2008/4/28

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 近頃、素晴らしかったもの。


 
 脱線トリオMC BOOから送られてきたグラフィティのドキュメンタリー映画『インサイド/アウトサイド』

 パリでサンパウロでNYで、逮捕の危険をおかしつつ、なんの儲けにもならないアート活動を続ける真のアーチストの姿が本当に魅力的。しびれる。

「アートなんてエゴと金と名声に溺れてる連中のやることさ。俺がやってることがアートである必要なんかない」と言う路上のゲリラ芸術家は、ひとことで言って『偉い』

 そうでない奴らが日本でも大手を振ってのさばってやがる。くだらねえ。
 DVDが七月に出るらしいので(もうアップリンクでの上映は終わっている)、是非とも観ていただきたい。

 
 それから王子小劇場で公演してたキリンバズウカ『飛ぶ痛み』がことのほかよかった。
 脚本・演出の登米裕一は、大阪CO2映画祭で観た自主映画『ガール・スパークス』の脚本を手がけていた男。キリンバズウカは東京に来て最初の公演ということになる。

『飛ぶ痛み』は、まさに痛みを他者に飛ばす医学研究というモチーフをもつ芝居だが、登場人物それぞれが抱える心の痛みが、実際に観客の心の奥へと飛んでくる。
 最初の10分、役者を出す位置などがちょっとしっくり来なかったけれど、あとはもう引き込む引き込む。
 
 演出のビジュアル性の高さも特徴で、まるで映画をあらゆるアングルから観ている気にさせる。あとは、演劇特有の空間の交差を使い始めたら、どこまで深くなるかわからない。
 
 登米くんは本当に才能あるね。
 この人がどこまで大きくなるか見物だ。

 
 また、ここ数日、八世豊竹綱大夫『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき』、「宝引(ほうびき)の段」のCDを何度となく聞いている。

 いわゆるチャリ場の典型。ナンセンスが続く。
 咲甫(大夫)さんから昔もらったMD版だと、ばかばかしい下ネタを繰り返すところがあるのだが、コロンビア1961年(俺の生まれ年だ)バージョンではそこを抜いて語っている。
 
 けれどいい。
 先代綱大夫の濃さ、粘り、芸のこまやかさ、チャーミングさが素晴らしい。
 特にトラック7は、あらゆるラッパーに聞いて欲しい。
 R&BとかSOULの“濃さ、粘り、芸のこまやかさ、チャーミングさ”が全部入ってる。

 
 あと、まさに大阪・国立文楽劇場のそばの「***」(名前は一応伏せておきます)で三週間ほど前に食ったうなぎ、いやマムシは相変わらずうまかった。
 関西一だな、あそこは確実に。
 まして新子の季節だったし。
 おやじさんももう80を越えているだろう。
 機会ある度に通いつめないと。
 11時から14時までしか店はあいていません。


 
 
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