域の金融センターとなり、自らの”ウォール街”を建設し、そこに銀行家や弁護士、会計士が居住するという考えを立て、罠にはまった。

  

常にうまい事業を展望している金融業者はとりわけ抜け目のない指導者のシェイク・モハメドに会い、彼の領土で開発プロジェクトをする約束をした。数百人の住民のために、多かれ少なかれ開発中だが、外国の大学20校がそこにキャンパスを作り、加えて3つの国立大学を作った。


ドバイの債務は540億ドルに達するところまで急速に増加した。11月20日の金曜日、ドバイ国際金融センターDIFCの長とドバイの投資企業の3人の管理職が解雇された。彼ら首長の二人の息子が取って代わった。シェイク・モハメドはDIFCの新たな役員であるサルタン・アーメドを伴いロンドンを訪問中であった。ゴードン・ブラウンは”首長国の経済修復に感動させられた”と表明した。自動車のグランプリやテニス大会、そしてハリウッドスターも歩調を合わせた。

 

そうして先週水曜日、ドバイ・ワールドはその債務すべての返済猶予を発表する。要するに、首長国は流動性の危機にあって債務過多にある。それは目新しいことではなかった。ドミノ効果が始まる。首長国のさまざまな企業が影響を受け、そのなかにはドバイ・ワールドの子会社のナヒールグループがあり、イスラム法に適合した債務である”スクース”25億ドルを抱える。それらは12月14日に最終期限を迎える。結末は差し迫っている。アラブの市場が宗教上の祭りを祝い、米国人が感謝祭の七面鳥を食べているとき、ロンドンは3%以上を失う。損害賠償が世界的水準では1,5%に制限されているためウォール街のひらくのを待つ必要がある。

 

すでに私がいくらかの疑念を呈したとき、古典的な回答はとにかくアブダビはドバイの援助に来ると考えられると。本当を言うと、彼らには選択肢はない。族長モハメドは単にアブダビの銀行に50億ドルの債務を発行させることでその”いとこ”を”罠に”かけた。アラブ首長国連邦の中央銀行は100億ドルのドバイの債務に応じた。

 

人がすぐにも金融業者の誇大妄想の要素を取り戻さないならば、これはもちろん事件にしかすぎない。ロシア・マフイアはその指を噛まなければならない。ドバイの不動産に大規模な投資をしたのは彼らだ。しかしウジにまみれた融資者に次いで、金融のあらゆるゴータ(注:貴族名鑑の意味)はドバイにあって、プレーヤー自身が背伸びしすぎと法外さと・・・砂上の楼閣からできていることを適切にも知っていた夢への融資に参加したのである。

 

交渉はあらゆるレベルで始まる。まず確実に二つの首長国の間で。7つの首長国に利益であった自治は欠くべからざる政治的、金融的統合によって置き換えられていくであろう。アブダビはドバイの全債務を支払いはしないであろう。民間債務はもちろん支払わない。その一部はドバイと債権者の間で引き受けられる。債務のリストラが必要である。しかしドバイ・ワールドの債務サービスの停止が決定されるという荒々しい方法は交渉の国際的基準に対応するものではないし、交渉を難しいものとする怨みの感情を作り出す。ドバイ・ワールドの会長はメッカへの巡礼を中止しはしなかった。


このことすべてが十分にわかっていないのだということを我々に思い起こさせる。さらにこうしたことを知ってなお行動する勇気が必要である。しかしその本質はなによりもまったく一人にならないことである。欧州にはこの浪費の犠牲者がたくさん存在する。米国にもアジアにも存在する。真面目な治療はトレーダーの性質に非常によく似た首長たちの家族に間違いを犯させないであろう。

 

明らかになるにはまだ数週間を必要とするであろう。しかしドバイ・ワールドへのへの25億ドルの融資を抱えるロイヤル・バンク・オブ・スコットランドは長い期間、この明らかになった危機の国際的影響の一事例以外のものではない。


・・・引用終わり


マイク・ホイットニーも書いているが王族ファミリー間での事情もありそうである。とかく中東の事情は一筋縄ではいかない。

 

しかし国際金融が問題をはらんでいる限り、局所的な事情が次々、グローバルな影響をもつ事態が頻出しそうで世界経済の行方は容易ならざる感にとらわれる。しかし欧州人がいうように、知ってなお行動する勇気は忘れられてはならないのはもちろんである。


derStandard.atの記事、

http://derstandard.at/1259280733267/Europas-Banken-bangen-bei-Dubai-Debakel-um-Milliarden

 

「欧州の銀行はドバイの瓦解で数十億を懸念」中のグラフによれば、日本の銀行も米国に次いでかなり貸し込んでいるようだからである。


なお、ドバイの総債務の返済スケジュールの詳細は下記 Querschüsse のサイトにある一覧にて分かる。このサイトの「駆り立てられた信用の蜃気楼」は秀逸な分析である。余裕のある向きは一読されたい。

http://wirtschaftquerschuss.blogspot.com/2009/11/kreditgetriebene-fata-morgana.html

   

  

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