2012-10-25 01:12:40

任天堂IR: 2012年度Q2。下方修正再び。任天堂に何が起こったか?

テーマ:ゲーム業界(NPD,決算,売上等)
$みらいマニアックス !


来てしまった業績下方修正。

修正増減は、Q2で売上△290億、営業益△41億、通期で売上△100億、営業益△150億、純益△140億。通期純益ではプラス200億の予定が60億円のギリギリ黒字に減額。
修正理由は「為替相場が期初の想定を上回る円高に推移していることや、上期の実績及び今後の見通しをもとに各ハードウェア及びソフトウェアの予想販売数量の構成等を見直したことに」よるとのこと。
(http://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2012/121024_2.pdf)

ちなみに通期の当初想定レートは1EUR=105JPY、1USD=80JPY。
Q1~Q2の実績は1EUR=102.91JPY、1USD=80.20JPY。Q1終了時点1EUR=100.64JPY、1USD=79.41JPY。

Q1よりは為替は多少改善しているが、当初想定よりもわずかにドル安、少々ユーロ安。とはいえ下方修正の理由とするには弱い。つまり問題は「各ハードウェア及びソフトウェアの予想販売数量の構成等を見直した」ことにある。

ざっと短信をみると、通期での販売予想が引き下げられているのは3DSのHW・SW(HWで100万台、SWで300万本)。一方で引き上げられているのはWii/WiiUのSW(450万本)となっている。

為替損益をどこまで織り込んでいるかは不明だが、これはいずれにせよ営業益には売上減のカタチで入ってくると思われるので、おおざっぱに言えばWii/WiiUのSW450万本-3DS100万台-3DSのSW300万本≒△100億、ということになる。ちょっとおもしろい情報だ。


さて下方修正はダサいにはダサいが、北米で各社悪決算を連発している状況であり、しかたない面もある。問題は今回の下方修正は妥当なものなのかどうかだ。通期で60億円の黒字というガイダンスには、どろっとしたギリギリ感が濃厚なのでなおのことだ。


2011年度が売上で6,476億、2012年度が8,100億と、全体として見ると2012年度の決算は対前年比で125%程度となる予定だ。

これに対する内訳としての販売予想だが、短信にみてとれる任天堂の作戦をごくおおざっぱに言えば、(1)既存旧ハードWii・DSの売上減少を対前年比で5割程度にとどめ、(2)一方で3DSを5割程度伸ばしてトータルでのHW・SWの売り上げの減少を最低限に抑え、(3)足りない残りをWii Uで稼ぐ、といったもののようだ。

Q2での実績から見る限り、作戦(1)はうまくいっている。HW・SWのセールスの進捗は予定の範囲に収まっているものと思われる。(ちなみにここでの進捗率は、昨年度の実績から計算した。任天堂自身のものはこれとは多少違うだろうが、任天堂の年度内の売上推移は例年安定しているので、それほど大きくは違わないだろう)


だが問題は作戦(2)だ。下方修正後の目標に対してさえ、Q2の進捗はHWで1割程度、SWで3割程度も遅れているものと思われる。Q2では通期での大よそ3割程度を達成していなければならないはず。セールスの不足はHWで50万台程度、SWで700万本程度と思われる。

遅れの原因ははっきりしている。海外だ。Q1~Q2での3DSのHW・SWの売上は、実に4割が国内のものだ。国内市場はグローバルの2割弱のマーケットの規模なので、海外売上は本来あるべき規模の半分程度にとどまっていることになる。

やっかいなことに、このギャップは拡大する傾向にある。2011年度Q2では3DSのHWの国内セールスは全体の34%、SWは22%だった。これが2012年Q2ではHWの国内セールスは全体の41%、SWは37%になっている。こ国内の立ち上がりが早すぎるというより、むしろ海外の遅れが拡大していると見るべきだろう。

3DSの目標だけが下方修正されていることから、任天堂がここに強い危機感を持っていることが分かる。大幅な下方修正を行ってなお大きなギャップが残っている上、今後はかばかしく改善する見込みは薄い。普通に考えればむしろその逆に悪化するはずだ。もしも通期の決算に穴があくとすれば、それは3DSの海外での不振が原因となる可能性が高い。


最後に作戦(3)だ。
3DSが不振なのはいいとして、Wii Uはどうだろうか?

まずハードについては目標達成は確実だろう。これまでの情報からして、ホリデーシーズンのWii Uの相場はタイトな状態が続きそうだ。問題は任天堂が目標台数を供給できるかだが、少なくとも現時点の宣言台数550万台については、任天堂は供給に自身をもっているはずだ。だとすればハードのセールスに問題はない。

ではSWはどうか。Wii Uのタイトルは2,400万本の販売を予定している。本体が550万台なので、タイレシオでは4.36になる。短信には「Wii Uソフトの販売数量(予想)は、パッケージ版及びダウンロード版の数量です」との注記があることから、同梱版は含まない数字のようだ。

これが妥当な数字かは、直近の3DSのロンチと比較してみるのが近道だ。
過去の決算から見ると、ロンチ当初における3DSのタイレシオは2.61だった。Wii Uも概ね同じような数字になると考えるのが自然だろうから、4.36はかなり高い目標だ。

DL版のフリー配信等を行えば数字は簡単に稼げるだろうが、決算上なんの旨みもなく、そんな面倒な計画をわざわざ立てておくとも考えにくい。プレミアセットのユーザがDL版をバンバン買うことを期待しているのかもしれないがが、オンでは実績の長いPSであっても、DL版の売上はパッケ版の1~2割程度に留まっている。DL配信タイトルがそうそうまで売れるものだろうか?むしろ、これは黒字を作る上でやむを得ず入れた数字ありきの予想という印象を受ける。

作戦(2)に続き、Wii UのSWがどこまで売れるかが懸念されるところだろう。


今回の下方修正は妥当なものなのか?という問いに対して、答えはかなり「微妙」。今回修正されたガイダンスでは通期の黒字が確保される予定ではあるが、わずか60億円と薄氷のように薄いものだ。だからこれを下回ったとすれば、それは通期決算は二期連続の赤字となっている可能性が高い。仮にもしそんなことになったならば、ゲーム業界のラスボスとして長らく君臨してきた岩田氏にもさすがに厳しい目が注がれることになるはずだ。今年のホリデーシーズンは、例年になく緊張感に満ちたものになりそうだ。


みらい的チラシの裏

決算のたびに思うのだが、情報公開の点で任天堂はオープンだしフェアだと思う。
台数や本数の細かい数字もきちんと出してくれるし。
公開する数字がおおざっぱなソニーにも、このぐらいのレベルでだしてほしいものだ。それでなくとも常人にはちょと理解できないレベルのセールス予想をだしているだけに、なおさらだ。

あと本ブログではWii Uの出荷予定台数を530~540万台と予想していたが、正解は550万台だった。
ほぼ的中といってよかろう。逆ザヤなのも予想通りだし。

いえい。

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