福島の放射線について | 暇人の部屋

福島の放射線について

16日のニュースによると、第一原発周辺の20~30キロ圏内の約20キロ地点で330マイクロシーベルトの放射線が測定されたと文部科学省が発表しました


少し出遅れましたが、これを元に危険だとネットで大きな反響があったようなので、書いておきます。
まず、第一原子力発電所の周辺の地図を出しておきます。


$暇人の部屋-発電所周辺

直線を引いてありますが、赤い直線が大体20キロの長さ、黄色い直線が30キロの長さですので、この直線を囲む円が退避・避難圏内です。


そして、330マイクロシーベルト放射線が測定された昼曽根トンネル付近とは、ここです。赤い丸で囲ってあります。


$暇人の部屋-発電所周辺2
浪江町の市街地から外れた大分山奥の地点です。町の中心付近は既に避難地域です。



では、この日の他の屋内退避地域の放射線量はどうだったのでしょう?この日のデータは福島県庁がサイトで公開しています
このデータによると、約24キロ地点の南相馬合庁の測定値は大体4.0マイクロシーベルト前後で推移し、翌日までに3.5前後まで数値が落ちています。
さらに、約22キロ地点の川内村役場では2.0マイクロシーベルトを切っています。
屋内退避地点からはもっと離れているのに、ずっと高い飯舘村役場のような地帯がありますが、福島県庁は安全だとしています。


結局、屋内退避地区と言ってもかなりの差があるのです。先日書いたように現在のところ放射性物質は風に乗って流されてきます。つまり、風の向き、さらに風が地形の影響を受けるため、地点により測定値に大きくズレがあるのです。素人ですが、見てみると現在山側が高いようですから、そこに空気の流れに関係する要因があるのでしょう。


ですから、報道では様々な要因が重なって極めて高くなってしまったと考えられる地点を大きく取り上げてしまったのだと思われます。文部科学省は他の地点のデータも観測しているはずですが、文部科学省のサイトの報道更新からはどこを観測していたのか分かりませんでした。


今日、このブログを書こうと思ったのは、ここ数日、屋内退避圏内の被災者の方たちが満足な援助を得られないことをNHKニュースで見ていたからです。あくまでも「屋内退避圏」であるのに、放射能汚染地域のように勘違いされて、援助物質を積んだトラックまで足を踏み入れようとしない現実を
屋内退避圏にいわき市の極一部が入っていますが、たったこれだけでも、いわき市全体までこの風評被害にあっているそうです。先日、mixiの日記で福島放射線値を積極的に公開して安全を呼びかけていた方が、テレビで東京の人たちが「放射線が怖い」などとカッパを買っているのに怒りを爆発させていました。それに私も共感します。
さらに、この330マイクロシーベルトの値を元にネットで余計に危険を煽っている人たちもいます。


さすがにこれは、私は声を大にしていいたいです。

福島の人たちは、地震に津波に放射線と立て続けに恐ろしい目に会った挙句に、風評被害まで受けなければいけないのですか?

政府がどうとか言う言葉もありますが、福島県庁以下地方自治体では測定機材をなんとか調達して、積極的に放射線値を公開し、住民の人たちの相談に乗り、安心させ、必死に住民の方たちを護ろうとしてるんです。



無責任に放射線の測定値を解釈して東京の不安を煽ること、そしてそれに乗ることが福島の被災者の方たちの命まで奪いかねないのです。
このブログを読まれた方は、ネットの風評・噂に踊らされずに、そのようなものを見たとき自分で立ち止まって、踊った結果が何を招くのか、ちょっとでも考えてみてください。





3月19日6時追記

昨夜、文部科学省から30キロ地点付近で150マイクロシーベルトの値が観測されたという発表がありましたが、この値について、NHKで慈恵医大の被曝治療の専門家の方(名前は失念しました)が、
「150マイクロシーベルトは高い値だが、徐々に放射線を受ける場合、DNAは損傷すると同時に修復していく働きもあり、屋内では放射線は10分の1に減衰される。1ヶ月の積算値が10万マイクロシーベルトになっても、この場合は心配する必要がない」というようなことを断言されていました。
どうか、一時的に高い値、積算すると大きい値になると言っても、不安にならないようにお願いします。



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