愛のむきだし

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AmazonPrimeで、見つけた9年前の日本映画、「愛のむきだし」。(2008年公開)

原案・脚本・監督は鬼才、園子温。演者はAAAの西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、渡部篤郎、渡辺真紀子。脇には、板尾創路、岩松了、綾野剛、などなど映画好きには垂涎の配役。

 

どうやら、海外の映画賞を多数受賞し、マニアックな業界人たちから激賞された映画だったようだ。

2008年当時は、私のアンテナは園子温を感知していなかったので、この作品の存在も知らなかった。

 

なので、全くの予備知識なく、AmazonPrimeの作品カバーに満島ひかりがいたので、うっかり見てしまった作品。(本当にうっかりです)

 

美しい母を病気で亡くし、神父を目指す優しい父と二人暮らしのユウは、母が遺した「あなたのマリア様をみつけなさい」という言葉と小さなマリア像を胸に、平和な日々を送っていた。

教会で、おだやかでユーモアのある説教をしている父は多くの信者から慕われており、ユウはそんな父を愛していた。

 

そんな時、父の前に現れた女、カオリ。父を誘惑し、虜にし、そして捨て去った。父は人が変わったようになり、ユウに毎日「懺悔」を求めるようになる。懺悔することなどないユウは、「罪」を作り出しはじめ、仲間と「盗撮」して歩く日々が始まった――。

 

とにかく、うっかり観たもんだから、この映画が向かっている先がわからない。

観始めて40分、ようやくタイトル。今までのはアバンタイトル? 

そして、途中で、実は4時間近くある作品であることに気づく。最初にこの長さを認識していたら、いくら見放題のAmazonPrimeでも躊躇しただろう。

だが、途中休憩はしたものの、観始めたらもう止めることはできない。

 

そして、一度は父の元を去ったカオリが、昔の男の連れ子を連れて、戻ってきた。彼女の名はヨーコ。以前、チンピラに絡まれているところを助けた女子高生だった。ユウはその時、ヨーコが自分のマリアであることを悟った。そのヨーコが義妹として、ユウと暮らすことになった……。

 

そこにカルト教団の幹部、コイケが絡み、ユウとヨーコは策略と暴力と洗脳の渦に投げ込まれ、究極の愛へと突っ走る園子温ワールドが展開していく。

 

詳細は下記で!

 http://www.phantom-film.jp/library/site/ainomukidashi/

 

AAAの西島隆弘は、役者としてはほとんど知らない。ちょっと若者向けの連続ドラマに出てたかな、という程度。

ところが、この作品の西島の印象は全く違っていた。父の愛、ヨーコの愛を切ないほどに求め続け、聖なる感情を爆発させる「ユウ」になりきっていた。

 

園子温作品では、登場人物に感情移入なんて生ぬるいことは起こらない。

監督と役者がぶつかり合って飛び散る、泥臭い汗をひたすら浴びている感じなのだ。その血まみれの汗を浴び続けた結果、なにが起こるのかを見定めたくて観ているようなものだ。

 

この映画は、決して「むきだしの愛」ではない。

絶対的に「愛のむきだし」なのだ。

 

故蜷川幸雄に俳優になれと言われていたという西島。

「愛のむきだし」を超える作品に出会った西島を見てみたい。

 

 

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