【関西マニアック街道】

 東京から大阪へ来て1年あまり。地元の人は「何だ」と思うかもしれないが、“異邦人”“マニア”にはたまらない穴場が、関西にはゴロゴロしている。そんな「マニアック街道」を歩いてみよう。

 第1回は、桜で有名な吉野山(奈良県吉野町)に現存する日本最古のロープウエー、通称・吉野山ロープウエーがあるというので行ってみた。

 大阪・阿部野橋から1時間半かけて近鉄吉野駅を降りると、駅前の観光案内所に、いきなり「ケーブルのりば」の文字=写真(1)。運営会社も「吉野大峯ケーブル自動車」だという。

 えっ、ケーブルカー? ロープウエーじゃないの? 話が違うじゃないか。せっかく来たのに…と思いながら乗り場の「千本口駅」に向かう。

 途中の観光案内図にはロープウエーの絵があるが、駅への入り口には再び「ケーブルのりば」の看板。いったいどっちなんだ。

 やがて見えてきた駅の改札口の奥には、ケーブルカーでおなじみの階段状のホームが=写真(2)。やっぱりやられたか、と思いながら進むと、隣にロープウエーのゴンドラがあった=写真(3)。ホームにもケーブルカーの線路らしいものは見えず、一安心。

 それにしてもなぜ「ケーブル」なのか。同社の内田英史社長によると、よく分からないが、戦前からこの名前だったそうだ。このころはあまり厳密な区別はつけなかったのだろうか。戦争中は「架空索道」と改名させられたそうだ。漢字の方が正確ではある。

 ホームに立つと、レトロなデザインの鉄柱が見える=写真(4)。これは建設当時のもので、補修しながら使っている。「建設年月昭和3年5月」と書かれたプレート=写真(5)=が誇らしげだ。ちなみに開業は4年3月、今年で81周年を迎えた。

 「鉄柱はさびが一番怖い」と内田社長。毎日の点検は欠かせない。太平洋戦争中の金属供出も、創設者の内田政男氏(内田英史社長の祖父)が抵抗してなんとか守ったそうだ。

 ゴンドラは昭和41年製=写真(6)。さすがに戦前のゴンドラというわけにはいかなかったが、昭和のにおいのする内装、リベット打ちの外観=写真(7)、昔の電車を思わせる窓の開閉レバー=写真(8)=が懐かしい。ドアも傷だらけで、歴戦のつわものを思わせる。

 外観はいま乗ってきた近鉄特急に似たオレンジとブルーの組み合わせだが、近鉄と資本関係はないという。ただ、「近鉄グループの近畿車輛が製造したので同じ色に塗ってもらった」(内田社長)ところが関西らしい。

 ホームが階段状なので、ゴンドラの内部にも2段分の段差がある=写真(9)。現在のロープウエーなら水平ホーム、ゴンドラの床も水平のはず。内田社長によると、開業当時は、ケーブル(ロープ)を水平にしたり、一度ケーブルからゴンドラを外して水平のレールに載せるような技術がなく、斜めにケーブルが張られているため、ホームもゴンドラもこのような構造になったそうだ。

 ブザーが鳴って、駅員?の制服を着たおばさん(失礼)が手動でドアを閉めるといよいよ出発だ。

 古い割にショックは少なく、乗り心地はいい。向こうからゴンドラが来て、すれ違ったかと思うと吉野山駅に到着=写真(10)。距離にして349メートル、3分間の空中散歩はあっという間だった。

 ここから急な階段を20メートルほど上がらないと吉野山のシンボル、金峯山寺への参道に出られない。

 なぜ、こんな中途半端なところが終点なのか。

 ロープウエーは社名のとおり吉野から、さらに大峯山寺付近までに延ばす計画があったらしい。そのためには、ここに駅があった方が延長しやすかったのだとという。実際に免許の申請もしていたそうだが、世界恐慌や、その後の戦時体制のなかで立ち消えになった。

 吉野にとって延長がよかったかどうかは分からないが、実現していたら総距離21キロの日本最長のロープウエーになっていたはず。

 今度は幻の長大ロープウエーを想像しながら、大峯山寺までの山道を歩いてみたい。(慶田久幸)

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 鳩山由紀夫首相は2日午後、退陣表明に伴い臨時閣議を招集し、各閣僚に対して「政権移行期に当たっては、政権の空白をつくることのないよう危機管理等に万全を期する必要がある」と職務に全力を挙げるよう指示した。首相は用意した紙を読み上げて、「本日首相を辞する意思を明らかにした。これまでの閣僚の支援と協力に対し、心よりお礼を申し上げる」と謝意を示した。 

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、H2Aロケット17号機で21日早朝打ち上げられた金星探査機「あかつき」が撮影した地球の画像を公開した。毎日、月までの距離にほぼ等しい約40万キロずつ地球から遠ざかっており、搭載した観測機器の点検を兼ねて「去りゆく地球」をとらえた。

【写真と図説で見る】日本初の金星探査機「あかつき」とは

 撮影したのは地球から約25万キロの位置。気象衛星(約3万6000キロ)よりはるかに遠いが、中間赤外カメラの画像では日本付近を覆う梅雨雲や南極大陸の姿が判別できた。紫外線カメラは大気の上層部、近赤外線カメラは雲の下を撮影。金星の大気をさまざまな手段で観測する機能が正常であることが確認された。

 あかつきは、金星に到達する12月まで暗い宇宙を飛び続ける。打ち上げが正確で軌道修正をせずに済んだため、撮影が可能になった。中村正人プロジェクトマネジャーは「探査機が打ち上げ直後に観測機器を動かすのは異例。金星に着くまで、山場はもうありません」と笑顔を見せた。

 あかつきと一緒に打ち上げられた世界初の宇宙ヨット「イカロス」も順調に飛行中。あかつきを追いかける形で金星に向かっており、6月上旬には帆を広げられるという。【山田大輔】

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