11月19日は、江戸期俳人小林一茶の命日です。
一茶の本名は信之(幼名は弥太郎)。
小林一茶と言えば「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る」。
優しい雀の子への思いやり。
「寝るてふにかしておくぞよ膝がしら」。
自分の膝頭にふと止まったチョウ。
眠っているように動かない。
よしよしいつまでも眠るがよい。
「痩蛙負けるな一茶是に有り」など人間以外のものにも愛情を感じる句が多い。
一茶は子供のころから家庭的にはあまり恵まれていなかった。
8歳の時、継母を迎えたが、「我と来て遊べや親のない雀」と、スズメに託した孤独感を訴えた句があるように、継母との仲はよくなかったという。
それをかばってくれていた祖母が14歳の時に亡くなる。
15歳で故郷の長野県の信濃を出て江戸へ奉公に行くが、そこでも順調な生活ではなく苦労を重ねたらしい。
最後には郷里で住むことになるが、最初の妻や子に先立たれ64歳で生を終える。
不遇の一生だった。
その人生の中で常に友達のように寄り添ったものがある。
それは句の中に出てくる小動物である。
子スズメやチョウ、カタツムリなどが、常に寂しい心を癒やしていたようだ。
一茶の句は、方言や俗語など分かりやすい言葉を使ってはいるが、俗っぽい風流趣味に妥協しない強靭な生活感覚がある。
そして、小さい命へ愛情を注ぐ。現代的な俳人といっていいのかもしれない。
「一茶」とは、消えやすい茶の泡のように、はかない身の上の例えとのこと。
前田記者




