「沙織!!」


2度目の声で、びっくりして振り向くと
そこには、16歳の時に2ヶ月だけ所属した
渋谷のチームのリーダーだったKくんが
爽やかな笑顔で立っていた。

私より5つ上で
地元が同じで家も近所だったことから
当時はすぐに意気投合して
たまに飲みに行ったりお茶したり
長電話してお互いの恋愛話もしたりするような
チームを辞めたその後も
仲の良い男友達のひとりだった。


私の友人では唯一の有名大学出身で
卒業後、有名レコード会社に就職した
この頃の私にとっては
一般的にも社会的にも人間的にも
一番まともな自慢の友人だった笑


けれど、この頃は
私も地元を離れていたし
彼の逮捕や諸々激動の1年だったので
Kくんとはしばらく連絡を取っていなかったのだ。


新しい職場に新しい家に
地元から離れた新しい土地で
あまりに偶然なとっても久しぶりに会うKくんの顔を見て
ホームシックな子どもが家に帰れたような
そんな安堵感を感じ
私は思わず
「あーーーーーーーーー!!!」と
声を上げてしまった。


聞けば、Kくんは仕事で来ていて
そのミニLIVE(一つ屋根の下で有名になったミュージシャン♪)の
イベントで来ていたそうで
そのイベントを上の方から眺めていた私を見て
「沙織に似てる子がいるな~と思って、上がってきたよ!」と
優しい爽やかな笑顔で声をかけてくれた。


そもそも立川に居ることすら報告していなかったので
彼も本当にビックリしたようだった。


私も休憩中だったのと、Kくんも仕事中ということもあり
夜にでも改めて連絡を取り合おう!と
しばしの感動の再会を終えた後
私は仕事に戻った。


「カッコいい人だね!誰?誰?」
「レコード会社で、あんなイベントの仕事してるってすごーいかっこいい!」
と興奮する店長。

Kくんは、俳優の時任三郎似でオシャレで確かにカッコいい。

年上だけど、私にとっては「信頼できる仲の良い男友達」
そんな風に思っていた私にとって
店長からそこまで友人を褒められ
しかも、いつも威圧的に威張って来る不機嫌店長に
そんな風に言われたことに
私はちょっぴり優越感も感じたりした。


それまで何度かKくんの恋愛相談に乗ったこともあったし
私も色々相談してきた仲だったけど
このとき初めて、私はKくんを
異性として男性としてちょっぴり意識した瞬間だった。


その夜、仕事を終えてすぐに連絡をくれたKくんは
離れた土地で私に会ったことに興奮したと
その日を振り返りながら
改めてその感動を話してくれた。

何となくだけど
きっとKくんもこのとき初めて
私を異性として意識したのだと、そう思う。


久しぶりに長電話で色々話しながら
ここ1年で起きた出来事や
今国立で社宅に住んでいることなど
経緯や近況を報告した。


「とりあえず近々ゆっくり会おう!
またイベントでそっちの方行くから」と
Kくんからのお誘いで
後日久しぶりに私たちは楽しく語らった。


今まで、逮捕された彼とのことでいっぱいいっぱいで
まともに自分の時間を作れていなかった私は
こうして昔ながらの友人と会う大切さを
改めて痛感した。

「こういうこと本当にしてなかったな・・・」


私はそれから
地元の友達と遊んだり
久しく連絡を取ってない人に連絡をしたり
そんな交友関係をまた繋いでいった。


そして、その再会を機に
Kくんからの電話や
Kくんからのお誘いも増えていった。


ずっと色々大変だったけど
生まれて初めて
昼間の仕事をしながら友人たちとも遊び
ごくごく普通の平凡な生活を送れるようになり
人生で初めて
ずっと憧れだった普通に平凡な生活を
私はやっと送り始めていた。


10代の頃
私はよく周りに言っていたセリフがある


「平凡って一番難しいんだよ」

「だから、どれだけ自分が平凡で普通でも
それがとてつもない幸せだってこと、知って欲しい」


その一番難しい普通の平凡な生活が
やっと自分の毎日にも訪れ始めて
私は、本当にに普通に平和で幸せだった。


そんな生活を送って1ヶ月ほど経ったある日
会社の部長が関西から出てきて
話があるということで
ランチに誘われた。


「東京店を閉めることにした」

一瞬私は固まった。

「でも、この立川の店は閉めるが
今後関東には出店をしていく予定やから
今居る社員にはそれまで関西の店で働いてもらって
もし出来なければ辞めてもらうしかないんや・・・」


聞けば、今ある唯一の関東のお店を一旦閉めるけれど
近く関東にはまた出していくから
それまでしばらく関西の他のお店に出向するか
辞めるしかないという二択の話だった。


関西は行ってみたい気持ちはある。

だけど・・・というのが私の本音。


Kくんの存在も気になり出していたし
公私ともに充実していた矢先の転勤話に
私の心はほぼ『なら辞めるしかないな・・・』
という選択が占めていた。

だけど、そうなると
今いるこの会社の社宅からは
出ないといけない。

貯金なんてまだないし
かといって帰れる場所なんて元々ないし
行くアテもない私は
またしても居場所を無くしてしまう出来事に
「またか・・・」と肩を落とした。


結局東京店にいる社員4人と
大学生のアルバイト1人と
全員にその話がされ
みんながそれぞれ答えを出すこととなり

不機嫌な日が多く
みんなのストレスの元凶だった店長は
辞めるという答えを出した。

ちなみに、それからは
さすがに不機嫌な日も無くなり
最後は皮肉なことに
とっても楽しい職場となった。


そして、何かあると私に相談してきたり
プライベートでも遊ぶこともあった
20歳そこそこの若い社員2人は

「いずれ関東に出店した時に働きたいから
転勤はイヤだけど、そのために頑張って行ってきます」
ということで、残る選択をした。


私はその夜
最終の答えを出す前に
Kくんに電話で相談をした。

社会人としても
自分はどうあるべきか分からなかったし
頼れるのはKくんしか居なかったのだ。


一通り話を聞いてくれた後

「じゃ、一緒に住もうか?」

Kくんは突然そんな言葉を私に言った。


”え?付き合ってもいないのに?”

”実家暮らしなのにどうやって?”

そんな風に思ったのも束の間


「俺もいい加減そろそろ実家からは出なきゃと思ってたし
そのくらいの貯金はあるから、部屋借りて一緒に住もうか?」


突然の言葉にビックリしたけど
内心とっても嬉しかったし
どこも行くアテのない私には
本当にありがたい言葉だった。


けど・・・
正直まだ、恋愛として好きという気持ちは自分の中になく
ずっと友達として信頼してきてて
久しぶりの再会に異性を意識はし始めたものの
トキメキとかもない、信頼がベースの関係だったから
”一緒に住む=同棲”ということに自信が持てずにいた。


「どうしたらいいんだろ・・・」

そんな風に思いながらも
迫って来る期限と現実に
Kくんと住むことをリアルに考え始めた。


そして翌日
返事を聞きに来た部長に私は
行くアテがないので今すぐには出られないが
辞めるという決断をしたので
なるべく早く社宅を出る
という旨を告げた。


「城戸には残っててほしかったな」

残念そうにそう言った後

「社宅は契約の関係もあるから
2ヶ月は居て大丈夫だから
それまでに行く場所が見つかるといいな」

と、いかにも関西のごっつい男性という強面な部長が
優しく私に微笑んだ。


その夜、Kくんに部長に話したことを伝えたら
「じゃ、一緒に住もう!
場所はどこがいいか?奥沢とか自由が丘辺りはどお?
2ヶ月以内に引っ越さないとな!」

そんな風に現実的な話をしてくれるKくんに
嬉しい気持ちと少し戸惑う気持ちの中
自分が出した選択が果たしてよかったのか?と
少しだけ心が揺らいだ。










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死にたい気持ち

テーマ:

「死にたい」

 

その気持ちは
悪いものなんかじゃない


「消えたい」

 

その気持ちは

いけないものなんかじゃない

 

 

だって
あなたのその気持ちは
純粋なものだから

 

あなたのその叫びは
本当の心の叫びだから

 


誰かに心配してほしくてとか

誰かにかまって欲しくてとか 

 

そんな単純な気持ちで言ってるんじゃないって
知ってるよ


ただただ
この世が生きづらくて

 

ただただ
この世が苦しくて

 

今にも心が壊れてしまいそうで

 

絶望感に打ちひしがれていること

 

私にはわかってる


それなのに
「もっとツライ人はいる」とか
「そんなこと言われた方の気持ちわかる?」とか
「生きたいって思ってる人に失礼だ」とか

 

やっとそんな叫びを打ち明けたのに
その気持ちすら否定をされて

 

それでもっともっと
自分なんて居なくなればいいって
そんな風に思ってしまったんだよね


それだけ苦しい気持ちを
それだけツライ気持ちを

誰にも受け止めてもらえずに…

 

 

本当は

できることなら笑って生きていきたいって

できることなら幸せに生きていきたいって

そう思ってるんだよね


だからこそ
今それだけ苦しいんだってこと
わかってる

 

 

ひとりで泣かなくていいから

ひとりで自分を傷つけなくていいから

 

 

 

「死にたい」気持ちは
悪いものなんかじゃない

 

 

「消えたい」気持ちは
いけないものなんかじゃない

 


だって

それだけあなたが

一生懸命に生きている証だから…

 

 

 

 

 

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きっと当時の私はウツ状態だったのだと確実に思う。

 

昼間から毎日知らないその街をふらふらと彷徨いながら

空を見ては涙をこぼす・・・そんな日々だった。

 

帰れる場所も行く当てもなくて

もうどうしたらいいのかわからない

そんな日々だったけれど

そんな中でも死なずにいられたのは

唯一の祖母の存在と

「幸せになりたい」という

想いだけだったと今思う。

 

子どもの頃からの、遠い遠い

どんなに手を伸ばしても届かない

「普通に幸せに暮らしたい」という

そんな夢が、私を生かしていたのだと、そう思う。

 

 

「いつまでもふらふらしてるわけにはいかない」

 

そんな気持ちから

とりあえず私は

その街で仕事を探すことにした。

 

「普通」になるために・・・

 

もう夜の仕事ではなく

昼間の仕事しか考えられなかった。

 

そして昼間働くなら、と

やるならやっぱり、せっかく入った美容業界しか

私の頭の中には浮かばなかった。

 

そして、仕事を見つける!と決めたら

それが実現するまで

そう時間はかからなかった。

 

すぐに、立川駅にある輸入化粧品店で

社員としての採用が決まった。

 

当時24歳だったが

スタッフはほとんどが私より年下で

本社が関西にあるその会社では

他にも関西地方で数店舗を展開していた。

 

東京に進出して1年足らずで

店長が関西の他店から転勤で来ている状態だった。

 

毎月やってくる、貫禄のある本社の部長。

関西から来ている唯一年上のおっとりとした店長。

明るいのだが、とっても気分屋で毎日機嫌が違う年下の主任。

私の数日後に入ってきた年下の美人な後輩AちゃんとBちゃん。

このメンバーで毎日シフトに入る。

 

彼の家での、窮屈で全員がただの同居人状態の生活から

私は一刻も早く抜け出したくて

とにかく仕事を頑張った。

 

1~2ヶ月経った頃

東京のそのお店が落ち着いてきたからと

関西から来ていた店長が地元のお店に帰ることとなった。

 

お隣の国立にある社宅に住んでいたその店長が帰ってしまうことで

社宅が空くはず!と思った私は

そこに住むことができないか?と

すぐに部長に相談をした。

 

部長に軽く事情を話したところ

店長が出た後、そこの社宅に住めることとなり

私はすぐに引っ越しを決めた。

 

彼と別れることはしなかったが

私が家を出ることに彼からの反対も無く

むしろ彼は、またふたりでの同棲生活に戻る感覚に

喜んでいたほどだった。

 

だんだんと仕事も生活もまともになり始め

私の精神状態も、気付けばいつの間にか戻っていた。

 

この頃、たまたま本屋さんで「マーフィーの法則」を見つけ

それまで生きて来た自分の思考やマインドを

真っ向から破壊されたような感覚に衝撃を受け

むさぼるように毎日マーフィーの本を読むようになっていた。

 

生きるのがツラすぎて苦しすぎて

「いつ死んでもいい」と心の底から思って生きてきた私には

この本との出会いが、一番最初に

「人生は自分次第」ということを知ったキッカケだった。

 

そして、生活が新たなスタートを切ってすぐ

職場も新たなスタートを切ることになる。

 

週の半分以上は機嫌が悪く

みんなで顔色を伺うのに大変だった主任が店長となり

私は入社して間もないのに主任となった。

 

店長になったことで、彼女はさらに威圧的になり

機嫌の悪い日が増え

必然的に後輩2人は私になついていた。

 

機嫌がいい時はいいのだが

機嫌が悪いと本当に空気が悪くなり

仕事中、激しくストレスになる。

そんな日々(笑)

 

私にとって、ホッと出来る職場の人は

唯一、隣のアパレルブランドの店長さんくらいだった。

 

同じ敷地内にあり

レジ部分で繋がっているような作りで

不機嫌店長がいない時は

そのお隣のアパレル店長さんと世間話をするのが

私にとっては他の誰よりホッとする時間だったのだ。

 

不機嫌店長のイライラと

後輩たちの愚痴や相談。

 

主任として

よくまあ当時の私がそんな立場をこなせていたと

自分でも感心する。

 

寝る前にマーフィーを読み

自分が本当に望む人生を思い浮かべながら眠る。

 

なんだか深く理解はできていないけれど

それまでにない、ハッとした

ある意味ショックにも似た衝動で

私はマーフィーの唱える理論にハマり

ひたすら自分が望む人生を思い浮かべるようになった。

 

そんな生活を送り始めた頃

それまでほとんど喧嘩がなかった彼と

なぜか喧嘩が増え始める。

 

それまで本当に色々あったが

なんだかんだと仲も良く

彼自身も穏やかな人のはずだったのに

その頃は、ご飯の固さで彼が不機嫌になるようなそんなことが続き

まるで自然消滅のような形で

私は彼に連絡することが無くなり

彼も私の家に来なくなり

怒濤のような彼との日々を

私はやっと終えることができた。

 

久しぶりにひとりで暮らす開放感と

間に挟まれ大変だけど

主任という初めての役職で

きっと私はこの頃充実していたのだと思う。

 

時々1時間かけて蒲田から祖母が泊まりに来てくれる。

たまに地元に帰ると同級生の男の子がドライブに連れてってくれる。

 

お休みの日は国立の街を散策したり

打ちっぱなしに行ってみたり

充実した毎日を送り始めていた。

 

 

そんなある日、職場の駅ビルの広場で

有名なミュージシャンのミニライブがあり

その日たまたまご機嫌のよかった店長とランチ休憩をとった後

ふたりで少し観に行った。

 

 

「沙織!」

 

 

”地元から遠く離れたこんな場所で誰かと会うわけもない”

 

 

空耳だろうと思った瞬間

後ろから肩を叩かれた。

 

 

「沙織!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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