【考察】 Gaikai=PS4?ソニーのコンソール撤退説 (2) | みらいマニアックス !

【考察】 Gaikai=PS4?ソニーのコンソール撤退説 (2)

まず前の(1)で述べた仮説をまとめてみる。

ソニーが考えるクラウドとはただのPS機能付きのTVではなく、これまでのコンソール機とは異なる次世代のプラットホームであり、ソニーはPS4よりもむしろこちらを本命視しているのではないかと考える理由がいくつかある。仮説はそのような内容だった。


もちろんこれはPS4が出ないということと直接には結びつかない。

少なくとも現時点では、クラウドにはさまざまな制約があり、熱心なゲーマが完全に満足できるものではない。また同様に、PS3やそれ以上のクオリティのゲームを提供することも、現時点のクラウドには難しい。そのような理由から、PS3を2015年まで引っ張るつもりがない限り、何らかのハードをPS4として出す必要があることも、また間違いないことだ。

だが投資回収の観点からは、このようなPS4で、これまで同様のC/S機ビジネスモデルを採用することは難しい。クラウドがメインストリームとなるまでの数年以内、おそらくは1~2年程度の短期間で投資と回収をバランスさせる必要があると考えられるためだ。そうであれば性能は控え目なものにならざるを得ないだろう。MSからリークした資料によると、Xbox720の性能は現在のXbox360の6倍程度の性能をターゲットにしているが、PS4もこれと似たようなレベルになるのかもしれない。

クラウドが(1)で考えたような次世代のメインストリームであるとするならば、PS4はクラウドに移行しやすい形態のハードであるべきだ。PCゲームが異なる性能レベルのPCでもきちんと動作するように、PS4世代のゲームは、クラウドとPS4との間でスケーラブルなものになっているのではないだろうか。

クラウドが数年以内にメインストリームとなることを前提として考えると、PS4は徐々にクラウドの海に溶かしていけるデザインとなっているのではないか。PS4は、クラウドまでの繋ぎを担う過渡期のハードで、おとなしめの性能・おとなしめの価格で投入され、そう長くない期間でクラウドの海に溶けていく。ディテールを排除してザックり考えると、PS4はそういったコンソールなのではないかと思われる。


だが腐るほどカネがあるMSや任天堂と違って、ソニーは本業が青息吐息だ。PS4への投資を嫌い、これをスキップして一気にクラウドまでジャンプしようとしたとしても、個人的には全く驚かない。

例えば、PS1、PSP、PS2といった過去資産をPS3、Vita、PSP、Bravia、Xeperiaといったデバイスにクラウドで順次提供して下地を作り、クラウドの技術がこなれてきたタイミングでノーティ開発の次世代超絶タイトルをクラウドに投入すれば、C/S次世代機という概念自体をどうでもいいものにできるかもしれない。

現にWii UとPS3の間で、TLoUやByondでそれに近い状況が既に起こっている以上、あながちあり得ない話とも言いきれないように思う。彼らが本気でクラウド向けのタイトルを作ったら何ができるのかは、もちろんまだ誰にもわからない。だが彼らは間違いなくユーザのド肝を抜いてくることだろう。


[1] [2]


最後にコメントいただいた点追記:

・過渡期的なハードが必要という点については、皆様ご指摘の通りだと思います。
(>aaaさん、あさん、じゃっかるさん、ROOMさん、TSさん)

・「基本無料でアイテム等で課金」というのはマーケティング戦略の一種なので、配信の形態よりも、タイトル内容や対象ユーザ毎によりそうですね。あまりじっくりかんがえたことはありませんが、クラウドにはコアなタイトルの方がむしろマッチするかもしれないという気がします。
(>aaaさん)

・グリッドコンピューティングは、夢はあってもなかなか難しいような気はします。Cellでのメニーコア開発ですらなかなか受け入れられなかったという経緯があるので。尤も戦略級シミュレーションのように膨大な計算量と強さが比例する、リアルタイム性の低いゲームなんかは向いてそいうな気もしますので、ゲームによるのでしょうね。
(>TSさん)