MGSシリーズ作曲者が語る、小島氏とコナミとの破局の理由 | みらいマニアックス !

MGSシリーズ作曲者が語る、小島氏とコナミとの破局の理由

The Codec Podcastとのインタビューで、Metal Gear Solidシリーズ(1-3)の作曲者、Rika Muranaka氏が、小島氏とコナミとの破局について語った。

「コナミと小島氏が袂を分かった主な理由は、小島氏が報酬をサラリーで貰っていて、ゲームのプロフィット・シェア(収益から報酬を配分)をしていなかったことだ。少なくとも彼女の意見ではそうだ。

「額はともかく小島氏は給料をもらい、あまりに多くの費用を費やしつつプロジェクトを遅らせた。あらゆる要素を盛り込み、ゲームを可能な限り大きく、最高のものにしようとした。コナミが不満だったのは、(プロジェクトが遅れたところで)小島氏は痛くもかゆくもなかったことだった。彼は費用をあれやこれやと使い、Fox Engineをアップグレードし、エンジンができていないという理由でプロジェクトをさらに遅らせた。その間も小島氏は給料を貰い続け、伝統的な「日本のサラリーマン」的なやり方で、プロフィット・シェアを受けなかった。コナミにはそれが不満だった。その間、児島氏はクリエイタが貰う給料よりも少しばかり多くを貰ったが、ゲームがヒットしてもボーナスを受け取らなかった…

「彼女の目には小島氏は素晴らしいクリエイターであり、おそらく当代最高のクリエイタだが、コナミが期待するような、しっかりしたビジネス感覚は持っていない。例えば普通なら葉の解像度を下げることにより手抜きをするような場面であっても、小島氏は可能な限りきちんとした見た目にちゃんと仕上げることを求めたのだ。彼女が言うには、開発者から30~40曲を書く仕事を請けたのだが、最終的には使われずじまいで、小島氏は彼女にもう一曲、また一曲、さらに一曲と書くように頼んだ。というのも小島氏は自分が気に入ったものに決めるし、ファンが見たいもの、ファンが聞きたいものについての素晴らしい理解力を備えていたからだ。

「彼女は音楽について小島氏と直接一緒に働いたので内情を洞察しており、MSGVで音楽が被害を蒙ったのはお金が足りずに自分を雇うだけの余裕がなかったからだと個人的には信じている。彼女におカネを払う代わりに、作曲家たちのところに行って彼らを雇った。彼らはこの難しい状況から彼女を出し、直接にそうした作曲家たちのところに向かったのだ。


NS: destructoid  Metal Gear Solid 1-3's composer might know why Kojima and Konami have split up


みらい的コメント:


小島氏の作品が費用的にはとんでもないことになるのはなんとなくイメージできるし、職人肌の小島氏があくまで給与制にこだわり、コナミが小島氏の頑固な振る舞いに強い不満をもったというのは、まあいかにもありそうな話ではある。

小島氏の去就に注目が集まるが、そんなに多くのカネが出せるところは多くはないだろう。

有能な開発者の一団と小島氏が組み、小島氏はシナリオや演出のみに注力し開発には口を出さない、というあたりが一番皆がハッピーになれそうな気がするのだがどうか。Guerrilla Gamesあたりと組んでKILLZONEに続く新シリーズを立ち上げたりする展開を個人的には希望。(技術力は抜群なのに、シナリオがいつもメロメロなのだよな……)