重松清『流星ワゴン』 | キムチの備忘録♪

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最近まともに本が読めていなかったので久々に読了いたしました。




流星ワゴン (講談社文庫)/講談社

¥788
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死んじゃってもいいかなあ、もう……。
38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。
そして――自分と同い歳の父親に出逢った。
時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――?
「本の雑誌」年間べスト1に輝いた傑作。(文庫裏表紙より)







この作品は、今放送しているドラマ「流星ワゴン」の原作本です。
ドラマは香川照之さんが見たくて視聴中なのですが、香川さん演じる主人公の父、チュウさんのキャラクターがなかなか面白くて好きです^^
んで、主人公の一雄を演じるのは西島秀俊さん。最近よく見ますね、香川さんとのコンビニコニコ
それから、不思議なワゴンを運転する幽霊を演じるのは吉岡秀隆さん。この方もなかなか良い味だしてます。








ドラマをきっかけに読んでみた本です。重松清さん作品、個人的にお久しぶり^^

リストラにあい、妻はテレクラ通いで息子は受験に失敗しいじめで不登校。絶望の淵で不思議なワゴンに拾われた38歳の主人公一雄。
ワゴンに乗せられ、彼の人生の大切だった時間をもう一度やり直していくお話。


道先案内人はワゴンの主である橋本さん親子。彼らはなんと5年前に事故で亡くなっている幽霊です。幽霊でありながら人間味溢れていて面白い親子です。
そしてもう一人、今は危篤で病床の人であるはずの父親。それも自分と同い年である38歳当時の姿で現れます。



タイムスリップの旅を通じて、知らず知らずに通り過ぎてしまった家庭崩壊の要因は何だったのか?
様々な後悔を胸に、主人公が妻と子供に向き合っていく姿が描かれています。


そして、大嫌いだった、ずっと避けていた父親。
それがなぜか今の自分と同い年の「チュウさん」の姿で現れ、一雄の過去をやり直す旅に同行します。
子どもの一雄から見た父は乱暴で無茶苦茶で自分勝手で、怖い存在でした。
しかし自分と同じ年の父と触れ合ううちに
子どもの頃には分からなかった父の愛情や弱さを知り、心のわだかまりを解いていく。
そこにじ~んときました。



結論から言うと、どんなに頑張ったところで過去はやり直すことは出来ない。
「現実はね、思いどおりにならないから…だから、現実なんですよね」
それでも、現実と向き合おうとすればきっと未来は変えられる。
そんな希望が見えた物語でした。








面白く読めました。
タイムスリップものってなんかワクワクします。でも、過去を変えようとしたところで現実が簡単にHAPPYに変わるような安直な結末じゃないのがまた良かったです。

余談ですが、
今回ドラマ視聴と同時進行で本を読んでみましたが、ドラマは原作から結構脚色されているので原作との結末の違いなんかもあるのかな~と期待しています。
あと、話がドラマと原作では前後していたり、ちょっと方向性が違ったりしています。
ドラマ見つつ原作も読みつつだったので、読みながら少々頭の中が混乱してしまいました(笑)